令和6年12月12日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

日清
出前一丁

昔ながらのしょうゆ味中華そば

香りまでおいしい!ごまラー油

ごま油練りこみもっちり麺

 

 

だぁぁぁぁぁぁ!

 

早速! いただきます!
 
麺にごま油が練りこまれているらしいのだが……
味の違いが、いまいち良く分からん。
いや、食べ比べれば多分俺でもわかるよ。
でも、このカップ麺一つだけを食してスゲーってな感じは持たないよな。
そもそも、即席めんにするための油で揚げる工程で香りも飛んでいるのではないだろうか?
素直に、普通の出前一丁でいいような気もする。
 
ちょっと待て!
もしかしたら、この練りこみ系がこれからの主流になるのかも。
もう、カップ麺の種類や味は飽和状態。
具材やスープで違いで他社との違いを出すために苦心しているはずなのだ。
ならば、残るは麺!
麺に別のモノを混ぜ込んで違いをアピールする。
アリだなwww
 
ということで、こんなのはどうでしょう!
ブラックスープにラメを練りこんだ麺を浮かべる。
その名も「銀河鉄道の夜
 
さて、今日は「鉄道」つながりのお話を。
 

 先ほどから、そんな道具談議に花を咲かせるタカトと権蔵。

 その内容は例えていうなら、鉄道オタクどもが改札パンチで切り抜いた切符の切り口のかけらを前にして、これはどこどこの駅の「きょうこん」だなどと言いあっているようなもの。

 そのため、ビン子を含めた普通の凡人には何のことやらさっぱりわからない。いや、分りたくもないのである!

 だが、のけ者にされていることが少々頭に来たのだろうか、ビン子が肩をいからせながらズカズカと二人の間に割って入ってきたではないか。

 

「二人ともちゃんと仕事してよ! 何で私ばっかり運ばなきゃいけないのよ!」

 

 腰に手をやり怒り心頭のごようすである。

 それもそのはず、大きな防具や武具は権蔵がひとしきり運んではいたが、おおかたの荷物はビン子一人で運んだのである。

 

「すまん。すまん」

 笑う権蔵は慌てて立ち上がると、足でタバコの火を消した。

 

 間髪いれずに、ビン子が権蔵の足を真っ直ぐ指さす。

「そこ! 吸い殻は灰皿!」

 

「ハイィィィ!」

 背筋をピンと伸ばした権蔵の顔が引き締まったかと思うと、急いで地面に転がるタバコの吸い殻を拾い上げ、逃げるように店のなかへと駆け込んでいった。

 

 だが、タカトはまだ袋を覗きこんでいる。

 そしておもむろにビン子に尋ねるのだ。

「たしか、お前って神だろ……」

 ビン子の金色こんじきの瞳を見れば神であることは明らかだった。

 

「なぁ、お前って、命の石とか食わないの?」

 神もまた、生きるために生気を必要とする。

 だが、その生気を外部の生き物から分けてもらわないと生きていけないのだ。

 しかし、それでも足りない時が来る。

 その時に役に立つのが命の石なのである。

 そう、神だけが命の石から生気を直接吸収することができたのだ。

 

 

 しかし、怒りの静まらないビン子は、腕をくみ足をトントンさせている。

「何でそんな硬いもの食べなきゃいけないのよ!」

 

 タカトはやっと顔を上げると袋を固くとじ、荷馬車の奥に大切そうにしまった。

「だって神って、生気が切れると『荒神あらがみ』になるっていうじゃん」

 

荒神あらがみ』とは、生気切れを起こした神のことである。

 死を前にした神は己を失い、暴れまわるのである。

 そして、ついには世界を滅ぼすほどの大きな爆発を起こして消え去るのだ。

 って……なに、それ……超! 危ないんですけど!

 まぁ、人間たちもそんな危ない神々と長年付き合ってきているのだ。

 当然、荒神の対処法はいくつか心得ている。

 例えば、荒神の気を削ぎ落すとか、爆発してもいいように狭い洞窟、そう『小門』なんかに閉じ込めてしまうとかwww。何人爆発しても大丈夫って、小門はイ○バ物置か!

 

 ビン子は、タカトが荷馬車から降りてくるのを見届けると仕事に戻ろうとした。

「ご心配なく。ちゃんとご飯は食べてます」

 

 そんなタカトは、笑いながら両方のひとさし指を立てビン子を目測する。

「だよな。最近、太ったもんな!」

 

 ビシッ!

 

 勢いよくタカトのもとに走り込んできたビン子のハリセンが、バドミントンのサーブさながら、力いっぱいにタカトの額に振り下ろされていた。

「ただの発育途中です!」

 

 だが、すでに目から時速400キロ超の星が打ち出されていたタカトには、全く聞こえていない様子だった。

 
 

令和6年12月11日の昼飯

日、食したカップラーメンはこちら!

 

明星庵

「きつねうどん 大盛 

コク旨だしの三段重ね

あとがけだし香る七味付き

 

だぁぁぁぁぁぁ!

 

早速! いただきます!
 

今にして思うと、七味を後に入れることを要求するカップ麺が多いような気がするな。
おそらく、熱湯で風味が飛んじゃうのが理由なんだろうけど……
 
ぶっちゃけ!めんどいのよwwww
わざわざ七味だけ後で入れるのはなんかめんどいwww
え?ラーメンの時のオイルは、ちゃんと後で投入しているだろうって?
確かにその通りです。
でも、それは油だから。
油を先に入れるとカップ麺が柔らかくならないのよ。
だから、面倒くさくてもあとで入れないといけないの。
そういった意味で考えると、粉ものなら熱湯を注ぐ前に入れようが後に入れようが麺の硬さに支障が出ない。
多少の風味?
そんなこと、知らんなぁwwww
 
ということで、今日は「めんどい」つながりのお話を。

 

kakuyomu.jp

 

 「チ●コキラー」と名付けられたこの連続殺人犯。

 その殺人犯を特定するために守備兵たちは殺人現場を懸命に捜索するのだが、なぜか手掛かりは現場に残されていた青いリボンしかなかったのである。

 

 

 同じような殺人現場が6もあって、手掛かりが青いリボンだけ?

 嘘やぁwww

 絶対にウソ松や!

 

 まぁ、仕方ない……

 仕方ないのだ……

 

 せっかく裸の嬢と楽しんでいたのにもかかわらず、何が楽しくてマッチョの男の裸を見ないといけないのか……

 だが、そこに死体がある以上、捜査をしないといけないのである……

 仕事かぁ……

 めんどいなぁ……

 やすみたいなぁ……

 しこりたいなぁ……

 全くやる気のない守備兵たちは、亡くなった男の股間に次々と唾を吐いていく。

「こんなところで寝てんじゃねぇよ! ボケ!」

「さっさと起きろよ! チン〇なし!」

 

 ということで、一人の守備兵がその横たわる死体の口に一本のドリンク剤を突っ込むのである!

「さぁよみがえれ! 男の魂よ!」

 すると!

 なんということでしょう!

 先ほどまで死んでいたはずの男がむくっと起き上がったではありませんか。

 それはまるでインポだった息子が、若かりし性春を取り戻したかのように姿勢を正してシャキッとね!

 それを見る守備兵たちは驚きの表情を浮かべた。

「きゃぁ♡ 生き返ったぁ♡」

 そう、彼に飲ませたドリンク剤は、知る人ぞ知る超強力精力剤!

 ビンに書かれている大々的なキャッチフレーズが目を引く代物だ。

 ~これを飲めばゾンビでも勃ちあがる! アナタの息子も進撃の巨人!~

 その名もなんと!「チン造を 捧げよ!」である。

 ちなみにこのCMは元熱血テニス選手の松〇修造さんが勤めていることで有名だ。

 これ豆知識ねwww

 

 その原材料名はマムシ粉末、オットセイ睾丸粉末、鹿茸ろくじょう粉末、スズメバチの子粉末、ウミヘビ粉末、ゴリラの金魂粉末、酢こんぶ、イチゴ牛乳抽出液、ダークマターなどをふんだんに使用。

 もう、これを飲んで起き上がらなければインポ確定といわれる代物である!

 

 あれ? このドリンク剤……どこかで見たことがあるような……

 wwwそれもそのはず!

 別小説「レベル上げはかったるいで」いたいけな少女をゾンビに仕立て上げたいわくつきの逸品なのであるwww

 

 だが、そのお話と同じように、この世界でも死んだ人間がゾンビになると思ったら大間違いww

 大体ここはドラゴンボールの世界ではありませんwww

 そう簡単に死んだ人間がよみがえったりしたらお話めちゃくちゃになっちゃうでしょうがwww

 って……そういえば……魔人世界に連れていかれたハゲ子が頭はねられてゾンビになるんだったっけ……おっと、これはまだまだ先のお話だったwww

 

 というわけで、この死んだホスト。生き返ったりしてません。

 なら、どうして立ち上がった?

 そんなことは簡単!

 周りの守備兵たちが死体を持ち上げて操り人形のように動かしていたからですw

「きゃぁ♡ 生き返ったぁ♡」

 死体がないのだから殺人事件もありゃしない!

 だから、血なまぐさい現場で四つん這いになって証拠を探す必要もないのだ。

 はい! これにて終了!

 お疲れさまでしたぁ~♪

 守備兵たちは急いで現場を後にする。

 というのも彼ら、先ほどまで遊んでいた嬢のもとに駆け戻り、

 妙に生臭い部屋で四つん這いになって簫鼓しょうこをさすりあう必要があるのだ。

 あっ! ちなみに簫鼓しょうことは笛と太鼓のことだよ。勉強になったかな?

 いつもそんなことをしているもんだから、当然、殺人現場はめっちゃくちゃ。

 証拠保全もあったものではなかった。

 まぁ、そもそも守備兵たちにとって、奴隷街にあるホストクラブで何人死のうがどうでもよかった。

 所詮……そのあたりにいる人間の多くは奴隷の身分である。

 魔物や魔人がいたという痕跡でもあれば話は別だが、ただの奴隷の殺人事件などマジで真剣になる理由など全くないのである……

 

 守備兵たちが撤収した後、奴隷兵たちがホストの死体を片付け始めていたころ、荒れ果てた現場を丹念に見て回る一人の男がいた。

 ――この青いリボン……ヨシ子のお気に入りのリボンと似ているような……似ていないような……

 そう、この男こそ、第六宿舎のギリー隊長だったのだ。

 

 そのギリー隊長の妻であるヨシ子は、ニューHカレドニア学園内にある寅の校門で南斗性拳の修行に日々、明け暮れていた。

 だが、そんなヨシ子を指導する寅次郎は、なにか例えようもない一抹の不安を抱いていたのである。

 というのも、ヨシ子の拳先には強い殺気がこもっているのだ。

 まぁ、暗殺拳である北斗シイタケなら殺気がこもっていたとしても分からなくもない。

 だが、ヨシ子が習得しようとしているのは南斗性拳。

 南斗性拳は北斗シイタケと異なり活人拳なのである。

 イメージしてほしい……

 作物の収穫が終わり寒い冬を越した母なる田畑。

 そんな大地に新たな命が芽吹く前……

 その身をわざと、激しく焦がしていくのである。

 そうこれこそ、いわゆる野焼きプレーというものだ。

 田畑に残った草花を灰にして、集まる害虫たちを駆除するのである。

 南斗性拳108店

 どの店でも行っている「毛じらみ駆除コース」。

 チンケイチを灼熱の炎で焼き尽くす!

 これ……意外と人気のコースなのである。

 だが、ヨシ子から感じる殺気では毛じらみどころか、毛根……いや精根、人の命までもが駆除されそうな勢いなのだ。

 

 ナンバー5が死んでから、二日目の夜……

 ホストクラブ「根アン♥出るタール神」の裏口から外に出たナンバー4は壁にもたれかけながら、タバコをふかし始めていた。

「ちっ! 今日はしけた客しか来ないじゃねぇか……」

 不満そうに見上げる夜空には美しい月が浮かんでいる。

「それもこれも……あのチ●コキラーのせいだ……連続殺人が起こる縁起の悪い店ということで、上客の足がマジで遠のいてしまったぜ……」

 そんな彼の耳に、どこからともなく聞き覚えのある歌声が入ってきた。

 

 

 ♪こんなこといいなぁ~ できたらいいなぁ~♪

 

 その歌声は暗い裏道の奥からゆっくりと確実に彼の元へと近づいてくる。

 

 ♪あんな夢! こんな夢 いっぱいあるけどぉ~♪

 

 その声の主へと目をやるナンバー4ことピカ太郎。

 彼の鼻先をかすめタバコ煙がゆっくりとたなびき夜空へと昇っていく。

 そんな煙の奥に人影がうっすらと揺らめいているのが見て取れた。

 ―なんだ? ドラえも●か?

 次第に月明りに照らし出されていく小太りの人影。

 

 ♪みんな! みんな! みんな! かなえてみせる~♪

 

 それはドラえも●ではなくて……一人の女……

 ――なんだ、客かよ……

 だが、先ほどまで怪訝そうな顔をしていたナンバー4は、瞬時にビジネススマイルへと表情を変えた。

 そう、こんな裏道にやってくる女といえば、金がなくてホストクラブでホストを指名できない貧乏客にちがいないのだ。

 せめて……お気に入りのホストの出待ちでも……

 そんな女心……まるでストーカーである。

 だが、そんなストーカーまがいの行いであっても、ナンバー4にまでなれば、それぐらいは日常茶飯事。

 というか……将来の太客になるかもしれ女を邪険に扱っているようでは、ナンバー1の地位など目指せないのである。

 だが、目の前の女は太客というよりかは、太い客……ただのデブ……

 とても大金を貢いでくれるようには思えなかった

 

 

 ♪不思議なユッケで かなえてくれるぅ~♪

 

 その女はナンバー4の前まで来ると、その鼻先でピタリと動きを止めた。

 そして、顔をゆっくりと上げるのだ。

 ひっ! 一瞬、ひきつるナンバー4の笑み。

 というのも、その起き上がった女の顔面はこれでもかというほどの満面の笑みなのである。

 いや、満面の笑みというよりかは、うす気味悪いぐらいニタァ~とした不気味な笑顔なのだ。

 

 そんな女が歌う……

 ♪チ●コを自由に食べたいなぁ♪

 

 と、女の二つの細腕が大きくクロスしたかと思うと!

 ナンバー4の身に着けていたスーツが無数の破れた布切れへと引き裂かれていた。

 

 何が起こったか理解できないナンバー4。

 彼の眼に、雪のように舞い落ちてくるスーツの切れ端が映り流れ落ちていく。

 

 ♪「ハイ! ビックリマンチ●コぉ~」♪

 次の瞬間、暗い裏道にナンバー4の赤い絶叫が響き渡った。

 だが、その悲鳴は裏通りの奥につながる大通りから流れ込んでくる町の喧騒にすぐに飲み込まれて消えてしまうのだ。

 今や、静寂を取り戻した裏道に股間から赤い血しぶきをまき散らすナンバー4の体が弧を描いて倒れていく。

 

 ♪あん♡あん♡あん♡ とっても大好きぃ~ミルクぅチ●コ~♪

 

 石畳の上で痙攣をおこす彼の体。

 そのそばでその様子を見下ろす女は、いつしか手に持っていたビックリマンチ●コを美味しそうになめていた。

「ああ……今夜のビックリマンチ●コもおいしいわ……」

 そう言う口は、なぜかいやらしく笑みを浮かべ舌なめずりをしているのだ。

「天国のあの子もきっと喜んでるわ……義男……待っててね……お母さん頑張るから……」

 いつしか、そんな彼女の口の周りは真っ赤に染まっていた……

「義男……かならず……全員……同じようにチ●コクリームを絞り出してあげるからね……」

 

 ニューHカレドニアの石床に窓から差し込む陽光が白く反射する。

 小さな窓々から差し込む日の光はやけに高い。

 おそらく時はすでに昼前。

 気温の上がった修練場内はムンムンとした熱気が充満していた。

 胸の谷間や尻の割れ目などを残し汗でぴったりと張り付く薄い修練着は、女たちの白き肌を浮かび上がらせてムラムラとする色気を漂わせている。

 だが、彼女らの手のひらは、木人相手に何度も何度も繰り返し組み手を行ったせいなのか赤く染まり、その修練の凄惨さをマジマジと映し出していた。

 ヤぁー! ヤぁー! ムッシュムラムラ

 

 ひときわ赤く傷だらけの手を持つヨシ子。

 今日もまた、木人を3つばかり粉砕した後のことだった。

 そんなヨシ子に寅次郎がいつものように声をかけた。

「ヨシ子……いいかい……あんたに教えた南斗無雄むおん拳奥義らぶくうさつは活人拳……すなわち……男に喜びを与える拳だよ……」

 だが、ヨシ子は膝に手を置き肩で息をするばかり。

 はぁ……はぁ……はぁ……

「お前の拳には、どうにも北斗シイタケのように殺気がこもっている……」

「私が習いたいのは北斗シイタケ……だったのに……」

「北斗シイタケを習ってなんとする気だい……」

「別に……なんだって……いいじゃないか……」

「いいかい……南斗の拳先を男の体の内側へと向けては決してダメだよ……」

「……」

「ひげを剃る剃刀だって……人を殺そうと思えば殺せてしまうんだ……」

「……」

「ヨシ子……あんたの拳はすでに肉切り包丁……いや、人切包丁のような切れ味になっているんだ……くれぐれも……その使い方を誤るんじゃないよ……いいかい……ヨシ子……」

「……」

 

 その夜、寅次郎はそんな不安を抱きながら小さなバーで飲んでいた。

「ハゲ太! 私の話をちゃんと聞きなさいよ!」

 カウンターに伏せながらぼやいている寅次郎を、ハゲ太と呼ばれた女性が憐れそうな目で見つめていた。

「ちょっと……寅ちゃん……のみすぎよ……」

 カウンター内でたばこをふかすこのドレスを着た女性。実はオカマである。

 そう、今、かつてオカマだった寅次郎がオカマバーで、いつものように飲んだくれていたのだ。

 

「ハゲ太! あんたも南斗性拳を極めた身でしょが! ヨシ子のこと何とも思わないの!」

「私はどうでもいいわよ……もう、過去の話だしさ……だいたい私は未来に生きる女だし」

「未来? どういう意味よ!」

「寅ちゃん……南斗性拳に義理立てしても……南斗性拳は寅ちゃんに生きがいなんて与えてくれないわよ……それよりも、ちゃんとした自分の夢を追いかけないと……」

「ハゲ太! ハゲのくせに何偉そうに言ってくれてるのよ! 大体、あんたに夢なんてあるっていうの! ハゲのくせに笑わせないで!」

「ハゲは関係ないでしょ! ハゲは! 私にはね、ハゲ子っていう夢があるのよ!」

「ハゲ太の娘でハゲ子ですかぁ~ハゲハゲハゲぇ~wwww」

「おい! 寅次郎! 人にはな! 言っていい事といけないことがあるんだよ! 分かってんのか! コラ!」

「なんだ! やるのか! ハゲ太!」

「おう! やってやろうじゃないか寅次郎!」

 

 オカマバーを後にした寅次郎の体を明け方から降り出した雨がじっとりと濡らしていた。

 立派な胸板を流れる無数の雨水は、むき出しの肌をつたってスッポンポンの下半身へと落ちていく。

 これだけ見れば、やはり寅次郎は男なのだと確信できる。

 できるのだが……

 やはり寒さのせいなのか、寅次郎のビックリマンチ●コは体の中にお隠れになって無くなっていた。まさに! リトルマンチ●コ!

 

 傘を持ってきていない寅次郎はビショビショに濡れていた。

 雨が止むまで店で飲んでいようと思ったのだが、その願いもむなしく外に放り出されてしまったのである。

 

 ハゲ太の怒りを買ったから?

 まぁ、確かにそれもある。

 それもあるのだが……二人の南斗性拳の使い手が店の中でさんざん暴れまくったのだ。

 当然……店内はボロボロのボロボロ……

 トタン屋根すら吹き飛んで、四つの壁は完全崩壊!

 おまけに二人が身に着けていたはずの服も消し飛んでいたのである。

 

 

 ただの瓦礫と化した店を後にする寅次郎。

 そんな寅次郎の背後で四つん這いで顔を上げるハゲ太が泣きながら叫んでいた。

「寅次郎ぉぉぉぉ! カムバァ~ック!」

 だが、寅次郎は未練を断ち切るかのように振り返らない……

 それどころか、中指を立てた右手を肩越しに上げて叫ぶのだ。

「never come back!」

 それを聞いたハゲ太は大声で泣いた。

「もう、この店の弁償どうしてくれるのよ! また、ママに怒られるじゃない! 寅次郎ぉぉぉぉ! 金持ってカムバァ~ック!」

 

 

 その帰り道、寅次郎は胸の奥からこみ上げてくる熱い思いを感じた。

 これはハゲ太への懺悔の気持ちなのか?

 それとも愛弟子であるヨシ子への胸騒ぎの気持ちなのであろうか?

 だがついに、こみ上げてくる思いに堪えられなくなった寅次郎は、橋の欄干に手をついて真下に流れる川面にめがけて大きく口を開いた。

 レロレロレロ……

 そう、寅次郎は単に酒の飲みすぎで気持ち悪くなっただけなのだ。

 

 しかし、残念なことに……寅次郎は橋を渡り始めたところだったのである。

 そう、下を向く寅次郎の体の位置は、まだ川の上ではなかったのだ……

 だが、それでも、ここは川の土手。

 しかも、朝早い時間帯である。

 そうそう、橋の下に人などいるわけが……

 と思ったら、いるじゃないですか!

 そこには男が一人、川そばで横たわっていた。

 そんな男の顔面に、寅次郎の熱い思いがレロレロレロレロ……

 これは、まずい! 

 などと思った寅次郎は、急いで土手下へと駆け下りた。

「すみません……ワザとじゃないんです……私、お金ないんで、お尻を使ってお返し……」

 と、言いかけた寅次郎は言葉を詰まらせた。

「って、できないわね……これじゃ……」

 そう、彼もまたビックリマンチ●コを失っていたのである。

 

 その日はナンバー4が死んだちょうど二日後のことだった……

 蘭華たちが日ごろ歌の練習をしている橋のたもとでナンバー3ことラインハルト・フォン・ドボーが死んでいた……

 だが今は10年前……蘭華たちは生まれていない時代である。

 そのため、この凄惨な殺人現場に二人の幼女が遭遇することもなかったのだ。

 しかし、その代わりにと言っては何だが……第一発見者はスッポンポンの寅次郎になってしまった。

 

 この橋のたもとは奴隷街同様に町のはずれに位置する。

 このあたりに住む人間の身分はとても低い……

 仮にタカトたちのように一般身分の身であったとしても、貧困にあえぐ下層民であることは間違いないのだ。

 だからなのか、またもや守備兵たちは現場を荒らすだけ荒らして早々に引き上げてしまった。

 

 おそらく犯行時刻は深夜……

 朝から降り続く雨が、死体から流れ出していたはずの血糊をきれいに洗い流していた。

 だが先ほどから、その死体を黙って見下ろす寅次郎。

 その髪からいくつもの雨のしずくがポタポタと滴り落ちていく。

 

 死体は今までうわさで聞いていた他の殺人と同じように真っ裸であおむけにぶっ倒れ、下腹部を鋭利な刃物でえぐり取られていた。

 そして、一つの青いリボン……

 まるで誰かへのプレゼントかのようでもある……

 

 ――この傷跡は南斗無雄むおん拳奥義らぶくうさつ……

 ぐっとかみしめる寅次郎の唇からはうっすらと赤がにじむ。

 だが、降りつける雨によって、その赤もたちまちに流れて消えてしまうのだ。

 ――やっぱり……ヨシ子……お前なのかい……

 

 そんな寅次郎の肩に手がかけられた。

「お前を逮捕する!」

 へっ!?

 意味が分からない寅次郎は当然……

「これは私が殺ったんじゃないわよ! 私は、ただ最初に見つけただけよ!」

 寅次郎の手に手錠をかけるビリー隊長はうなずく。

「そんなことは分かっている! だが、お前はすっぽんぽん!」

 !?

「わいせつ物チン列罪で逮捕だ!」

「なんでよ、どうしてよ! チ●なんか隠れて見えないでしょうが!」

「チ●だけじゃなくてケツも丸見えだろうが!」

「きゃ♡ ケツだなんて……お尻と言って♡」

「どっちでも同じことだ!」

「ちがうわよ~♪ ちょっと試してみる♡」

 ということで、寅次郎はしばらく留置場で過ごすことになったそうである。

 そして、ビリー隊長もまた新たなる世界に目覚めたのであったwww

 

 

 

 

第17話 激闘?福引会場?(11) 店《てん》に北斗シイタケ輝くとき、南斗性拳もまた輝く!より

令和6年12月10日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

日清のどん兵衛

東西南北だし比べ北 きつねうどん

利尻昆布×鰹節

利尻昆布の優しい甘み

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
以前、赤いきつね」「緑のたぬき」幸せしみるショートストーリーコンテストで書いた下記の作品なのだが……
話しの肝である現象が、夏では起きないということが身をもって分かった。
そう、夏では眼鏡が曇らないのである!
それではさすがにリアリティがない!
ということで、眼鏡が曇る冬バージョンに修正しました。
 
でもって! ついでにカクヨムコンのショートストーリーにも出してみました!
 
今回のは、下ネタ、エロネタ、おふざけ無し!
マジの直球勝負作品です。
 
読んでウルッと来たらカクヨムで星を入れてくださいな
 
 
 

 一本の長いアスファルト。その両脇を数十本の銀杏並木が列をなしていた。

 そんな上り坂、一人、歩道を歩く俺の方に小さな車が近づいてきては、なにかに行き急ぐかのように形を大きくしては過ぎていく。

 ポケットに手を突っ込みマフラーで首を包む俺の目には黒縁の眼鏡。

 その眼鏡に、一枚、また一枚と黄色い命が落ちていくのがよくみえた。

 おそらく、あと数日でこの銀杏並木たちの葉っぱは全て散り終え、冷たい冬を迎える準備を始めることになるのだろう。

 そんな息苦しい坂道であったが、さらに、時折吹く冷たい風が俺の心をギュッとつかんで握りつぶそうとしていくのだ。

 とっさに、その仕打ちに足を止めてしまいそうになるのをこらえ……ぐっとこらえて空を見る。

 しかし、馬鹿みたいに空が重い。

 

 俺は機械油が黒く染付く手で、鼻から垂れおちる水滴をぬぐった。

 ――本当に今日も寒いな……

 

 そんな手にはどんよりと曇った空の色とは対照的な真っ白な輝きを放つビニール袋が一つ。

 中では先ほどコンビニで買ったばかりの緑のたぬき赤いきつねが仲良く二つ揺れていた。

 ――ここを曲がるとやっと病院だ。

 

 俺の目の前には古ぼけた病院がたっていた。

 この病院の先生にはガキのころからずっと世話になっている。

 病気になったと言えば、母さんに必ずここへと連れてこられたものである。

 そのせいか今でも、この病院には何かあるたびについつい通ってしまう。

 まぁ、俺の行きつけの病院とでも言ったところだろうか。

 そんな病院の5階に、今、俺の母さんが入院していた。

 先日、馴染みの先生から珍しく呼び出しを受けた。

 先生の話では、母さんは、もう、長くはないらしい……

 末期のがんだそうだ……

 俺は、それを聞いた瞬間、目の前が真っ暗になって、何も考えられなくなってしまった。

 

 先生は言った。

「後は、お母さんが幸せに逝けるように笑って過ごすんだぞ……」

 そんな気配りをしてくれる先生が妙に、よそよそしく感じたのを覚えている。

 

 母さんは、幼い俺と弟を女手一つで育て上げててくれた。

 年子の男の子二人だぞ。

 当時、小学校低学年の俺たち。

 仲良く遊んでいたかと思うとすぐに取っ組み合いのけんかを始めたもんだ。

 だが、母さんは止めやしない。

 そんな時に限ってヤカンでお湯を沸かし始めるのだ。

 

 ピィィィィっっ!

 

 その音を合図にするかのように母さんは、賞味期限間際まぎわの安売りでしこたま仕入れたカップメンを二つ取り出して、何事もかなったかのように湯を注ぎだす。

 すぐさま四畳半の薄暗い部屋には、カップメンのおいしそうな香りが漂った。

 

 もうそうなると俺と弟は喧嘩どころではない。

 取る物も取り敢えず母親の横に駆け寄って、二つのカップメンのうちどっちを食べるんだと自己主張を始めたものだった。

 

 まぁ、ここで普通の家庭なら喧嘩しないように同じカップメンを作ったことだろう。

 だが、ウチは違った。

 

 俺と弟は味覚が違うのだ。

 俺は、どちらかと言うと「そば」がいい。

 弟は、どちらかと言うと「うどん」がいい。

 

 俺たち二人は、全く相容れることはなかったのだ。

 だが母さんも、それはよく知っていた。

 だから、いつも緑のたぬき赤いきつねに湯を注いでくれたのだ。

 

 俺は赤いきつねに見向きもせず、湯を入れたばかりの緑のカップを手に取って、こぼさぬように慎重に運ぶ。

 アッチチ……

 向かうは、部屋の片隅に置かれた小さな小さなちゃぶ台。

 このベニヤ板がボロボロに剥げたちゃぶ台こそが、当時、俺たちの唯一の食卓だった。

 

 薄暗い窓にかかる色あせたカーテンには、母さんが俺たちを喜ばせるためにチラシから切り抜いては縫い付けてくれたキャラクターが仲良く揺れていた。

 その中の青いタヌキが当時の俺のお気に入り。

 そしてそのちょうど真ん前、そこが俺の指定席だった。

 その席に着く俺は、いつも思うのだ。

 弟は赤いきつねの何がいいのだろう。

 

 ただ、うどんに油揚げがのっているだけなのだ。

 ハッキリ言って、他のメーカーのきつねうどんと大差はない。

 スープだって似たり寄ったり。

 油揚げも所詮、油揚げだ。

 麺に至っては、ほとんど違いが分からない。

 まぁ、しいて言えば具材に卵が入っているところが個性と言えば個性だろうか。

 

 それに対して緑のたぬき

 これこそまさに至宝の中の至宝である!

 

 なんといっても天ぷら。

 某メーカーが後入れなのにもかかわらず、こちらは何と先入れなのである。

 先入れにすることによりふんわりと柔らかくなる。

 これを食すと、心までふんわりと落ち着く。

 

 そして、何よりもこの天ぷらにはエビが入っている。

 そのことによって、徐々に食べていくと天ぷらのだしがスープに溶けだして味わいがさらに増していくのだ。

 これはアイツの油揚げにはできない芸当である。

 

 そしてまた、天ぷらは気分を変えたいときにはあえて後入れにすることも可能なのだ。

 パリパリの食感。これはこれでおいしいのである。

 これもまたあの油揚げにはできやしない。

 だって、あいつは、お湯でふやかさないと食べられないのだから。

 

 そして、決定的な違いは、出来上がるまでの時間。

 俺のは3分で食べられるが、奴のは5分かかる。

 いまだに赤いきつねを前にして体を揺らし続ける弟を横目に、俺は今日もそばをすすりだす。

 マジうめぇ!

 

 病室についた俺は、どんよりとした空気を嫌うかのように窓をいっぱいに開けた。

 途端、冷たい風が病室の中に入り込んでくると、レースのカーテンを揺らしはじめた。

 

「今日は、休みなのかい」

 調子がいいのか、母さんはベッドの上で上体を起こしていた。

 

「あぁ、今日は土曜日だから半ドンだ!」

 窓の外を見ていた俺は精一杯の笑顔を作って振り返った。

 

 そして、手に持つビニール袋をこれみようがしに持ち上げてゆすった。

「母さん、これスキだろ?」

 俺はがさがさと音を立てながらビニール袋から緑のたぬきを取り出した。

 

「それが好きなのはあんたの方だろ。よくそんなモノを食べられるね」

 母さんは笑いながら答えた。

 

「別にいいだろ! 好きなんだから! お湯、借りるよ」

 俺は、小さな棚の上で緑のたぬき赤いきつねのふたを開け、熱々の湯を注ぎ始めた。

 

 そんな俺を母さんは、じっと見ていた。

「アンタも大きくなったね……」

「もう、18だぜ……」

 

「そうか……もう18か……」

「あぁ……」

 

「……あんなに小さかったのにね……」

「……いつの話だよ……」

 

「……アンタたちにも、苦労かけてごめんね……」

「俺たちの方こそ、母さんに迷惑ばかりかけて……ごめん」

 

「おっ! どうした! 急にしおらしく謝って、悪いものでも食ったか?」

「いや、母さんが謝ったから……俺もツイ……」

 

「本当に、アンタたちも兄弟喧嘩ばっかりしよったよね……」

「まぁ、あいつとは反りが合わんけん……」

 

「あの子、元気にしとる?」

「さぁ、知らん……連絡とってないけん……」

 

「そうか……でも、あの子にとって頼りになるのはにいちゃんのアンタだけやけん、頼むな……」

「なんで……そんな事言うんだよ……」

 

「あっ! もう、三分立ったんとちがうか?」

 

 俺は慌てて緑の容器に手を伸ばした。

 アッチチ……

 その様子を見ながら、母さんはまた笑う。

「アンタも変わらんね」

 

 俺も一緒になって笑いながら緑のたぬきを母さんに手渡すと、手元に残った赤いきつねを持って窓際の椅子へと座った。

 

 だが、残念なことに俺の赤いきつねが出来上がるにはあと二分かかる。

 やることがない俺は、熱いそばを食べる母さんの姿をじっと見ていた。

 

 

 ふー! ふー!

 母さんは湯気だつカップに息を吹きかけて、ニコニコと嬉しそうに冷まし始めた。

 カップから昇った湯気が、一瞬たなびいたかと思うとはかなく消える。

 

 

 こんなささやかな幸せな時間は、あとどれぐらい続くのだろう……

 こんな母さんを放っておいて、あいつは一体どこに行っているのだろう……

 

 ふたを開けた俺の白いカップの中には大きな油揚げが、うどんの上に偉そうに浮かんでいた。

 俺は、そんな油揚げを箸でよけ、うどんをかき混ぜ勢いよくすすった。

 

 ズズズズ……

 美味い……

 存在感のあるコシが程よいのど越しを作り出していた。

 

 俺は大きな油揚げをかみしめた。

 ガブっ!

 じゅわーとしみだす油揚げのおだし。

 甘い……

 

 俺は、赤いきつねの事を何も知らなかった。

 そして、あいつのことも何も知らない。

 常にそばにいながら、本当に何も知らなかったのだ……

 いや、何も知ろうとしなかったのだ。

 もっと、早く気づいていれば、もっと違う関係になれたのかもしれない。

 だが、もう遅い……

 この湯気で曇った俺の眼鏡同様、もう、俺には何も見えない……

 俺はそんな眼鏡を押し上げて、目をゴシゴシとこすった。

 

 元の位置に戻った眼鏡の視界には、緑のカップが映りこんでいた。

 驚く俺はハッと顔を上げた。

 

 そこには、笑いながら緑のたぬきを差し出す母さんの姿。

「半分こ!」

 

 俺は、母さんに促されるかのように赤いきつね緑のたぬきを取り換えた。

 ズズズズ

 俺はそばをすする。

 ――やっぱりうまい……

 いつしか俺は鼻水もすすっていた。

 

 そんな俺を見ながら母さんは笑う。

「なんや、赤も緑もおいしいやないか!」

「……そうだな……」

 

「二つとも七味の味がいい感じに隠し味になっとるなぁ、ほんと、そっくりや……」

「……そうだな……」

 

「互いにいいところだけ見取ったらケンカなんてせんで済んだのになぁ」

「……ごめん……」

 

「アンタらの事やないで、この『たぬき』と『きつね』の事やで」

「ごめん……母さん……ごめん……」

 

「……そうか、なら、今度は二人で見舞いに来てや」

「でも……俺……あいつの連絡先知らんし……」

 

 うつむく俺に、母さんはそっと小さな紙を差し出した。

 そこには一つの携帯番号。

 

「あの子が置いていった連絡先や……あとは、よろしゅう頼むで! 兄ちゃん」

「ウン……」

 俺はその紙を握りしめ、うなずきながら泣いていた。

 

 

 

令和6年12月9日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

徳島製粉

金ちゃん製麺

ぶっかけうどん

風味豊かなかつお出汁

生タイプ

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
あかん……オカンが走る……
ヤカンやないで悪寒やで……
 
風邪ひいた!
熱はないのだが、悪寒がヒドイ!
もう、寒くて寒くて仕方がないのだ。
そのせいだろうか、今日に限ってパンツを前後ろ逆に履いていた。
前開きがないためトイレで小便ができない……
ならば、ズボンを下ろして小便をすると、飛沫が飛んでしまうのだ。
詰んだ……
あかん……風のせいで思考が回らん……
 
ということで、昼から帰ろう……
 
頭痛いけど……今日は「オカンが走る」つながりのお話を。
 
 

 そんな雨から身を守るかのようにタカトとクロトはアジャコンダの大きな体に背をつけ隠れていた。

 そう、コンドーさんの雨はアジャコンダだけでなくタカトとクロトたちも襲っていたのである。

 だが、そんな雨は収まる気配は見せない。

 それどころかますます激しさを増しているのだ。

 しかも、壁としていたアジャコンダの体に次々と穴が開いてくではないか。

 ぼこっ!

 ぼこっ!

 クロトのすぐ傍でアジャコンダの体を突き抜けた次元転移ミサイルが勢いをなくして落ちていく。

 ボテ……

 それを見たクロトは少々苦笑いをしながらタカトに身を寄せる。

「タカト君wwwこれは少々まずくないかなwww」

 タカトは男と交わる気はないと言わんばかりに腰をずらし距離をとる。

「まずいって、どうすんだよ!コレ!」

「だよねwwwどうやら、あの次元転移ミサイルは触れたものを取り込んでしまうらしいねwww」

「分かってんのなら何とかしろよ!」

「タカト君wwwそんなの無理だよ! だって、ミサイルに触れたら消えてしまうんだから、どうしようもないよwww」

「ならどうすんだよ!」

「まぁ、あのデスラーの精魂が尽きるのを待つのがセオリーだよねwww」

「というか、あのジジイ……本当に打ち止めになるのかよ……」

 そうこうしているうちにアジャコンダの体がどんどんと消えていたのだ。

 そう、空から降り続ける無数の次元転移ミサイルがアジャコンダの体を侵食し、その開いた穴をどんどんと大きくしていたのである。

 いまや、そんな穴からはタカト達の体が次第に除き始めているではないか。

 このままでは、ジジイの精魂が尽きる前に、次元転移ミサイルの餌食になりかねない。

「それは、どうにも分からないねwwwすでに、あの発射回数は人間の限界を超えているからねww」

「あのジジイ!化け物かよ!」

「さてさてwwwタカト君!本当にどうしようwww」

「クロト! さっきからその笑いは何なんだよ!」

 というのも、クロトは先ほどからニコニコ。この危機を楽しんでいるようなのだ。

「いやwwwこういう時こそ、タカト君は何かひらめくんじゃないかなって、ちょっと期待しているんだよwwwwほら!道具コンテストの時もそうだったじゃないwww」

 そう、人間というのは危機的状況に陥ると、思考の回転が異常に早くなる。

 おそらく生き残ろうという生存本能が働くためなのだろう。

 だが、そうそういつも上手くいくものではないwww

「あのな! 俺をドラえもんと同じように見るなよ! 人間にはできることとできないことがあるんだよ! 大体、あのミサイルを打ち返すにもお触りしたらアウトなんだろ!」

 ……うん?

 と、ニヤリと笑うタカト君。

「おっ! その顔は何かひらめいたようだねwww」

「お触りがダメなら、お触りをしなければいいんじゃね! ヨシ! クロト‼ 5分間なんとか時間を稼いでくれ!」

「5分でいいんだね。5分ぐらいなら僕でも何とかなるかな!」

 

 アジャコンダの影でうずくまるタカトを横目にクロトはデスラーへと向きを変えた。

 そして、ポケットから一つの筒状の物を取り出すと、おもむろに親指を押し付けたのである。

「開血解放!」

 親指の先から流れ出す血液がその筒状の中へと流れ込んでいくと……

 ブィーン!

 という起動音とともに筒状の先端から青く光り輝く棒がシュッと伸びた。

 それはまさに、あのスターウォーズに出てくるライトセーバーそのもの。

 だが、クロトはJ大ジェダイの騎士ではない。

 しかも、この時点ではまだ第二の門の騎士にもなっていない。

 いわゆるただの人間なのである。

 そんな人間がフォースの力を宿したのだ!

 って、そんなわけあるかい!

 ドラゴンボールクリリンがどんなに修行をしようともスーパーサイヤ人になることができないようにクロトもまたJ大ジェダイにはなれないのだ。

 そう!何を隠そう彼こそJ大ジェダイ(日大)ではなく神民学校の高等部に在籍している生徒会長さま!

 皆が頼りにしている存在なのである。

 ちなみに、このライトセーバー、クロトが作ったオイルバーン試作機の超推進力エンジンを超小型化したモノ。

 要はロケットエンジンのミニチュアなのである。

 推進力として先端から噴き出す燃焼ガスを細くまとめ棒状にしたものがライトセーバーのように見えているだけなのだ。

 だから、当然にその光の刃は超高温!

 触れたものをたちまち灰にすることだろう。

 ということは……おそらく……

 クロトはこのライトセーバーで降ってくる次元転移ミサイルを切りつけようというのである。

 確かにその刃は燃焼ガスのため固体ではない。

 これなら、ライトセーバーがミサイルの先端に触れたとしても異次元に取り込まれることは決してないだろう。

 しかも! さらに優れた利点があった!

 というのも、降ってくる次元転移ミサイルは、デスラーの砲塔の表皮に一度は接触したものである。

 ちなみに、ここだけの話だが……彼は2週間に一度しか風呂に入らない。

 しかも……その上……昨夜も壁に貼ったお登勢のポスターに向かってデスラー砲を発射しまくっているのだ。

 そんな納豆臭い砲塔の表皮触れたコンドーさんの内面が裏返って表にむき出しになっているのである。

 縦筋たてすじ露里ろり万札まんさつエイの胃袋に触れずとも、そんなコンドーさんに触れようものなら……想像しただけでもオカンが走る。

 ちなみにオカンはオカンでも母ちゃんではなくてヤカンの方である。

 そんな汚物は納豆、いや、熱湯消毒だぁぁぁぁ!

 と言わんばかりに、このライトセーバーは降ってくるコンドーさんを高温で跡形もなく焼却処理してくれるのだ。

 な! 凄いだろ!

 こんなことを思いつくとは!さすがは生徒会長! クロト様!

 そんな彼がライトセーバーを斜めに構えて、頭上から迫りくる次元転移ミサイルを睨み上げているのだ。

 もう、この姿、はたから見ているだけで、きっと何とかしてくれそうな気になってしまう。

 

「仮面ダレダー流奥義! 天翔九頭閃あまかけるクズのひらめき!」

 天翔九頭閃あまかけるクズのひらめき! それは言わずもがな、仮面ダレダー48の必殺技の一つである!

 超神速の剣先が九つの方向から同時に打ち出され斬撃を加えるのだ。

 まあ……明らかに、某るろうに剣士のパクリであるが……そんなことより、そもそもクロトは仮面ダレダーを知らなかったはずなのでは。

 それなのに、仮面ダレダーの必殺技を知っているというのは、一体どういうことなのであろうか?

 それはね……

 クロトが日ごろハイグショップで道具作りをしている最中、その横でタケシが叫んでいるんですよ。

「出たな! ツョッカー!」

 その様子は、まるで幼子が仮面ライダーの真似事をするかのようにポーズを決めているのである。

 おそらく、タケシの脳内イメージでは自身の姿が仮面ダレダーに完全に置き換わっているのだろうが、傍から見る分には全くのお笑い芸人であるwww

 だが、脳内仮面ダレダーのタケシは、剣に見立てたバールを斜めに構えたまま勢いよく段ボールの山に突っ込んでいくのだ。

「くらえ! 仮面ダレダー流奥義! 天翔九頭閃あまかけるクズのひらめき!」

 その瞬間、店内に積みあがった段ボールが辺り一面に吹き飛んだ。

 そう、タケシの持つバールが九つの方向から打ち出されたことによって、段ボールを右に左にとまき散らしたのである。

 その威力! その速度!

 まるで、子供が無茶苦茶に棒を振っているようなものであるwwww

 だが! 次の瞬間!タケシもまた吹っ飛んでいた!

 というのも、某るろうに剣士もこの奥義を放つと、自分の体にかなりの負荷がかかるのだ。

 そして、タケシもまた鼻血をまき散らせながら天をかけていた。

「このクズが! そんなもの店の中で振り回すな!」

 そう、段ボールが吹き飛んだ瞬間、立花どん兵衛の右ストレートがタケシの顔面を直撃していたのである。

 そんな様子を、毎日毎日見ていたクロト。

 覚えたくなくとも、自然に耳にこびりついていた。

 

 そして今! 目の前で次元転移ミサイルによる危機が迫るこの状況で、クロトのひらめきがさえわたる!

 ピキッーーーーーン!

「仮面ダレダー流奥義! 天翔九頭閃あまかけるクズのひらめき!」

 ついにクロトが気合とともに構えたライトセーバーを振りぬいた。

 

 ライトセーバーの光が作る9つの軌道!

 天から舞い降ちてくる次元転移ミサイルめがけて飛んでいく。

 

 皆さん既にご存じの通り、10年後のクロトは第二の門の騎士になっている。

 そう、騎士は王に次ぐ偉い身分なのである。

 当然に、下につく者たちを従わせるために、その能力は文武両道!

 

 だからこそ! このクロトの斬撃は宙を切ったのである!

 

 スカっ!

 スカっ!

 スカっ!

 スカっ!スカっ!スカっ!スカっ!スカっ!スカっ!

 9つも斬撃を放ったにもかかわらず、一つもミサイルにあたりゃしないwww

 

 ――あれ……?

 

 

 クロトの脳内でシュミレートされた天翔九頭閃あまかけるクズのひらめきは百発百中だった。

 その打ち出す角度、斬撃の軌道……どれも問題ないはずだった。

 だが、それでも当たらない! 

 ブン! ブン! ブン!

 スカっ! スカっ! スカっ!

 

 ついに頭にきたクロト君。

「くそおおおおおおお! あたれぇぇぇぇぇぇぇ!」

 かつてタケシがやっていたようにライトセーバーをがむしゃらに振り回し始めた。

 ブン! ブン! ブン!

 スカっ! スカっ! スカっ! 

 というか、ここまでやって一つも当たらないとは……逆にある意味、凄い才能であるwwww

 

 まぁ、彼の場合、仕方ない……

 だって、クロトは騎士になるとはいえ、文武の武には全く才能がないのだ。

 そう、道具オタクである彼は、タカト同様に喧嘩というものに勝ったことがない。

 というか、タカトと違って喧嘩なんか吹っ掛けないのである。

 とはいっても、喧嘩以外のスポーツだってダメダメなのだ。

 要は根っからの道具オタク! インドア派なのである。

 そんな彼が、いくら脳内でシュミレーションしようが、体の動きがついていかないのは当然であった。

 だが、クロトは文武の文には優れている。おそらく、8人いる騎士の中ではトップクラスだろう。

 だからこそ、この文の部分を買われて騎士に抜擢されたのである。

 そして!今! そんな非凡なる文の部分の才能がズレた軌道を瞬時に再計算したのだ!

 ――コンマ2秒、動きが遅い! ならばその分、先に動かせば、必ず!当たる!

 再計算を終えたクロトは落ちてくる次元転移ミサイルに再びにらみを利かした。

 

 

 

第655話 天翔九頭閃《あまかけるクズのひらめき》!より

令和6年12月6日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

エースコック

GABA配合 
「賢者の蕎麦 肉ラー油味」

 

だぁぁぁぁぁぁ!

 

早速! いただきます!

 

なになにストレス社会で闘う大人の選択だと⁉

ということは、このGABAというのがストレスに効くというのだな。

 

というか、GABAって何?

ギャバンの仲間? って古すぎて誰もわからんわ!

 

ということで、グーグル先生!
 

γ-アミノ酪酸 (GABA、ギャバ) は神経伝達物質として生体内(脳)に多く存在する一方、食品(野菜、果物、発酵食品など)にも多く含まれます。食事由来のGABAは脳機能に影響を与え、不安低減や睡眠の質向上など有益な効果を有し、サプリメントや機能性食品として現在広く利用されています。(京都府立大学HPより)

 

だそうだ。

ちなみに、睡眠を誘う効果もあるようだ。

 

そういわれれば……

なにか、眠たくなってきたような気が……

 

もしかして、これはGABAのせい?

そうGABAのせいなのです!

決してさぼりなのではありません!

ああ!私の副交感神経が活性化していく!

もうダメだ!

もう仕事ができない!

 

と言ってみても、誰も相手にしてくれません……

 

ということで、今日は「ギャバン」つながりのお話を。

 

kakuyomu.jp

 

 シーンと静まり返る手術室。

 周りにいる研究員たちは、デスラーの怒りに巻き込まれないように、そっと後ずさり四方の壁に背中をピタリとつけていた。

 そんな中、ケラケラと馬鹿にしたように笑う鰐川わにがわを、デスラーが顔を真っ赤にしながら睨みつけているではないか。

 その表情の怖い事www怖い事www

 その他モブの研究員たちは、もう、生きた心地がしない……

 というのも、先ほどから真顔のデスラーの頬のお肉がピクピクと小刻みに痙攣しているのだ。

 どうも、そのせいで発音が上手にできないようでwwww

「わ!鰐川わにがわ! き!貴様! こ!この私を侮辱するというのか!」

 ――まずい!

 やっとのことで、このまずい状況に気づいた鰐川わにがわヒロシ。

 手術台の上に立っているタケシに慌てて声をかけた。

「タケシ君! ここから逃げよう!」

 タケシは突然の提案に戸惑った。

「え! 逃げるって! どこに!」

 だが、手術台の上にいては何もできない。

 ということで、タケシは大儀そうに、手をつき手術台の上から降りたのだが、そこにはやはり黒ナマコ怪人の亡骸が……

 ――汚ねぇ!

 と、ついつい……いつもの癖で、手についた黒ナマコ怪人の残骸をケツにこすりつけ拭き始めていた。

 そんなタケシの手首をヒロシはギュッとつかむと、一目散に手術室のドアに向かって走り始めた。

「いいから! タケシ君、ここから出るんだ! そうじゃないと君はツョッカーの一員にされてしまうぞ!」

 

 そんな二人を止めるかのようにデスラーが大きな声をかけた。

「待て! 本郷田ほんごうだタケシ! ツョッカーの一員になれば時給で大銅貨3枚(300円)支給するぞ!」

「なんだと!」

 その言葉を聞いた瞬間、タケシはヒロシに引かれる手を無理やり引き戻し足を止めてしまった。

 時給が大銅貨3枚(300円)……それはなんと甘美な響きであろうか。

 大銅貨3枚(300円)もあれば、安売りスーパーで5パック入りの袋麺が一つ買えてしまう。

 これで、食うことには困らない……

 そう……飢えて死ぬことはないのだ……

 考えてみると……

 立花ハイクショップでいくらアルバイトをしたところで、時給大銅貨1枚(100円)なのである。

 一日10時間休まずに働いたとして、銀貨1枚(1千円)

 休みなしの一か月30日分に換算したところで、大銀貨3枚(3万円)にしかならないのだ。

 当たり前である……

 当たり前であるが……これでは食っていけない。

 それどころか、家賃すら払えない……

 そのため、タケシはハイクショップからくすねたダンボールで作ったダンボールハウスに住んでいたのである。

 だが……時給大銅貨3枚(300円)、それだけあれば月給換算で大銀貨9枚(9万円)にはなるはずなのだ。

 コレだけあれば、まともな部屋に住むことができる。

 住所さえあれば履歴書だって書けるのだ。

 そうすれば、もっといい仕事に就くことだってできるかもしれない。

 しかも! しかもである!

 ツョッカー病院がいくらブラック企業といても企業! いわゆる法人なのである!

 ――ならば、福利厚生がしっかりしているかもしれないではないか!

 そう、法人である以上、最低でも社会保険が完備されているはずなのだ。

 というのも、法人というものは、設立した瞬間から否が応でも社会保険の加入義務があるのである。

 ならば、もう病院に通っても全額自己負担という悪夢を見ることはないのだ。

 ――アリではないか! ツョッカー病院!

 

 だが、そんなタケシの想いを感じ取ったのか、ヒロシが強く手を引き諫めるのだ。

「タケシ君! だまされてはいけない! これは罠だ!」

「罠だと!」

 驚いたタケシは勢いよくヒロシのほうへと振り向いた。

 そこにはヒロシが悲しそうに首を振っていた。

「時給と言っても……それは雇用契約ではなく請負契約なのだ……」

「な・ん・だ・と!」

 再び驚くタケシ!

 

 言わずもがな、雇用契約とは従業員として働くことを意味する。分かりやすく言えばサラリーマンさんのことである。このサラリーマンさんは労働時間に応じて給料が支払われる契約になっているのだ。

 これに対して請負契約とは、労働時間ではなく一つの仕事の成果に対して、いくらという形で働くのである。俗に言う一人親方さんや個人事業主がこの形に該当する。

 すなわち、労働者であれば社会保険、労働保険は強制加入であるが、一人親方となれば、それは会社とは赤の他人さん! 社会保険や労働保険の加入義務など全くないのである。

 しかも! 一人親方さんへの支払いは、消費税上の経費としてカウントされるが、従業員への支払いは給与としてノーカウントなのである。

 こういった事情から、ブラックの会社では会社に在籍している従業員を、なんちゃっての一人親方さんとして働かせていたのだ。

 そう、これによって社会保険料の負担もなく、その上、消費税もお安くなるという超絶お得な計算だったのである。

 

 だが、世の中、そんなに甘くない!

 社会保険事務所がOKといっても、税務署が黙っていないのである。

 というのも、この一人親方と従業員の区別は消費税の計算において税務調査のトラブルになるところなのだ。

 

 だが、それも過去の話……

 

 いまや、あくどい政治家アルダインによってインボイス制度なるものが導入されたのであった。

 もう、その対象が一人親方であるか従業員であるかなど、税務署にいちいち説明する必要はないのである。

 要はその対象がインボイスをもっているのか! もっていないのかだけになったのである!

 支払い対象がインボイスを持っていなければ、会社は自己の計算においてその支払いが消費税上の経費にならないため、その金額の消費税相当額を会社が代わりに税務署へ消費税として納めないといけないのである。

 一見、会社にとっては損になるように見える。

 見えるのだが、ブラック企業の論法は少し違うのだ。

 インボイスがないことによって自分が負担しなければいけない金額を、一人親方に押し付けるのである。

 分かりやすく言えば、一人親方さんへの支払い金額から、その消費税分を控除するのである。

 こうすれば、ブラック企業は金銭的に何も痛くないのだ。

 しかも、ツョッカー病院は消費税を控除するついでに他のものまで控除している。

 そう、さきほどデスラーが提示した時給単価から下記のモノがひかれているのだ。

 消費税……銅貨3枚

 組合費……銅貨1枚

 安全教育費……銅貨5枚

 慰安旅行積立金……銅貨3枚

 食堂使用料……銅貨5枚

 デスラー副院長への貢ぎ物……大銅貨2枚

 これらを計算すると……

 時給、大銅貨3枚(300円)だったものが、時給 銅貨7枚(70円)のマイナスになるのだ。

 マイナス! 

 マイナスである!

 そう、働けば働くほどマイナス、いわゆる借金が増えるという悪循環。

 しかも、社会保険も労働保険もないのである……まさに超絶ブラック!

 この罠にはまった鰐川わにがわヒロシだからこそ、デスラーの甘い誘惑の真意に気づいたのである。

 

 

 しかし、ブラック会社にとって奴隷は産業資源である。

 使い捨てと言えども、新たな資源を投入しないと会社は動かないのである。

 そんな成長エネルギーの吸収を邪魔されたとあって、デスラー副院長の怒りはマックスになっていた。

鰐川わにがわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 部屋中に響くデスラーの怒声!

 あまりの恐怖に、壁に並ぶモブの研究員たちは「イッィィィ!」と反射的に背筋を伸ばし手をまっすぐに上げている。

鰐川わにがわ! 先ほどから邪魔ばかりしおってからに! 覚悟はできているんだろうな!」

 

 

 鰐川わにがわヒロシは、そのデスラーの様子に生きた心地がしなかった。

 というのも、ここまで顔を真っ赤にしているデスラーを見たことがなかったのだ。

 ――やばい!

 ということで、鰐川わにがわはタケシの手を取って手術室のドアへと走り出す。

 ――早く逃げないと!

 だが、タケシは黒ナマコ怪人がついた手で鼻くそをほじっている。

「ウ〇コにウ〇コがついちゃった場合、ウ〇コの存在価値は二乗の関係になったといえるのだろうか?」

 まさに哲学!

 だが、そんな哲学も小学生並みの知能しかないタケシには解くことができなかった。

「そんな事より! 早く! タケシ君! 逃げるんだ!」

 

 

 だが、それよりも早くデスラーの号令が飛ぶ!

鰐川わにがわを逃がすな!」

 号令一下、研究員たちがすぐさま出口の前に壁を作った。

 

 行く手を阻まれた鰐川わにがわとタケシ……

 徐々に徐々にと迫ってくる研究員たちに、二人は少しずつ後ずさる。

 

 そんな様子を楽しそうに見るデスラーの表情からは、すでに怒りの色が消えていた。

鰐川わにがわ君! 君にも私自ら融合加工手術を施してやろう! どんな融合加工がいいだろうなwwww鰐川わにがわ君も楽しみだろうwwww」

 

 それを聞く鰐川わにがわは泣き叫びながらデスラーを睨む。

「それだけは嫌だ! 私は!私はあなたのもとにタケシ君を連れてきたではないか! それなのに……なぜ!」

 なぜって……あんた……マジで分かってないの?

 だから空気が読めない奴は困るんだよ……

 デスラーはバカにするかのように半笑いを浮かべ鰐川わにがわを見下した。

「ウァハハハアハ! 鰐川わにがわヒロシ! 貴様が言ったではないか! 本郷田ほんごうだタケシの融合加工手術は失敗したと。ならば、そんな失敗体になんの価値があろうかwwww」

 それを聞くタケシはカチンと頭にきた。

 だって、自分のことを失敗体と言い切ったのである。

 ああ!なんと腹立たしいことだろうか!

 そのため、ついつい腹に力が入ってしまったのだ。

 そして……お尻からプゥ~

 キュィィィィィン!

 再びタケコプターが高速で回転する!

 三度、タケシの体に蓄えられるプゥ~・ア! エネルギー!

 そして当然に!

 『了解!コンバットスーツ、電送シマス!』

 と、タケコプターのコンピュータが言うのかどうか知らないが、タケシのケツへとコンバットスーツを電送装着するのである!

 その間! 僅か0.05秒!

「蒸・着!」

 そう! 本郷田ほんごうだタケシがケツのコンバットスーツを蒸着するタイムは僅か0.05秒にすぎないのである!

 って! 宇宙刑事ギャバンかよwww

 だが、そのケツのコンバットスーツをまとうことによって、小学生並みのタケシの知能指数が若干、というか、ほんのわずかに上昇していたのである。

 そして! その宇宙刑事も驚くそのスーパー頭脳が、だれも気づいていない一つの事実を導き出したのだ!

 

 

 その事実とは!

 

――俺の存在……要らなくね?

 

 

 第634話 本郷田タケシ改造計画(3) より

令和6年12月5日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

日清のどん兵衛 特盛

柚子こしょうで食べる

「旨だし塩もっちもち焼うどん」

ピリッと爽やか特製柚子こしょうペースト付き

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
カクヨムコンが始まって1週間!
で、参加している私の二作品。
何と6と11!
凄いだろ!
 
ちなみに、コレ……順位ではございません……
フォローやイイネの数でもございません……
閲覧数……
今までに読んでもらった総数……なわけでございます。
何を隠そう! 二つ合わせて17回しか読まれていないのでございます!
1週間もたっているのにもかかわらず!
そう考えると、この数字、ある意味マジですごいだろwwww
 
ちなみに今回のカクヨムコン参加作品はコチラ
 
 
ということで、今日は、その中から「プロローグ」部分を!
 

第1話 プロローグ