
本日、食したカップラーメンはこちら!
マルちゃん
「ごつ盛りソース焼きそば」
キューピーからしマヨネーズ付
だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
天気は晴れ。
今日は気持ちのいい青空が広がっている。
ところが、またしても週末は天気が下り坂になるらしい。
……なんで週末ばかり狙って雨が降るんだ?
平日は仕事、休日は雨。
これではせっかくの休みも、家でゴロゴロするしかないではないか。
まあ、晴れていてもゴロゴロしている可能性は高いのだが(笑)。
それでも、選択肢くらいは残しておいてほしいものだ。
そんな週末の空模様に文句を言いながら湯を沸かし、手に取ったのは
マルちゃん
「ごつ盛りソース焼きそば」
キューピーからしマヨネーズ付。
湯を切ってソースを絡めれば、食欲をそそる濃厚な香りが広がる。
ひと口食べれば、甘辛いソースの旨みが口いっぱいに。
そこへ付属のからしマヨネーズをかければ、まろやかなコクとツンとした刺激が加わり、さらに箸が進む。
麺もたっぷりで、相変わらずの食べ応え。
安定のごつ盛りである。
──まさに好事多魔。
好事多魔(こうじたま):よいことには、とかく邪魔や障害が入りやすいということ。
せっかくの休日に限って天気が崩れる。
これも一種の好事多魔なのだろうか。
まあ、雨なら雨で家でのんびり過ごせばいい。
……とはいえ、たまには週末にも青空を分けてほしいものだ。
今日のこれは満腹度9/10級。週末の天気は下り坂でも、ソースとからしマヨの組み合わせは相変わらず絶好調でした。
ということで、今日は「ゴロゴロ」つながりお話を。
そのころ――。
「アダム様ぁぁぁぁぁぁ!」
同じ神民病院。
別の廊下では、マジルダが必死になってタカトを探し回っていた。
「どこですかぁぁぁぁぁぁ!」
右を見る。
いない。
左を見る。
いない。
病室を覗く。
いない。
「アダム様ぁぁぁ!」
タタタタタッ!
階段まで走る。
そこで止まり――。
スンスン!
「こっち!」
ダダダダダッ!
走る。
スンスン。
「…………こっち?」
戻る。
スンスンスンスン!
「どっちですかぁぁぁぁぁぁぁ!」
頭を抱えた。
匂いがする。
どこへ行っても――する。
アダムの香り。
ずっと探し求めていた、愛しい男の香り。
マジルダは、その香りを追って街中を飛び回っていた。
右へ。
左へ。
屋根から屋根へ。
そして、ようやく突き止めた。
この神民病院。
間違いない。
街中に漂っていたアダムの香りは、この病院から流れ出していた。
さらに院内へ入り、その中でもひときわ香りの濃い場所を探し――。
辿り着いたのが、四階の病室。
そして、そこにいた少年。
タカト。
あの少年こそアダムではないか。
マジルダは、そう考えた。
だが――。
「アダム様ぁぁぁぁぁ!」
スンスン!
「…………?」
分からない。
なにしろ――。
臭すぎるのだ。
アダムの匂いが。
廊下にも。
壁にも。
病室の中にも。
どこに行っても、アダムの香りが漂っていたのだ。
その発生源である四階に至っては、なおさらだった。
あまりにも濃いアダムの香りに包まれているため、目の前のタカト本人から同じ香りがしているのかどうか、マジルダにすら判別できなかったのである。
マジルダにとって――。
アダムの香りは特別だった。
何十年経とうと忘れない。
他の男のものなどと間違えるはずがない。
だからこそ。
周囲のすべてが、その特別な香りで埋め尽くされてしまえば――。
どれが本人なのか分からない。
そこで。
マジルダは考えた。
自分で分からないなら――。
他人に嗅がせればいい。
そして。
フジコに確かめさせた。
『しましたよ。同じ匂い』
「…………♡」
思い出しただけで、マジルダの頬が緩む。
そう。
同じだった。
間違いない。
フジコが、そう言ったのだ。
あの少年から――。
自分の左手に七十年以上残り続けている、アダムと同じ香りがしたと!
「やっぱり……」
両頬を押さえる。
「あの方がアダム様ぁぁぁぁぁ♡」
確定である。
マジルダの中では。
ちなみに。
その鑑定を担当したフジコは――。
『――多分だけど』
と思っていた。
さらに。
『まぁ、イカの種類なんて、大体どれも一緒でしょう』
とも思っていた。
七十年探し続けた最愛の男。
その本人確認。
判定基準――。
どっちもイカ臭かったからwwww。
以上。
そして――。
恐ろしいことに。
合っていたwwww。
世の中、そんなことも、たまにある。
「アダム様ぁぁぁぁぁぁ♡」
マジルダは走る。
フジコの鑑定結果を一片たりとも疑っちゃいない。
ただし。
肝心のタカトがいない。
でも、少し前まで、確かに病室にいたのだ。確実に!
それなのに――。
「なんでいなくなったんですかぁぁぁぁぁ!」
窓際で。
ようやく見つけたアダムのことを想い。
胸がいっぱいになって。
身体までいっぱいになって。
ほんの少しだけ。
本当にほんの少しだけ、自分を慰めている間に――。
いなくなってしまった!
「なんであのとき我慢できなかったんですかぁぁぁぁ! 私ぃぃぃぃぃぃ!」
知らんがな。
「アダム様ぁぁぁ!」
再び走り出す。
そして。
角を曲がった、その瞬間――。
「――見つけたぞ」
「はい?」
ピタッ。
マジルダの足が止まった。
聞き覚えのある声。
いや。
忘れるはずがない。
その声だけは。
ゆっくり。
恐る恐る。
マジルダが顔を上げる。
廊下の向こう。
金色の長い髪。
金色の瞳。
男物の白いワイシャツ一枚。
胸元は、その豊満すぎる身体によって内側から押し広げられ、ボタンとボタンの間から白い肌が覗いている。

マジルダの口が開いた。
「…………え?」
イブが一歩近づく。
「え?」
さらに一歩。
「えぇ……?」
マジルダの顔から、見る見る血の気が引いていく。
「イ……」
ガタガタ。
膝が震える。
「イブ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「うるさい!」
「なんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
病院中に絶叫が響いた。
「どこから出てきたんですかぁぁぁぁぁ! さっきまでいなかったじゃないですかぁぁぁぁぁ!」
「誰が出てきたじゃ!」
「だって! いませんでした! 絶対いませんでしたよ! 私、ちゃんと確認したんですから! イブ様の気配なんて、どこにも――」
そのとき。
スッ。
イブの右手が上がった。
「…………!」
マジルダの目が見開かれた。
人差し指。
中指。
二本の指!
「ひっ!」
脳裏に蘇る。
遠い昔。
何度も。
何度も。
何度も。
鼻の穴へ突っ込まれた――二本の指!
ズボッ!
グイグイ!
グイグイグイ!
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
身体が勝手に動いた。
イブの指が迫る!
「――ハッ!」
バッ!
マジルダは両手を顔へ持っていくと――。
むぎゅっ!
自分の指で、左右の鼻の穴を押し潰した。

そして。
イブの二本指が――。
スカッ。
「…………」
「…………」
静寂。
「…………」
イブは、何もなかった空間へ突き出された自分の二本指を見る。
「…………」
マジルダも見る。
イブの指。
自分で塞いだ鼻。
そして、もう一度――イブ。
「…………」
「…………」
やがて。
「ふっ……」
マジルダの口元が上がった。
「防ぎましたよ!」
「…………だからなんじゃ。」
「ふ……ふふふ……!」
マジルダの肩が震える。
「やった……」
「…………」
「やりました! ついに私は!」
長かった。
本当に長かった。
何度、あの二本指に鼻の穴を蹂躙されてきたことか。
逃げても無駄。
抵抗しても無駄。
気づいたときにはズボッ!
そして――。
グイグイ。
グイグイグイ。
だが。
今――。
「防いだ……!」
マジルダの目に自信が宿った。
「私は……イブ様の二本の指を防いだぞぉぉぉぉ!」
「うるさいわ!」
そのとき。
「…………あれ?」
マジルダの表情が変わった。
イブを見る。
自分の鼻を見る。
もう一度――イブ。
「…………」
おかしい。
昔なら。
こんな方法で防げるはずがなかった。
鼻を塞ごうが。
顔を背けようが。
逃げようが。
最後には必ず――。
ズボッ!
だった。
なのに……どうして?
「イブ様……」
「なんじゃ」
「もしかして……」
マジルダの目が細くなる。
「弱くなってません?」
「…………」
ピクッ。
イブのこめかみが動いた。
それを見たマジルダの背筋が――。
すっ。
伸びた。
「ふふ……」
「…………」
「ふふふふふ……」
さっきまで震えていた膝が止まる。
自分の鼻を塞いでいた指を離し。
胸を張る。
「なぁ~んだ」
「…………」
「そういうことですかぁ」
ニヤァァァ。
マジルダの口元が吊り上がった。
「もう、あなたの居場所は〝どこにもない〟んですよ!」
「…………なんじゃと?」
「この年増!」
ブチッ!
イブの中で、何かが切れた。
「アダム様のお相手は、このマジルダがちゃんとやりますからぁ♡」
「…………」
「あなたはそのまま――」
ニコッ♡
「永久に眠っておいてください! ふふっ♡」
「…………殺す」
「今のイブ様にできますかぁ?」
「このクソ使徒ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
バシィィィィン!
イブの平手がマジルダの頬へ炸裂した。
「痛ぁぁぁぁぁ!」
「誰が年増じゃ!」
「年増だから年増って言ったんですぅぅぅぅ!」
バシィィィィン!
「ぶっ!」
今度はマジルダの平手がイブの頬へ炸裂。
「貴様ぁぁぁぁぁ!」
「やりましたねぇぇぇぇぇ!」
ガシッ!
互いの手が、互いの髪を掴んだ。
「離せ! この泥棒猫!」
「そっちが離してくださいよ! この年増!」
「またワラワの男に手ぇ出しやがって!」
「アダム様はあなたのものじゃありませぇぇぇん!」
「ワラワの男じゃぁぁぁぁぁ!」
「私のアダム様ですぅぅぅぅぅ!」
グイィィィ!
「痛い痛い痛い! 髪を引っ張るなぁ!」
「イブ様こそ離してくださいぃぃぃ!」
「離すか!」
「だったら私も離しません!」
「痛っ! 噛むな!」
「そっちこそ耳を引っ張らないでくださいよぉぉぉ!」
神と。
その使徒。
遥かな時を超え、アダムを巡って再び相まみえた二人。
その戦いは――。
「このぉぉぉぉ!」
「痛ぁぁぁぁ! ほっぺた抓らないでくださいぃぃぃ!」
実に――。
見苦しかった。
「ワラワのアダムじゃぁぁぁ!」
「私のアダム様ですぅぅぅ!」
「ワラワのじゃ!」
「私のです!」
「ワラワの!」
「私の!」
「ワラワのぉぉぉぉ!」
「私のぉぉぉぉぉ!」
グイィィィィ!
「痛ぁぁぁぁぁ! 髪! 髪抜けますってぇぇぇ!」
「抜けろ! 全部抜けてしまえ!」
「イブ様こそ離してくださいよぉぉぉ!」
「誰が離すか!」
バシッ!
ベシッ!
グイグイグイッ!

「痛いぃぃぃぃ!」
「年増言うた口はどれじゃぁぁぁ!」
「そこですぅぅぅぅ!」
「分かっとるわ!」
そして――。
「このぉぉぉぉぉ!」
ドゴンッ!
「きぃやぁぁぁぁぁぁぁ!」
ついにマジルダが吹っ飛んだ。
廊下をゴロゴロと転がり、壁際でようやく止まる。
「うぅぅぅ……」
涙目で顔を上げる。
その向こうでは、髪をボサボサにしたイブが肩で息をしながら立っていた。
「ハァ……ハァ……二度と……」
ギロリ!
「ワラワの男に手ぇ出すなぁぁぁぁ!」
「ひぃぃぃぃぃぃ!」
ダダダダダダダッ!
マジルダは泣きながら逃げていった。
それを見送るイブはペッと唾を吐いた。
「ふん……身の程を知れ……淫乱女が!」
そのとき。
イブの指から――。
ふっ。
力が抜けた。
「…………っ」
壁へ手をつく。
遅れて、膝が震えた。
「チッ……もうか……」
分かっていた。
最初から。
今回の復活は、本来のものではない。
マジルダの力によって〝魔〟を暴走させられ、これまで蓄えてきた生気を無理やり吐き出しただけ。
まだ――足りない。
この程度では。
本来の自分を維持するには、まるで足りない。
イブは目を閉じた。
ならば――。
仕方がない。
「…………面倒な」
小さく呟く。
イブが持つ、神の恩恵。
〝再生〟。
かつて。
一度死んだアダムを、この世へ再び呼び戻した力。
あのときは、肉体も。
命も。
すべてを失ったアダムを無理やり再生させた。
その代償はあまりにも大きく――イブは膨大な生気を失った。
そして、本来の自分を維持することすらできなくなってしまった。
だから――。
イブは作った。
自分が再び完全な姿へ戻れる、その日まで。
この身体を生かし。
守り。
動かし続けるための――。
仮初めの精神を。
イブの金色の瞳が細くなる。
しかし、先ほど、その精神は――完全に消えた。
イブが表へ戻った、その瞬間に。
身体を動かすための仮初めの精神は、その役目を終えたのである。
どこかに眠っているわけではない。
奥に隠れているわけでもない。
存在すらしていない。
だが――。
今回の復活は、本来のものではなかった。
今のイブには。
まだ、その仮初めの精神が必要だった。
「仕方あるまい……」
アダムの時のように、肉体も命も失った者を死から再生するわけではない。
今回、再生するのは――失われた仮初めの精神体だけ。
それならば、必要な生気はさほど多くない。
イブは、残された力を使った。
イブの身体が揺れた。
金色の髪が――。
ゆっくりと黒へ戻り始めている。
身体も縮む。
肩が。
腕が。
脚が。
そして、あれほど内側から押し広げられていたワイシャツの胸元からも、急速に張りが失われていく。
もう一度。
失われた精神体を――。
〝再生〟する。
「ワラワが完全に戻るまで……」
金色の瞳が閉じていく。
「もう少しだけ――お前に任せてやる……」
そして、光が消えた。























