令和6年4月26日の昼飯

日、食したカップラーメンはこちら!

 

明星

濃いぜ! 一平ちゃんBIG

「豚肉うどん」

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
世の中、ゴールデンウィークです。
右を見てもゴールデンウィーク
左を見てもゴールデンウィーク
なにやら4/30、5/1、5/2を休みを取れば10連休となwww
ふざけるな!
 
あのね……
世の中には、その連休中に汗水流して働いている人もいるわけですよ。
ならば、その人たちのことを思って、一生懸命働きなさいよ。
 
え? なに?
その連休中に働いている人のために自分休んでお金使うんです!
もう! あー言えば、こう言う!
 
10連休しなくてもお金は他の休日で使えるでしょうが!
だいたい、その連休の間の平日しか動けないお客さんだっているわけです!その人たちの対応はどうするんですか!
え~! 自分以外の誰かがやればいいんじゃないですかwww
本当に馬鹿じゃなかろうか!
お前じゃないとできない仕事もあるだろうが!
マジで責任という言葉を100回書かせて喉の奥に突っ込みたい。
 
ということで、私の休暇請求は却下されましたwwww
というか、なんで連休中なのに仕事のスケジュールがこんなに詰まっているわけw
ありえないんですけどぉ~www
 
はい、それでは今日は「ゴールデン」つながりのお話を。
 

kakuyomu.jp

 

 だが、恐怖すべきは魔装装甲を瞬時に溶かすだけの消化液の酸濃度である。

 ……おそらく、pH0に近いのかもしれない。

 いやいや……もしかしたらpH14のアルカリなのかもしれない?    

 というのも、先ほどから触手の攻撃を受け続けている円刃の盾が熱を持ちはじめているのだ。

 そんな盾の表面はダン●ンから放出された白き液体によってベットリと汚されていた。

 おそらく鉄壁の処女のごとく強固な守りを持つ円刃の盾といえども、このダン●ンから放たれる液体によって何らかの反応を起こしはじめているのだろう。

 って、受精かよwww

 

 大当たりぃ~

 まさに一つの精子卵子に突入するかのように、カルロスの考えはピタリと的中していた!

 いいかえるなら、それは妊娠検査キットで陽性反応が出たときのような確かな感触だった。

 そう、奴の正体がスライムとわかれば対処の方法はあるのだ。

 なぜなら、聖人世界でも荒神の成り果ての姿であるスライムは、時折、現れるのである。

 だが、聖人世界ではあらゆるものを食らいつくすスライムは、魔人世界と異なりすぐさま駆除対象となっていた。

 そのため、聖人世界ではスライムの駆除方法がしっかりと確立されていたのである。

 それは!

 『スライムの核を一撃のもとに打ち砕く!』

 

 だが、失敗すれば大変なことになりかねない。

 というのも、怒り狂ったスライムが分裂しまくって巷にあふれ出すのだ。

 そして、その大量に発生したスライムにより周囲のあらゆる生き物がたちまち消化され姿を消してしまうのである。

 

 

 そのため、カルロスは目の前の巨大な大根、いやダン●ンをくまなく観察し始めた。

 ――奴のコアはどこだ……

 そう、スライムを駆逐する方法の最優先事項は、この核の場所を正確に見出すことなのである。

 

 だが、無数に伸びる触手が邪魔をする。

 そんな触手には、かつて分裂体の時にあった腕や足などが、まるでお飾りのように引っついていた。

 うん? 待てよ……

 確か……このダン●ンは無数の分裂体が合体したものだったよな……

 当然、それぞれの分裂体には核があったはずなのだ。

 それが今ひとつのダン●ンに固まっているとはいえ、それまでに持っていたそれぞれの核はどうなったというのだ?

 もしかして、一つにまとまった?

 そんな馬鹿なぁwww

 核融合でもあるまいしwww

 そんな時、ダン●ンの口が大きく開け広げられる。

 しかも、その喉の奥から生まれたまぶしいばかりの光がどんどんと大きく成長していくではないか。

 それを見たカルロス。

 ――まずい!

 とっさに黄金弓を背後に隠し、己の身を円刃の盾で防いだ。

 瞬間、白い光がカルロスを包みこむ。

 ドゴーン!

 激しい爆発音とともにカルロスの背後にあった城壁の上部を吹き飛ばし駐屯地の広場を打ち抜いていた。

 そして、その射出された高エネルギーの衝撃でダン●ンもまた、大きく傾いていたのであった。

 ダン●ンを支えるために、あれほどしっかりとダイコンの根を張っていたにもかかわらずである。

 しかも、その根は今や、そのほとんどが石床をたたき割って城壁上部にむき出しの状態になっていたのだ。

 

 えっ……もしかして、これって……その核融合の際に発生したエネルギーとかなにかなのwww

 そう! 名付けて太陽光サンレーザー!

 太陽のエネルギーは核融合なのだぁぁぁぁぁぁぁ! 

 ってwww核は核でも違う核でしょうがwwwコレ!

 

 飛び散るがれき。

 舞い上がる粉塵。

 そんな砂埃の揺らめきの中に肩で息をするカルロスの姿があった。

 ――はぁ……はぁ……

 だが、その姿はもうボロボロ……

 いまや身にまとう魔装装甲のいたるところが崩れ落ち、生身のカルロスをむき出しにしていたのである。

 その姿……おそらく、立っているのもやっとの状態。

 口から垂れ落ちる赤き血筋をぬぐいながらカルロスは鼻で笑う。

 ――さすがに……あれをもう一度食らったら、今度は耐えられんな……

 

 というか……今、思ったんですけど……

 セレスティーノの魔装装甲を砕き割ったお登勢さんの北斗シイタケは、この核融合エネルギーが作り出した太陽光サンレーザーと同じ破壊力があるということなんでしょうかwwwwマジかよwww

 

 だが、目の前にそそり立つ壁のようなダン●ン……

 この大きな肉の塊の中からどうやって奴のコアを探し出せばいいのだろうか。

 その核のサイズはおそらく握りこぶし一個分といったところ。

 そんな小さな核を探し出すのはかなりの困難を極めると思われる。

 ――さてさて……どうしたものか……

 困り果てたカルロスであったが、まだ、その体の動きは健在のまま。

 再び迫りくる触手の群れを盾でいなし続け、体を右に左に振っていた。

 

 だが、そんなとき、カルロスはふと気が付いたのだ。

 目の前の肉の塊が、仮にダン●ンであるとするならば、そう、ゴールデンボールはどこにあるのだ?……と。

 そんなたわいもない疑問であったが、やはり、ここは理科の授業を得意とするカルロスである。真実を確かめずにはいられなかった。

 

 ――やはりゴールデンボールというからには付け根の部分か……

 打ち付けられる触手の攻撃をかいくぐり、カルロスはダン●ン(仮称)のもとへと近づきはじめた。

 

 え~www

 ここで皆様に、事務連絡でございますwww

 すでにお気づきのように、ココからはダン●ンに(仮称)をつけさせていただきました。

 というのも、今までは、目の前の肉塊がたとえダン●ン、ペ●ス、チン●コのよに見えていたとしても、それは、単に『そう見えるというだけ』のことだったのであります。

 いいかえれば、それがダン●ン、ペ●ス、チン●コであるという証左は何もないのであります。

 だからこそ、ココでそれを書いたとしても当然、何の不都合も発生しないわけなのだぁぁぁぁぁぁあ!

 

 だが……

 だがしかし……

 もしも……

 もしもですよ……

 

 これがダン●ンであるという証拠、すなわちゴールデンボールが見つかれば、おそらく、これはエロ小説以下になり下がってしまうわけなのです。(って、今でも十分エロ小説以下かwwww)

 こうなると、もう、ダン●ンという名称は使えなくなる可能性が出てくるわけですが……

 そうなる前に、今からは予防線として(仮称)をつけておくことにしました!

 以上、その点、皆様もご留意のほどをwwwテヘwww

 

 ――やはり、あったか!

 ダン●ン(仮称)のもとに近づいたカルロスは大きなフグリを見て確信した。

 そのフグリ……いわゆる陰嚢と呼ばれる玉袋は、だらしなくだらりと石床の上に伸び広がっていたのだ。

 しかも、その玉袋に一つの山が見て取れる。

 ――こいつ……片玉か!

 片玉というのは、タマタマが一つしかないことで、停留睾丸、または停留精巣と呼ばれる病気の一種のことです。この病気の原因はいまだ分かってはいませんが、停留精巣を治療せずに体内に精巣がある状態で放置した場合には、精巣がんと不妊症のリスクが高くなるといわれています。というのも、タマタマでは精子を作りだします。この精子を作るためには精巣の温度が体温より1~2℃低い環境が必要なのだそうです。そのため、わざわざタマタマを体の外に出して少しだけ温度を下げているとのことなのだぁぁぁぁぁ! ハイ! これ女性の方も必見の豆知識! 分かったかなwww

 

 そんな玉袋からうっすらと陽炎が揺らめいていた。

 どうやら偶々たまたま見た、そのタマタマがたまらん程の熱を持っているようなのだ。

 もしかして、これは! 分裂していた核が融合した際の影響なのか?

 ならば、目の前に転がっているタマタマこそが、この肉の塊であるダン●ン(仮称)のコアに違いない!

 なんだwww 簡単に見つかったではないかwww

 あれだけスライムのコアを探すのは大変だと言っていたにもかかわらずwww

 それもこれも日ごろのカルロスの行いがよかったからに違いない。

 いつもエメラルダ様のために粉骨砕身!平身低頭!頑張ってますもんねwww

 

 という事で、カルロスはその核を打ち砕くべく、引き上げた右足をタマタマめがけて思いっきりを踏み下ろしたのだった。

 ガツッ!

 石床にたたきつけられた魔装装甲が乾いた音を立てる。

 だが、そこにあるはずのタマタマがないのである……

 ――ちっ? どこに行った……

 不思議そうにあたりを見回すカルロスだったが、大きな玉袋は簡単に見つかった。

 なんと、踏みつけたはずの足のすぐ左に広がっていたのである。

 ――ワシ……ちょっと疲れているのかな……

 狙いをつけてちゃんと踏んづけたつもりだったのだが、どうやら少しずれたらしい。

 ――やっぱ……もう年かな……

 齢50近くのカルロスはそう思いながら再び引き上げた足を踏み下ろしたのである。

 だが、今度は玉袋が右にズレたのだ!

 ――な・ん・だ・と!

 こいつは玉袋を自在に動かせるというのか!

 確かに風呂に入った時、手のひらに載せた玉袋をよくよく観察してみるとタコのようにうねっているのだ。

 だがしかし、それを腕の筋肉のように自在に動かすことなど、常人にとってはまずもって不可能なのだ!

 いや……そもそも……こいつは人ではない……スライムだ……

 だから、この玉袋も人のものではないのである。

 そう、忘れてはいけない!

 こいつはダン●ン(仮称)なのである!

 ならばもう容赦はしない!とばかりにカルロスはあたりかまわずに足を踏み下ろしはじめた。

 バン‼ バン‼ バン‼ バン‼

 だがしかし、玉袋もその動きを避けるかのように右に左によけるのだ。

 それはまるで猫じゃらしのよう。

 この様子……一見すると、玉袋という猫じゃらしを相手に、カルロスという猫がはしゃいでモグラ叩きをしているようにも見えるのだwww

 だが、こう見えてもカルロス……老練な猫である。

 そう、いわゆるずるがしこい猫なのだ。

 単にじゃれているように見えても、ちゃんと獲物を追い込んでいるのである。

 でもって、ついに玉袋が城壁のきわへと追い込まれた。

 そこにもう逃げ場は、ありはしない……

 チェックメイト

 と言わんばかりに、不敵に笑うカルロスは思いっきり足を踏み下ろした!

 グチュ!

 城壁の上に肉のつぶれる鈍い音が響き渡った。

 

 先ほどの太陽光サンレーザーの攻撃によって今のカルロスの魔装装甲は、いたるところが崩れている。

 そんなむき出しとなった背中に一本の肉の触手が突き刺さっていた。

 つぶれるカルロスの肉……

 うめき声をあげるカルロスの表情が、その一撃の重さを表していた。

 

 もしかして……タマタマを潰すことに専念していたカルロスは、周りから迫りくる触手たちの姿が見えていなかったのだろうか?

 まぁ、確かに猫は遊びに夢中になると周りが見えなくなるものです……

 椅子の上でじゃれているとよく落っこちたりします。これ、猫アルアルですよねw

 だが、この城壁の上でじゃれているカルロスは歴戦の猫ではなくて歴戦の勇者。

 常に周りの状況を冷静に観察している。

 しかも、先ほどまであれだけ触手の攻撃をいなし続けていたのである。

 触手の存在を忘れるなどありえない……

 ならどうして……

 

 

 うつむく口からしたたり落ちる血のしずくをぬぐいながらカルロスはつぶやく……

「あれほど……下がれ……と、命令しただろうが……」

「カ……カルロス様……申し訳ございません……」

 カルロスの落とす影の下で、一人の魔装騎兵が震えていた。

 

 そう、カルロスがコアを踏みつぶそうとしたとき、城壁の傍らにある壊れた連撃弩の影に一人の魔装騎兵の姿を見つけたのだ。

 しかも、その眼前には白濁の液を滴らせる触手が今にも彼の命を奪わんと鎌首をもたげていた。

 カルロスの踏み足は迷わず向きを変えた。

 踏みだす一歩……

 だが、触手もまた魔装騎兵に向かって加速する。

 ――間に合わんか⁉ いや、まだだ!

 「限界突破! 人血吸収!」

 加速するカルロスの体が風になった!

 

 

 すでに限界突破をしている魔装装甲に今度はカルロス自身の人血を注ぎ込んだのだ!

 キユィィィイッィン!

 高い金切り声を上げる魔血ユニットがカルロスの脇腹から血を吸い上げていく!

 うぐぐぐぅ!

 苦痛をこらえるカルロスは、こみ上げてくる悲鳴を飲み込んだ。

 この「人血吸収」、人血大量消費時代のいわゆる融合加工第二世における技術の応用である。

 魔血によって限界突破を行っている魔装装甲に、それとは別の人間の血を大量に与えることによってさらに能力を向上させようというのである。

 というか、ハッキリ言って限界突破の重ね掛けなど無謀の極致。

 すでに限界を突破しているカルロスの体に、さらに想像を絶する負荷がかかるのである……おそらく今、彼の筋肉の多くは完全に断ち切られているにちがいない……

 だが、それよりも深刻な問題は、魔血ユニットによって直接的に血を吸収されているということなのである。

 これにより、カルロスの体内には魔血ユニットから魔の生気が大量に流れ込んでいるのだ。

 大量の魔の生気が逆流してくれば、いかに人魔症の発症を抑える人魔抑制剤をうっている体とはいえ、確実に人魔症を発症する。

 だが、カルロスは己が命を顧みることなく、目の前の部下の命をまよわず選択したのだ。

 

 

 しかも、幸運なことに触手の一撃は飛び込んだカルロスの背中を貫くことなく、その直前で止まっていたのである。

 というのも、背に隠した黄金弓がその一撃を防いでくれていたのだ。

 魔装装甲を打ち砕くほどの触手の一撃。その攻撃に耐えうる黄金弓は、さすがにウルトラレアの一物である。

 

 とはいえ……カルロスのダメージは大きい。

 はぁ……はぁ……はぁ……

 肩で息をするカルロスは、へたり込んでいる魔装騎兵の肩をつかみ取り、無理やり引きずり起こした。

「わしが気を引いておく……そのすきに、下の広場にまで下がれ……よいか……」

 そして、その背中を強く押し出すのであった。

 
 第24話 激闘!第六駐屯地!(11) カルロス vs. ゲルゲ より
 
 
 

令和6年4月25日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

明星 
「一杯満足 しょうゆ味ヌードル」

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
ほぼ毎日ブログを書いていると、マジで書くことがなくなるのよ。
で、行きつく先は愚痴ばかりwww
 
そういわれれば、最近、カップラーメンに対して文句しか書いとらんなwww
もしかして、心が病んでんのか?
よし! 今回はちゃんと褒めよう!
うん! 美味しかったです
 
ということで、今日は「文句」つながりのお話を
 

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「これもそれも、ベッツローロ! アンタがおでん組のセンターをちゃんとやらないからだろ!」

「ばあちゃん……俺、そんなダサイの嫌だよ……」

「何がダサいだよ! おでんだよ! おでん! そのうち、ODN48オーデーンーフォーティーエイトにしてみせるからね!」

「ばあちゃん……おでんの具材が48種類もあるわけないだろ……」

「アンタ、バカだね! おでんの具材なんざ、地方も含めれば48種以上あるもんだよ!」

「だから……おでんがダサいんだよ……おでんが……」

「よくも言ったね! ベッツローロ! アンタも私が神から授かった恩恵『誘惑チャーム』で操ってやろうか!」

「やめてくれよ……実の孫だろ……だいたい、ばあちゃんの誘惑チャームって三人までしか操れないだろう……」

「何言ってんだい! こうやって若い男にかしづかせておけば、女性フェロモンがバンバン出て、その内、誘惑チャームの上限も上がるかもしれないだろ」

「ばあちゃんの場合……女性フェロモンじゃなくて加齢臭だよ……」

「ベッツローロ! よくも言ったね! 覚悟しな!」 

 ひぃぃぃぃぃ!

 ばあちゃんに誘惑チャームで操られでもしたら大変だ。

 アダルトビデオでもなかなかお目にかからないデブのババアとデブのヤンキー孫という暑苦しい近親ものになりかねないのだ。

「おれは、清純派妹系アダルトビデオが好きなんだぁぁァァ!」

 ということで、ベッツは慌てて部屋から飛び出した。

 

――アダルトビデオって……おれは巨乳派だ!

 ベッツを見送るモンガは、急に何かを思い出したように手を打った。

「いけねぇ! 巨乳で思い出した。そういや今日は、第六の巨乳のエメラルダから毒消しを受け取って、第一駐屯地まで輸送する仕事があったんだ!」

 

 巨乳と言えば私の事だろうと、ペンハーンは自分の胸をタップんタップんさせながら「まぁ、多少遅れても大丈夫だろうよ。なんてったって、今の第一駐屯地の隊長はジャックの小僧だろ♥」と、色っぽく言うが……その三段腹……どの段がオッパイなのか、実の息子のモンガであっても全く分からなかった。

「そうだけど……ジャック隊長、キレたらすぐに人を切り殺すから、おっかないんだよ……」

「大丈夫だって。つねづね私がラブコールを送ってやっているんだから」

「ラブコール?」

「そう、おでん組の新メンバー、ジャック10テン!」

10テンって、ベッツ入れても5番目だろ……」

「いいんだよ、じゃこ天はおでんに入れてもおいしいんだから♥」ペロ♥

 なぜか身震いをしたモンガは、いそいそと部屋を出て第六宿舎に向けて出発の準備をしはじめた。

 

 はい、ということで、タカトたちが荷馬車で進んでいる時間まで早送り!

 キュルキュルキュル!

 って、だいたい今の若い人たちって、ビデオなんて知らないんだからね!

 う~ん、思い出しますね……中学の暑い夏……雨上がりの青臭い河川敷……捨てられたアダルトビデオを拾ったことがありました。

 泥まみれのテープをウキウキとしながらビデオ本体に入れたとたん、なんと! 運命のいたずらか! ものの見事に本体がブッ壊れたという切ない思い出。

 なんか、今のベッツ君に重なりますね……めっちゃ怒られた……

 ということで、戻ってきましたタカトの時間軸!

 こちらもなんと! 運命のいたずらか! ベッツが歩いて出てくる路地の入り口の前には、先ほどの犬の親子が今、ちょうど通りかかっていたのだ。

 

 あっ! あぶなぁぁぁぁい!

 

 母犬はベッツの足をさけようとしたが、ひきずる前足がうまく動かない。

 そしてものの見事に、ベッツの足がふらつく母犬の体を思いっきり突き飛ばしてしまったのであった。

 

「なんだこの犬! 汚ねぇな!」

 犬とぶつかったベッツは咄嗟に自分の靴やズボンが汚れていないかを念入りに確認しはじめた。

 どうやら先ほど怒られた憂さを晴らすために、わざわざ父親の目が届きにくいこの一般街のはずれまで来ていたようなのだ。

 そして、ここいらで仕事をしている奴隷女を適当に見つけると、難癖をつけてイジメてやろうと思っていたのである。

 こらぁ! このくそアマ! 服が汚れたじゃないか! この服は、らフランス製だぞ! 土下座しろ!

 まぁ……どこの世界にもいるよね……相手の立場がちょっと弱いって分かるとすぐにイキりだす奴。

 謝罪しろ! 反省しろ! 1000年たっても謝罪しろ!

 うるせい! てめえなんざ! 洋ナシ! 玉なし! 人でなし! ヒトデでなければ短小ナマコ! いやウ○コや! ウ○コ! このクソ野郎! 文句があるなら守備兵でも神民兵でもいくらでも連れてこいや! ゴラァァァァ!

 と言ってみたら、めちゃくちゃオカマのママに怒られた……なんで俺が……怒られニャならんのニャァ! byハゲ太

 というか、もしかしてオカマバーが流行らないのは、すぐにキレるハゲ太のせいなのではないだろうか。

 

令和6年4月24日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

エースコック

スーパーカップ1.5倍

ビーフの旨みとにんにく感が刺さる濃厚カレーラーメン

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
カレーラーメンは美味しいです。
私好みですし、外れはないかなwww
 
でも、なんといいますか、カレーラーメンは麺とスープの絡み具合が命のような気がするわけです。
で、このカップラーメン。
スープは美味しい。
麺もモチモチとしていておいしい。
でも、なんか、心なしかバランスが悪い……ような気がするんです。
何だろう……この違和感。
 
ということで、今日は「違和感」つながりのお話を。
 

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 そんな二人はよくつるんで地下闘技場に通っていた。

 そして、当然のように賭けに負けたヒロシとどん兵衛は、夜な夜な酒を飲んでは千鳥足で店に帰ってくるのが常であった。

ヒロシです……今日一番の大勝負……娘の給食費を使い込んでしましました。明日、空になった封筒を持っていくルリ子のことを思うと不憫でたまりません……ヒロシです……ヒロシです……ヒロシです

 そんな鰐川わにがわヒロシの肩を立花どん兵衛が笑いながらバンバンと叩くのだ。

「わははははwww ヒロッチ! 大丈夫! 大丈夫! ルリ子ちゃんだったらまたクソ!クソ!言いながら盗難騒ぎをでっちあげて逃げ切るってwww」

 だが、ヒロシは大きくため息をつくと黒縁の眼鏡を押し上げて、目に溜まった涙をゴシゴシと手でこするのである。

ヒロシです……ルリ子が盗難騒ぎをでっちあげた回数……すでに40回……もう……クラスの生徒の数よりも多くなってしまいました……ヒロシです……ヒロシです……ヒロシです……」

 というか……お前……そんな回数を盗んでいたのかwww

 さすがにこれは無いわwww親、失格だろうwww

 だが、類は友を呼ぶということわざの通り、もっとだらしない男がヒロシの横を歩いているのだ。

「わははははwww ヒロッチ! 大丈夫! 泥棒はな同じ奴が何度も何度も繰り返すんだwww俺が保証する!」

 って、お前ら! 盗んだ金でバクチしてんのかよ!

 

 だが、その日を境にして、ヒロシは立花ハイクショップに姿を見せなくなったのである。

 

 よく晴れた青い空。

 ハイクショップの入り口に出された長椅子に立花どん兵衛が腰を掛けて味の薄い緑茶をすすっていた。

 ズズズズ……

「オイ! タケシ! 出がらしを使うなって、いつも言っているだろうが!」

 店の奥に積まれたダンボールの中からアルバイトのタケシが顔を出すと大声で返した。 

「仕方ないじゃないですか! おやっさんがいつも地下闘技場で負けてくるから金がないんですよ!」

「なに! このうっすい茶は!俺のせいだとでもいうのか!」

「そうですよ!」

 

 そんな時、店前のあぜ道を息を切らしたルリ子が駆けてきて、その勢いのまま店の入り口に飛び込んできたのである。

 よほど急いでいたのであろうか、膝に手をつき肩で息をしている。

「ハァ! ハァ! ハァ! おい! クソ野郎ども! ルリのクソ親父を知らないか! ハァ! ハァ! ハァ!  クソ!」

 その尋常ならざる剣幕に、入り口で茶を飲んでいる立花どん兵衛などは他人のふりを決め込んだ。

「ああ~空は広いな~大きいな~♪ チチがチンチラ~♪ちらりズム~♪」

 そう、横目で見る立花どん兵衛の視界には、うつむくルリ子のテイシャツの隙間から垂れるチチがチラリと見えていたのである。

 エロい!

 コレはエロい!

 だが……どん兵衛の年はすでに齢70を超えている……

 その老体は既に若かりし栄光を失って久しいのだ……

 伸びしろなんて存在しない……

「久しぶりに息子と戯れたいと思ったら~♪ 息子も俺も年でした~♪ チクショウォォォォ!」

 そう……こんなおいしい状況を見ても……もう腰の曲がった息子は、二度と起き上がることがなかったのである。 

 まさに老老介護www

 ちなみに、立花どん兵衛は今まで一度も結婚をしたことがない独身男であるため、老後を見てくれる息子など存在しない。

 

 一方、ダンボールの山の中で悪戦苦闘をしていたタケシは、モッコリ!もといムックリと起き上がると驚いた様子で声をかけた。

「どうしたんだ! ルリ子さん!」

 顔を上げたルリ子の目には涙がいっぱい。

 泣きだしそうになるのを必死にこらえながら大声でまくし立てはじめた。

「ルリのクソ親父! ルリの校納金を使い込んでいやがったんだ! そのせいで……ルリは……ルリは……今まで……友達のことを……泥棒だと思って責め続けてたんだ……それが……それが……くそ……」

 

 それを聞くやいなや立花どん兵衛は、口に含んでいた茶を吹き出してしまった。

 ぶはっ!

 ――えっ? もしかして……この娘、マジで、今まで、校納金がなくなったのは泥棒に盗まれていたと思っていた訳?

 

「それが……それが……全て、あのクソ親父が盗んでいやがたんだ! クソ!」

 ――おいおいwww ヒロッチの奴、なんで見つかったんだよwww

 

「ルリの財布をいじっているから、どういうことだよ!って、クソ親父を問い詰めたら、あのクソ親父! 校納金の袋を投げだして急いで窓から逃げ出しやがった! 今まで、校納金を盗んでやがったのはクソオヤジだったんだ! あのクソ!」

 ――ヒロッチwww 娘の財布からも金を盗もうとしていたのかwww 完全に親失格だなwww

 

「クソ親父! 見つけ出してみんなの前で土下座させてやる! 盗んだのは私でしたって謝らせるんだ! くそ野郎が!」

 ――この娘www 今まで友達にぬれぎぬ着せたこと後悔してるんだwww 意外といい娘かもwww

 

「おい! ルリのクソ親父がここに来たらルリに教えろよ! 絶対だぞ! いいな! クソ!」

「OK! 了解した!」

 と、タケシが答えるよりも早く店から飛び出していくルリ子。

 その後ろ姿を見ながら立花どん兵衛は思った。

 ――ヒロッチwww これでは当分家に帰れないなwww

 

 

 そう、家に帰ることができなくなっていた鰐川わにがわヒロシは職場であるツョッカー病院で寝泊まりしていたのである。

 だが、その事実を知っていたのは立花どん兵衛、ただ一人。

 地下闘技場に通うことがないタケシやルリ子は知る由もなかったのである。

 

 

「すまない……タケシ君……」

 手術台につながれた鎖を外しながらヒロシは涙を流しながら謝り続けていた。

「町中で倒れた君をどうしても、私は……見捨てることができなかった……」

「もしかして! 俺の命を! 助けてくれたのは! 先生なのですか!」

「ああ……だが……そのせいで……そのせいで……タケシ君……君の体は……」

「俺の身になにが?」

「君の体は盲腸の手術をすると同時に、第三世代の融合加工がデスラー副院長によって施されてしまったのだ……」

「なんだって! どうしてそんなことに!」

「いや……だって……ツョッカー病院で寝泊まりしていることがバレてしまってね……そしたら、宿泊代として大金貨5枚をデスラー副院長から請求されてしまったんだよ……」

「もしかして……鰐川わにがわ先生……」

「だって……融合手術の実験体を持ってきたら借金はチャラにしてくれると言われたから……つい……」

「それで……俺を売ったんですか?」

「だから、今、謝っているではないか!」

「えっ⁉ ここで逆切れですか!」

「しかも、こうして君を逃がそうとしているのが分からないのか!」

「ルリ子さんがキレるだけのことはある!」

「えっ⁉ ルリ子は元気なのか?」

「当たり前だろうが! 貴様のせいでどれだけルリ子さんが苦労したと思っているのだ!」

「そうか……そうか……ルリ子はちゃんと大きくなってくれたのだな……」

 ヒロシは黒縁の眼鏡を押し上げると涙がたまった眼をゴシゴシとこすった。

 ガチャリ……

 スッポンポンのタケシは鎖が外れると同時に手術台から転がり下りると、すぐさま立ち上がり、目の前のヒロシを鬼のような形相で睨みつけていた。

「貴様ぁぁぁぁ! ちゃんと人の話を聞いているのかぁぁぁぁ!」

 ついにタケシの怒髪が天をつく!

 その瞬間! ぷうっ! あっ!

 力んだせいか、タケシのお尻から大きな風がプウっと吹き出した。

 それとともに、尾てい骨に融合加工されたタケコプターが勢いよく回転し始めたではないか!

 そう、これこそ! 『ぷうっ! あっ! エネルギー』!

 えっ? 『あ』はどこに行ったんだって?

 もう、そんなこと言わせないでくださいwww

 そして、今! タケコプターに『ぷうっ! あっ! エネルギー』を蓄えたタケシは大きく手を回しながら、お決まりの文句を唱えるのである!

 それでは! 皆さん! ご一緒に!

「へ~ん~し~ん! トウっ!」

 と、勢いよく手術台の上に飛び乗るタケシ!

 なんと! そこには!

 

 そこには……

 

 ……

 

 黒いナマコ怪人が……

 手術台の上に飛び乗ったタケシの右足に踏まれてペッチャンコになっていた。

 だが……このグニャリとした感覚……覚えがある……

 よく道の傍に落ちていた犬のウ〇コ……アイツを踏んだ時の感覚にそっくりなのだ。

 瞬時にタケシは裸足の足裏をつかみ上げると、違和感の正体を確かめるかのように鼻を近づけた。

 鼻孔に飛び込むマンダムな香りwww

 間違いなく奴である!

「なんじゃこりゃぁぁぁぁあ!」

 なんじゃこりゃぁじゃなくて、それはウ〇コだってwwww

 そう! それは先ほど、デスラー副院長がタケシに請求書を見せる際、『ぷうっ! あっ! エネルギー』を蓄積することによって生まれ出た副産物であった。

 そして、タケシは仰向けで手術台に固定されていたために、お尻の下に具現化したナマコはそのまま手術台に残されていたのであるwww

 

 えっ?

 そんなことはどうでもいい?

 タケシはどうなったんだって?

 もう……手術台に飛び乗ったタケシの足が裸足なんだから、もう、分かるよねw

 

 その瞬間、手術室の明かりがパッとついた。

 まぶしい光を遮るように手で目を覆うタケシの姿はスッポンポン!

 そう、スッポンポンのままだったのだwww

 どこをどう見ても、変身などした形跡は全く見られない。

 これにはタケシ自身も驚いた。

「なんじゃこりゃぁぁぁぁあ!」

 ここまで無駄に話を引っ張ってきたのだから、きっと!必ず!仮面ライダーのように格好よく変身すると思っていた。

 だが……しかし……どこをどう見ても、変身した形跡など見られない。

 いや! 違う!

 よくよく見ると……いや……見ることはできないので、実際は手で触った感触だけなのだが……ケツのところだけが硬い甲羅に覆われていたのだ。

 

令和6年4月23日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

サンヨー食品 
サッポロ一番 オタフクお好みソース味焼そば」
香ばし濃厚うまあまソース

ソース量10%増!濃厚さUP!

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
おお、なんか麺がモチモチしている。
 
いわずもがな、各メーカーそれぞれ、麺の製法が違います。
しかも、同じメーカーであっても、商品ごとに麺の形や弾力も違うわけです。
そのため、当然、食べる者の好みとしては当たりはずれというものが出てきます。
 
このモチモチ麺……
人によっては当たり!というかもしれませんが、私にとってはなんか違うような気が……しないでもないようなモヤモヤ感。
 
というのも、いつも思うのですが、カップ麺のメーカーは本物のラーメンや焼きそばを目指しすぎているような気がするんですよね。
でも、消費者、いや、私個人としては、カップ麺に本物と同じような味や食感を求めているわけではありません。
いうなれば、カップ麺と店で食べるラーメンや焼きそばとは、完全なる別物。
だからこそ、消費者はカップ麺を無性に食べたいと思う時があるのではないでしょうか。
 
私は常々思います。
ならば! もはやカップラーメンは別ジャンルの食べ物ではないかと。
本物に寄せるのではなく、この味、このソースにして一番合う麺を独自に追求するというのでいいのではないでしょうか。
え?
その追及の結果が、この形……
うん♪ 悪くないと思いますよwwwたぶんwww
 
ということで、今日は「モヤモヤ」つながりのお話を。
 
 

 夜更けの工房内でタカトは懸命に作業をしていた。

 

 というのも、タカトには時間がないのである。

 朝から夕方までは、権蔵に命令された道具作り。

 夕方からはアイナちゃんと歌のけいこ。

 そして、夜から明け方までは、工房内の素材を使って融合加工の道具作りに精を出しているのだ。

 

 しかし、タカトが作っている道具は、いつものエロ道具ではない。

 たしかに当初、ここにある素材で覗き道具を作ろうと思っていたのは事実である。

 だが、コンサートに向けて頑張るアイナと約束してしまったのだ。

 

「アイナちゃん! 俺が君のコンサートをもの凄いものにしてやる!」

 

 アイナたちの前で啖呵を切るタカトに驚きの視線を向けるビン子。

「ちょっと! タカト何言っているのよ! ただでさえコンサートをするだけでも大変なのに!」

 

「ビンこぉぉぉぉ! プロぢゅーさタカト様とよばんかぁぁぁあぃ!」

 

 アイナもまた、驚きタカトに尋ねた。

「プロデューサータカトさん、一体どうするの?」

 

 フフフフフ

 タカトの含み笑いがだんだんと大きくなっていく。

 

「ワハハハハッハハアハ! この俺がコンサートを壮大な音と光のスペクタクルショーに仕上げて見せる!」

 

 ビン子が飽きれた。

「バカデューサー……考えてみなさいよ! ここがどこだかを! ここは駐屯地よ……そんな設備なんて何もないわよ」

 

「俺は馬鹿ではない! カバだぁぁぁぁっぁ!」

 

「はぁ?」

 さらにあきれるビン子ちゃん。

 

 タカトはこぶしを握り締めて力を籠める。

「俺は、逆立ちするカバだぁぁぁぁ!」

 

「だから! 逆立ちしたカバをバカっていうんじゃない!」

 ビン子は叫んだ!

 

 ふっ!

 そんなビン子の突っ込みをタカトは鼻であしらった。

「馬鹿はお前だ! ビン子! 逆立ちすることによって俺の脳内選択肢が武道館コンサートを全力でカバーしはじめるのだ!」

 

「意味が分からん!」

 

「なぜにお前は、俺の駐屯地ラブコメを全力で邪魔しようとするのだ!」

「どこぞで聞き覚えのある作品をパクってくるな!」

 

「フン! パクるのではない! 作り出すのだ!」

「はい?」

 

「ないのなら、作ればいい! 俺が、コンサートを盛り上げるための道具という道具をすべて作り出す!」

「……タカト……もしかして、一から全部?」

 

「当たり前じゃい! この天才ショコラティエ様をなめるなヨ!」

 

 そんな寝る時間すらないタカト。

 駐屯地内にあてがわれた寝室に戻ることもなく、工房内の椅子で仮眠をとっているのである。

 

 そんなタカトにそっと毛布を掛けるビン子。

「お疲れ様……」

 ムニュムミュ……

 眠りこけるタカトの口からよだれが垂れていた。

 

 翌朝の工房内で権蔵から言われた道具を作るタカト。

 ほぼ昨日と同じ光景である。

 だが、ここ数日の徹夜によってタカトの目の下にはうっすらとクマができていた。

 まぁ、ほとんど寝ていないから仕方ない。

 

 そんなタカトを気遣ってビン子が懸命に手伝う。

 さすがタカトとともに長年暮らしてきただけあって、タカトが欲しがるものの先が読めていた。

 タカトが欲する声を出す前に、タカトの前に目的の素材が並ぶ。

 

 まさに阿吽の呼吸。

 そんな二人の空間に、出会ったばかりのアイナが入り込むすきはなかった。

 

 二人の作業を黙って見つめるアイナは唇をかみしめる。

 なんだかさっきから胸がモヤモヤする……

 コレは何?

 

 いつしかタカトの背後で立ち尽くすアイナは服の裾を握りしめていた。

 

 そんな様子をちらりと見た権蔵がアイナに声をかけた。

「アイナちゃんとか言ったな……ちょっと、ワシの方を手伝ってくれんかの……」

 

 突然のその言葉にアイナは驚いたが、元気よく権蔵へと振り向いた。

「ハイ!」

 夕刻の工房内。

 権蔵は手を真っ黒にして手伝うアイナを気遣った。

「アイナちゃん、助かったわい!」

 

 だが、権蔵の心は静かに問うた。

 ――……この娘は第三世代。村全滅の秘密を知るもの……果たして信用できるものか……

 

 権蔵は悟られぬように笑顔を作る。

「疲れたじゃろ?」

 

 そんなアイナは権蔵の気持ちを知ってか知らずか笑顔で答える。

「これぐらい全然大丈夫です! だって、私、第三世代ですもの!」

 

 そんなアイナを見る権蔵。

 ここ数日のアイナの様子では怪しい気配は全く感じられない。

 それどころかタカトやビン子たちと楽しく話す様子を見ていれば、ただの友達としか思えないのだ。

 家に孫が友達を連れてきた。

 それをほほえましく見つめる自分……権蔵は、そんな心境ですらあった。

 

 ――だが……もしかしたら、この娘が駐屯地も襲うかもしれん……そうなれば、被害はいかほどのものか……

 権蔵は改めてアイナを警戒する。

 

 だが、権蔵の警戒は突然緩んでしまった。

 というのも、権蔵は見てしまったのである。

 アイナの目からこぼれる一筋の涙を。

 

 あわてて声をかける権蔵。

「どうしたんじゃ? 目にゴミでも入ったか? 工房内はホコリが多いからの」

 

「違うんです……タカトさんたち以外に話しかけられるなって、久しぶりだから、なんかうれしくて」

 

 というのも、アイナがこの駐屯地に来て以来、初めて駐屯地内の人から話しかけられたのである。

 

 村の全滅。

 その真相を聞き出そうと質問を受けたことはある。

 だがそこには、温かい言葉など一つもありはしない。

 淡々と問い詰めらる尋問。

 犯罪者、容疑者、極悪人……いや、魔物でも見るかのような冷たい視線が、常にアイナたちを取り囲んでいたのだ。

 

 それは尋問が終わった後も続いた。

 疑惑の渦中にいるアイナたちに話しかける者など、この駐屯地には誰一人としていなかったのである。

 

 それが今、権蔵が語り掛けているのだ。

 落ち着いた優しい声で。

 こんな温かい言葉を聞いたのは、タカトたち以外ではいつ以来の事だろう……

 

 いつしかアイナの目からは涙が自然にこぼれ落ちていたのだ。

 

 権蔵はため息をつく。

 ――はぁ……この子はタカトの友達じゃからの……

 

 ならば!

 何かを決意した権蔵はパンと自分の膝を叩いた。

 

 第566話 お疲れ様…… より

令和6年4月22日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

徳島製粉
「金ちゃん きつねうどん」

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
やっぱり、なにかと週初めは忙しいですね……
ろくに昼休憩も取れない……
おかげで、ブログを書くこともできやしない……
 
ということで、また、次のお客さんの相手をしてきますwww
って、ホストじゃないですからねwww
確かに! 私、イケメンはイケメンだけど!
イケてない麺の方ですからwww
 
ということで、今日は「イケメン」つながりのお話を。
 

kakuyomu.jp

 女主人の店を飛び出し曲がり角を曲がる優子。

 しかし、路地に立ち並ぶ店の明かりの内、どれがホストクラブなのか見当もつかなかった。

 

 一体どこなのよ……黒服は何してるのよ!

 

 優子は、辺りをきょろきょろと見渡す。

 まるで、腹が減った野良犬の如く、血走ったまなこであたりを見渡す。

 すでに、その口からはよだれが滴っていた。

 

 しかし、優子の猟犬のような鼻をしても、ホストクラブから漂ってくるはずのイケメンの匂いすら見つけることはできなかった。

 

 その時、優子は思いついた。

 

 困ったときはググればいいじゃない!

 そう、今度の女神プアールの祝福はネット接続である。

 

 スクールカバンのポケットから、スマホを取り出した。

 

 スマホの電源を入れる。

 

 以前は、スマホの電源を入れても愕然としたものである。

 それもそのはず、アプリがなんにも入っていない。

 電話やメールをしようにも、その相手すらいやしない。

 一体何なのこの箱わ! って思ったものだ。

 

 しかし、今回は違っていた。

 検索エンジンのグールグルが立ち上がったのである。

 

 優子は狂喜した。

 待ち焦がれたネットに遂につながった。

 

 私は一人じゃない!これで、誰かと繋がれる!

 そんな興奮が優子を包む。

 

 夜の繁華街で、スマホをもってゴリラのように踊り狂っている女子高生を、周りの大人たちは、かわいそうな目で見つめていた。

 

 そんな目に気づいた優子は、さっとスカートを払って咳ばらいをした。

 

 そうそう、ゴリラダンスをしている場合じゃないわ。

 今はホストクラブよ!

 

 ホ・ス・ト・ク・ラ・ブ!

 

 グールグルマップにホストクラブと打ち込んだ。

 現在地から最寄りのホストクラブが表示される。

 

 どうも、斜め前の店がそのようである。

 

 目の前じゃん! 黒服ちゃんとしろよ!

 どれどれ、口コミはどうかな?

 優子はそのホストクラブの口コミ欄を表示しようとスクロールする。

 

 その瞬間、スマホの画面が変わった。

 

『一日使用量に達しました。現在、オフラインです。明日のご利用、お待ちしております megazonネット』

 

 はぁ?

 

 ネットワークにつながるって、たったあれだけの時間?

 ゴリラダンスを踊っていた時間を考えると約5分と言ったところか……

 1日5分で450円って高くない!

 おそるべしmegazonネット




ドンペリ持ってコーーーーい」

 優子は有頂天であった。

 

 今までの人生で貧乳の自分がここまで、男たちにチヤホヤされたことがあったであろうか。

 13歳の女子中学生としてパパ活をしていた時でさえ、成長途中でこれからどんどん大きくなっていくね。

 などとか言われていたこの胸が。

 自分のコンプレックスであった貧乳を、可愛い、癒される、こっちの方が俺は好みだけどななんて肯定され続けた。

 オレンジジュースだけで舞い上がった優子は、叫んだ。

 

 赤いじゅうたんが敷かれた店の中で、ホストたちが掛け声をかける。

 

「ユウコ! ユウコ! いいおんな!」

 優子は、店に入るときに黒服の男に、チップとして10万手渡した。

 

 そして、最初に対応したチョットだけイケメンホストを通じて店長に前金として100万手渡した。

 

 パパ活のおじさまから教えてもらったのだ。

 チップを払おうが、前金を払おうが絶対に入れない店は一見さんお断りの一流店だから、そういう店を大切にしなさいと。

 

 優子は思う。

 

 一流がなんぼのもんじゃい!

 

 店に入るだけで、すでにこれだけのお金を手渡した優子は、一見の客であったとしても初めから破格の対応を受けていた。

 
 

令和6年4月19日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

エースコック

「旨 長崎あごだしうどん」

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!

 

「あごだし」といってもアントニオ猪木や吉本の辻本さんではございません。

そう、トビウオの事です。

ググってみると、トビウオは「あごが落ちるほど美味しい」ということでついたようです。

 

が……

 

そこまで、おいしい?

味覚音痴の私からすると……あんまり変わらんような気が……

だって……先ほどから鏡を何度も見ても、アゴの形はいつものままなのです……

「猪木になってないやんけ!」

 

まぁ、このカップ麺、アゴだし粉末よりもカツオだし粉末の方が多く含まれているのだから仕方のない事。

だからなのか、妙に野球がやりたくなっちゃいますwww

「お~い! 中島! 野球やろうぜwww」

本当に今日は天気がいいwww

 

ということで、今日は「猪木」つながりのお話を。

 

kakuyomu.jp

 そんなタカトの悩みを知ってか知らずか、クロトは一つのボロイ店の正面に大きく開け広げられた入り口の敷居をまたいだ。

「こんばんは! 立花のオヤッサンはいる?」

 

 タカトが見上げる先には傾く錆びた看板……

 も!もしかして!

 これは!

 初代仮面ライダーにおいて本郷猛や滝和也とともにライダー達が愛用するサイクロンを開発したというあの伝説の立花藤兵衛の店なのだろうか?

 もう、字すら消えかかってハッキリと読むことができないが、おそらくそれは……

 『立花ハイクショップ』

 

 タカトはそっと入口のそばから中をのぞいた。

 広々とした土間には無造作に融合加工の工具が散らばっている。

 しかも、壁や机などいたるところが黒ずんだオイルで汚れているのだ。

 ――あれ……なんか見たことがあるような……

 タカトが何やら懐かしい気持ちに浸っていると、さらにその後ろから覗きこんだビン子が一言。

「汚いわね……まるで、タカトの部屋じゃない!」

 そう、タカトが懐かしいと思ったのは、自分の部屋に雰囲気が似ていたからなのだろう。

 ということは、ココで融合加工の道具作りをしているのは間違いないようだ。

 

「おかえり! クロちゃん!」

 部屋の奥にゴミのように積みあがった段ボールの山の影からジャージ姿の男が一人、ヒョコッリと顔を出すとクロトに笑いかけてきた。

 その顔は日に焼けて真っ黒、しかも、さらにススや油で黒ずんでいるものだから、松崎しげるよりも黒々しかった。

「ねえ! ちょっと!見てみてよ! 俺の作った! サイクロン!」

 ダンボールの山からダンボールで作ったゴミのような塊を担ぎ上げてに屈託なく笑う顔は、まるで少年のようなオッサン。

 そのにこやかにはにかむ笑顔から見える白い歯はまるで太陽のようにひかり輝いていた。

 キラン! シャインビーム!

 ま! まぶしいwww

「タケシさんwwwそのサイクロン、融合加工じゃなくて、ダンボールをただガムテープでつないだだけだからwww」

 そう、先ほどから社員シャインビームをまき散らしているこの男、ハイクショップの社員である本郷田ほんごうだタケシという男であった。

 だが、そんな飛び散る光をクロトはそこらへんに落ちていた鏡で適当に反射させながらあたりをキョロキョロと見まわしていた。

「ところで、タケシさん、さっきから立花のオヤッサンの姿が見えないんだけど……」

「オヤッサンなら! トウっ!」

 タケシはダンボールの山からジャンプして飛び出すとクルリ一回転!

 そして、着地とともに無駄にオーバーアクションでポーズを決めると、サッと店の外のとある方向を指さしたのであった。

「当然! あそこだ!」

 ああwwwもう、見ているだけで暑苦しいwww

 その様子を外から見ていたタカトなどは、ついついその熱気に押し切られ、無意識のうちにその指さす方向へと振り返ってしまったほどだった。

 やはり!恐るべし! 仮面ダレダー48の必殺技うちの一つ『あっ!ちむいてホイ』!

 だが、その指先にあるのは汚い街並み。

 いったい何があるのやらタカトには、さっぱり分からない。

 しかし、クロトはその言葉で理解したようで、半ば呆れたような笑みを浮かべているではないか。

「また、立花のオヤッサン。地下闘技場ですかwww」

「そうだ! オヤッサン! 今日は必ず勝ってくるって言ってたぞ!」

 なに? 勝ってくるということは、クロトが言っているオヤッサンとは地下闘技場に参加するファイターか何かなのだろうか?

 タカトとビン子は二人そろって、入り口の影で頭を悩ませていた。

 

「だいたい、オヤッサン、勝ったためしないでしょうwwww」

「そうなんだ! オヤッサン! 大穴狙いでチャンピオンのゴンカレエの対戦相手にばかりかけるからな! 今まで全敗だ! ワハハハハハ!」

 って、オヤッサンは博打うちの方かよwwww

 

 そんな時であった……

 一人の老人がブツブツと何やら呟きながら店の中にフラフラと入ってきたではないか。

「夜が更けて 債鬼さいきからフケて 余がヨガファイヤー」

 そう、この老人、この立花ハイクショップのオーナーである立花どん兵衛その人であった。

 そして、いきなり店の中心で気が狂ったかのように踊り始めたではないかw

「ファイヤァァァァぁ! ファイヤァァァァぁ! 火の車じゃぁぁあっぁ!」

 

 飽きれた様子のクロトが、仕方なさそうに声をかけた。

「オヤッサン……その様子だと、今日も負けたんですね……」

「ファイヤァァァァぁ! ファイヤァァァァぁ! ファイヤーフライ! ワシの人生! 蛍の光! ほ~た~るのぉ~ひ~か~ぁり~♪」

「で……いくら負けたんですか?」

 ニヤリwww

「クロト君! ワシは別に君に恵んでもらおうと思っているわけではないのだよ!」

「はいはい……」

「だが、君が今、ワシが詠んだこの俳句を買いたいというのであれば、金貨1枚でどうだろうか?」

「オヤッサン……それ、季語がないので川柳ですって……」

「馬鹿もーーーーん! 川柳も俳句も歌を詠む心は同じじゃ! これじゃから道具作りしかできん無粋もんはつまらんのよ!」

 クロトが仕方なそうに財布から金貨一枚とりだした。

 おそらく、それは先ほどもらった融合加工の道具コンテストの優勝賞金。

 そんな金貨一枚を惜しげもなく突き出したのだ。

 もしかして、クロトって金持ち?

 一方、どん兵衛は恥ずかし気もなく、クロトの手からその金貨をパッと取り上げると、今度は喜びの舞を舞い始めた。

「クロトから! 金貨一枚! ゲットだぜ! これで明日も 地下闘技場!」

「だから……オヤッサン……季語が無いですって」

「馬鹿もーーーーん! これは5・7・5・7・7じゃから短歌じゃ! だから季語は必要ないんだよ~ん!」

 

 店の中でそんなバカ騒ぎが繰り広げられている時であった、入り口の影に隠れていたタカトとビン子の後ろから一人の女の怒鳴る声が近づいてきた。

「なんだこのクセエ匂いは! 糞か! クソっ!」

 タケシ同様にこの女もかなり黒いwwwだが、黒髪のタケシと違って金髪ツインテールにはウサちゃんのリボン。

 一見するとガキっぽいのだが、その胸はかなり大きく成長しているようで、タカトとビン子などはその胸にくぎ付けになっていた。

 というのも、彼女が身に着けているのはダボダボのテイシャツと下着かと思うほど短いショートパンツだったのだ。

 これは!かなりエロイ! byタカト

 というか、このガキ! ダボダボのティシャツの上からでもはっきりとわかるほどのかなりの巨乳! 巨乳は敵だ! 敵なのよ! byビン子

「なんで店の前にあんなクセエ奴らがいやがんだよ! おかげでせっかくいい気分で出社してきてやったのに台無しじゃねえかよ! クソっ!」

 そして、匂いの元凶たるタカトとビン子を睨みつけながらズカズカとハイクショップの中へと入っていったのである。

 店の中にいたクロトと立花は、このクソクソいう女を見るなり明るい声をかけた。

「今ごろ出社ですかwww鰐川わにがわさんwwww」

「今日も遅刻だぞ! ルリ子!」

 そして、なぜかタケシはアゴを突き出し猪木顔で大きな声をかける。

「今日も元気ですかぁぁぁぁぁ! ルリ子さん! 元気が一番!」 

 そう、この女の名は鰐川わにがわルリ子、このハイクショップの事務員である。

「うるせえよ! 糞タケシっ!」

 ちなみに、今の時刻は夜の8時59分。

 そして、ハイクショップの営業時間は一応、夜の9時までとなっているwwww

 ギリギリセーフ!

 

 でもって9時1分、すでに帰り支度を整えたルリ子は仕事終了のタイムカードを押そうとしていた。

「で、あの入り口のクソどもは何なんだよ! クソ! クソ! クソ!」

 だが、漂白剤5箱とクエン酸洗剤5袋、そして、石鹸5個を両手に抱えているせいで、どうにもタイムカードがレコーダーの口にうまく入らないのだ。

 というか、出社した理由は、これらのモノを職場からガメて持って帰ることだったらしい。

「クソ! クソ! クソ!」

 ついに、ルリ子のイライラはついに頂点に達したようで、

「このクソ野郎が!」

 ガシャン!

 回し蹴りで思いっきりタイムレコーダーを蹴り飛ばした。

 そのタイムレコーダーはまっすぐに本郷田ほんごうだタケシに!

「元気があれば何でもできる! いくぞー! 1! 2! 3! だぁーーー!!」

 ばきっ!

 大きく手を突き上げているタケシの顔面にクリーンヒット!

 タケシの顔面は粉々に砕け散るタイムレコーダーとともにも砕け散っていたwww

 吹き飛ぶ黒い巨体!

 大きくさけるタケシの額!

 飛び散る鮮血が店の中を赤く染めていく!

 
 第630話 立花ハイクショップ(1) より

令和6年4月18日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

エースコック

「旨 信州わさびそば」

だぁぁぁぁぁぁ!

 

早速! いただきます!

おっ! 意外とワサビの香りがしますね。

 

 

しかし、ふと思ったんですが……

ワサビうどんって無いですよね。

いや、冷やしうどんにワサビを入れるのはありますが、温かいうどんにワサビを入れるのはお目にかかったことがない。

ソバがいけるんだったら、うどんもいけるんじゃないのかと。

だったら、ラーメンはどうだろうか?

ググってみたら、意外や意外www

ラーメンはあったんです。

セイコーマート山わさび塩ラーメン

でも、これはさすがに地元のスーパーでは売ってないなwww

 

ということで、今日は「ソバ」つながりのお話を。

 

kakuyomu.jp

 

 ――俺みたいに後悔し続けるか……

 モーブは血が垂れる己が手のひらを見ながら、薄ら笑いを浮かべていた。

 そう、あの時に俺が、もっと、オキザリスの手をしっかりと掴んでいれば……

 

 まだこの聖人世界が、融合国など8つの国に分かれる前の話である。

 

 王になる前のオキザリスは片田舎のソバ屋で働いていた。

 当時16歳の美しいオキザリスは、当然、そのソバ屋の超売れっ子看板娘であった。

 嫌味のない笑顔。

 健康的な汗。

 コマネズミのように懸命に働く姿は、きっと、お嫁さんにしたいランキングでもあれば堂々の2位にランキングされてもおかしくはなかった。

 

 そんなオキザリスは超人気者。

 モーブ、アルダイン、史内の三人もオキザリス目当てでソバ屋に足しげく通っていたのである。

 あっ! 当然、この時の三人も騎士ではなくてただのオッサンだからね!

 

 当時40歳ぐらいのオッサン三人組は店に入るや否や木目調の汚いテーブルに腰かけた。

「今日も繁盛しとるな!」

 その一人であるモーブがオキザリスに声をかけながら、壁にかかるメニューに目を通す。

 

「モーブさんたち、こんにちは!」

 お水をテーブルに置くオキザリスは、いつものように満面の笑顔でモーブ、アルダイン、史内の三人を出迎えた。

 

「やっぱりオキザリスの笑顔を見ると元気になるわ」

 モーブと伴に座ったアルダインも自然と笑顔になっていた。

 

「そう? なら、このニコニコ笑顔で銀貨3枚ね!」

「えー! お金とるの?」

 銀貨三枚と言えば、日本円にして約3千円である!

 高っ!

 どこぞのバーガー屋さんは、スマイル0円だぞ!

 

 笑いながら手をひらひらさせ、お金を催促するオキザリス

 アルダインは渋々、銀貨三枚をテーブルに置いた。

 

「ありがとう! アルダインさん大好き! ということで、ご注文はいつものでいい?」

「あぁ、いつものかけそばで」

「店長! かけ3つ! 天ぷら全種類もりもりで!」

 

 その注文に驚く三人組はオキザリスを見上げた。

「えっーーーーー!」

「えっーーーーー!」

「……!!!!」

 

 少々涙目のモーブは、何とか注文を取り消そうと頑張った。

オキザリスちゃん! 天ぷら全種類入れちゃうの? そんな大量にはドンブリの上にのらないでしょ!」

 

 だが、アルダインは既にあきらめモード。

「もう……それ……かけそばじゃなくて……天そばだから……」

「……↓」

 史内に至ってはだんまり……って、これはさっきからか……

 

 胸の前でお盆を両手でだき抱えたオキザリスは、わざとらしく上目遣いでモーブたちを見つめた。

「ダメ?」

 

 顔を赤らめて目を泳がせるモーブたち。

「いやぁ、ダメってわけではないけど……」

「全然、OK! OK!」

「……v」

 

「店長! 追加オーダー入りやした! お持ち帰りの天ぷら盛り合わせ150個で~す!」

 咄嗟にオキザリスの手を掴んだモーブ。

「……それのお勘定も当然、ワシらだよね……」

 すでに、その目は少々涙目になっていた。

 

 再び、オキザリスは上目遣いでモーブを見つめた。

「モーブさん? もしかしてダメ?」

 

「大丈夫! 大丈夫! このモーブに任せなさい!」

 顔を赤らめたモーブはオキザリスを掴んでいた手を放して、照れるように頭をかいてその場を取り繕った。

 

 掴まれていた手がフリーになったオキザリスはチャンスとばかりに微笑んだ。

 その場でクルリと回転するオキザリスとおぼん!

 その軌跡はまるで汚い蕎麦屋の床の上に美しい魔方陣を描くかごとく軽やかであった。

 

 

 瞬間、モーブたちは固まった!

 というのも、このオキザリスの動きは、まさしく最上級魔法の詠唱パターン!

 

 まずい……

 これはまずい……

 これを食らえば一撃即死間違いなしなのだ!

 

 そんなオキザリスが魔方陣の中心でピタリと止まった。

 それと同時に、ついに最上級魔法の一言が発せられたのであった!

 

「店長! またまた追加オーダー入りやした! そばつゆタワー入りま~す♥」

 

 その途端、おぉぉというどよめきが店内から沸き起こった。

 それに合わせるかのように、ソバを運んでいたアルバイトたちが満面のビジネススマイルを浮かべてオキザリスの元へ急いで集まってきたではないか。

 

 大勢の笑顔の中心でオキザリスの最上級魔法の詠唱が続いていく!

「そばつゆコール! 入りま~す♥」

 

 ワン♪ ワン♪ ワンこのわんこそば♪

 ニャン♪ にゃん♪ ニャンこのにしんそば♪

 ポンポコ♪ タヌキはタヌキそば♪

 女ギツネそばで煮込みます♪

 ボッタお客の怒り声! そんな衝撃ソク吸収!

 ココは蕎麦屋のアブソーバー!

 ハイ! ハイ! ハイハイハイッ♥

 

 リズミカルな手拍子の元、タワー状に組まれたドンブリの上部からは蕎麦屋の店長によってつがれたソバつゆがドブドブと流れ落ちていた。

 そ~れ! それ! それ! ソバつゆだぁ~♪

 

 暗い空の下、店を出た三人組は身震いをしていた。

 ぴゅ~ぅぅぅ

「サブい……」

 財布の中身どころか身ぐるみまで奪われた三人組はパンツ一丁で震えていた。

 

「モーブ、あの時、なんで手を放したんだ……」

「……」

 

 このソバ屋……下手なキャバクラよりもぼったくりである。

 そうここはぼったくりソバ屋「clubショック! アブ蕎~麦~ソーバー」なのである。

 

「モーブ、お前が、オキザリスの手を放さなければ、そばつゆタワーはなかったんだぞ!」

「アルダイン! そう言うお前が一番ノリノリだっただろうが!」

「……(泣)」

 

 だが、そんなひどい扱いをされたとしてもモーブたちは、この店を訴えることはなかった。

 それどころか、凝りもせずに給料日になると、再びこの店に通うのである。

 この三人は、そんなにオキザリスがお気に入りだったのだろうか。

 確かにそれもある。

 それもあるのだが、誰もが皆、オキザリスが客から奪ったお金の使い道を知っていたのであった。

 

 このころの聖人世界は荒れていた。

 荒れていたというよりも、壊れ始めていたのだった。

 

 引き裂かれる空は、いつも暗く雷鳴がとどろいていた。

 徐々に大地は崩れ、まるで泥水にながされるかの様に壊れた大門へと吸い込まれていたのであった。

 

 第576話 0ポイント より