本日、食したカップラーメンはこちら!
「復刻 DEAR NOODLE しょうゆ味」
だぁぁぁぁぁぁ!
ムンネは、しずしずと土俵を下りると、ヤドンのまえに歩み寄る。そして、静かに膝を折、三つ指をついて頭を下げた。
「不束者ではありますが、どうぞ末永くお願いいたします」
「はぁ、お願いいたします」
訳が分からないヤドンは、とりあえず、相槌をうった。
オイ! 相撲勝負の条件はどうなったんだよ? 結局、顔か! 顔なんだろ!
「では、その婚姻届けをいただけますか。私も記入しますゆえ」
ますます混乱するヤドンは、自ら持つコピー用紙を指さした。
「これの事か?」
「はい、さようでございます」
「いるんだったら、どうぞ」
ムンネは頭の上に手をかざし、丁寧にコピー用紙を受け取った。
そして、その内容を確かめた。
しかし、そこにあるのかいてあるのは、megazonの利用停止の告知文章。
どこからどう見ても告知文章である。
にこやかに笑うムンネはスッと立ち上がると、自分の着替えから何かを取り出した。
次に瞬間、鬼のような形相で、コピー用紙の裏に何かを懸命に書き出した。
その動きがピタリと止まる。
また、ムンネはにこやかに笑いながら、ヤドンのもとへと近づいてきた。
「旦那様、こちらにご署名をお願いします」
ヤドンにペンとコピー用紙を丁寧に手渡した。
ヤドンはそのコピー用紙を引き寄せると、何を書いたのかを確認した。
『婚姻届け 魔女ムンネディカと勇者 は、ここに婚姻する。』
どうもこの空白にヤドンの名前を書けと言うことらしい。
「ここに書けばいいのか?」
ヤドンは尋ねた。
「はい」
ムンネはにこやかに微笑んだ。
その刹那、ヤドンの後頭部を優子がしばいた。
「アホか! それは婚姻届けだろうが!」
ヤドンの体力が10減少し体力200→190になった。
「婚姻届けってなんだ?」
後頭部をこすりながらヤドンがつぶやく。
「結婚するってことよ!」
「結婚ってなんだ?」
「トカゲの言葉で言ったら繁殖よ繁殖!」
「おぉ繁殖か! いいではないか!」
「アホか! 人間とトカゲで繁殖できるか!」
「トカゲではない! ドラゴンだ!」
「どっちも一緒じゃ!」
その言葉を聞いてムンネが驚く。
「えっ! 勇者様はドラゴンなのですか?」
「そうだけど」
「あぁ、荒々しいドラゴンの体……私、一生懸命! 頑張ります!」
優子が白けた目でつぶやいた
「一体、何を頑張るっていうのですか……」
「えっ、決まってるじゃない繁殖よ繁殖」
ムンネが素っ頓狂な声で答えた。
「だから、種が違うから無理だって……」
「愛は種族を超えるのよ。あなた知らなかった?」
「無理ですって……」
「あら、オカピだってシマウマとシカのあいの子じゃない」
「まぁいいわ。愛があれば大丈夫。私、ドラゴンの赤ちゃん産みます!」
「何言ってるのよ! この年増!」
ムンネが優子をキッとにらんだ。
「今、なんとおっしゃいました。確か年増と……女は35歳からですわ。このションベン臭い小娘が!」
ムンネは手を天空に掲げたと思うと、空から幾条もの赤い炎の筋が下りてきた。
そして、次の瞬間、広場を圧縮された空気の衝撃が襲った。
天空から隕石が次々とこの広場に落ちてくる。
ひぃ!
優子はヤドンの影に隠れた。
隕石が地面にぶつかると大きな爆発を引き起こす。
その発生した衝撃波が周りの建物を次々となぎ倒す。
衝撃によりくぼんだ大地が赤く、マグマのように溶けだしていた。
それが一つだけではない……
次々と飛来する隕石群
ほどなくして、オタンコナッシーの町の約2/3が消滅した。
俗に語り継がれる、「勇者と魔女の結婚式」であった。
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【とりあえず……】
氏名 ムンネディカ
年齢 34歳
職業 変態魔女
レベル 88
体力 104,007
力 501
魔力 857
知力 22
素早 400
耐久 400
器用 60
運 100
固有スキル 婚活!
死亡回数 0
右手装備 なし
左手装備 なし
頭装備 なし
上半身装備 ブラ
下半身装備 ふんどし
靴装備 なし
攻撃力 552
守備力 431
所持金 2,530
パーティ なし
第34話 魔女ムンネディカ(6) より