令和6年4月23日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

サンヨー食品 
サッポロ一番 オタフクお好みソース味焼そば」
香ばし濃厚うまあまソース

ソース量10%増!濃厚さUP!

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
おお、なんか麺がモチモチしている。
 
いわずもがな、各メーカーそれぞれ、麺の製法が違います。
しかも、同じメーカーであっても、商品ごとに麺の形や弾力も違うわけです。
そのため、当然、食べる者の好みとしては当たりはずれというものが出てきます。
 
このモチモチ麺……
人によっては当たり!というかもしれませんが、私にとってはなんか違うような気が……しないでもないようなモヤモヤ感。
 
というのも、いつも思うのですが、カップ麺のメーカーは本物のラーメンや焼きそばを目指しすぎているような気がするんですよね。
でも、消費者、いや、私個人としては、カップ麺に本物と同じような味や食感を求めているわけではありません。
いうなれば、カップ麺と店で食べるラーメンや焼きそばとは、完全なる別物。
だからこそ、消費者はカップ麺を無性に食べたいと思う時があるのではないでしょうか。
 
私は常々思います。
ならば! もはやカップラーメンは別ジャンルの食べ物ではないかと。
本物に寄せるのではなく、この味、このソースにして一番合う麺を独自に追求するというのでいいのではないでしょうか。
え?
その追及の結果が、この形……
うん♪ 悪くないと思いますよwwwたぶんwww
 
ということで、今日は「モヤモヤ」つながりのお話を。
 
 

 夜更けの工房内でタカトは懸命に作業をしていた。

 

 というのも、タカトには時間がないのである。

 朝から夕方までは、権蔵に命令された道具作り。

 夕方からはアイナちゃんと歌のけいこ。

 そして、夜から明け方までは、工房内の素材を使って融合加工の道具作りに精を出しているのだ。

 

 しかし、タカトが作っている道具は、いつものエロ道具ではない。

 たしかに当初、ここにある素材で覗き道具を作ろうと思っていたのは事実である。

 だが、コンサートに向けて頑張るアイナと約束してしまったのだ。

 

「アイナちゃん! 俺が君のコンサートをもの凄いものにしてやる!」

 

 アイナたちの前で啖呵を切るタカトに驚きの視線を向けるビン子。

「ちょっと! タカト何言っているのよ! ただでさえコンサートをするだけでも大変なのに!」

 

「ビンこぉぉぉぉ! プロぢゅーさタカト様とよばんかぁぁぁあぃ!」

 

 アイナもまた、驚きタカトに尋ねた。

「プロデューサータカトさん、一体どうするの?」

 

 フフフフフ

 タカトの含み笑いがだんだんと大きくなっていく。

 

「ワハハハハッハハアハ! この俺がコンサートを壮大な音と光のスペクタクルショーに仕上げて見せる!」

 

 ビン子が飽きれた。

「バカデューサー……考えてみなさいよ! ここがどこだかを! ここは駐屯地よ……そんな設備なんて何もないわよ」

 

「俺は馬鹿ではない! カバだぁぁぁぁっぁ!」

 

「はぁ?」

 さらにあきれるビン子ちゃん。

 

 タカトはこぶしを握り締めて力を籠める。

「俺は、逆立ちするカバだぁぁぁぁ!」

 

「だから! 逆立ちしたカバをバカっていうんじゃない!」

 ビン子は叫んだ!

 

 ふっ!

 そんなビン子の突っ込みをタカトは鼻であしらった。

「馬鹿はお前だ! ビン子! 逆立ちすることによって俺の脳内選択肢が武道館コンサートを全力でカバーしはじめるのだ!」

 

「意味が分からん!」

 

「なぜにお前は、俺の駐屯地ラブコメを全力で邪魔しようとするのだ!」

「どこぞで聞き覚えのある作品をパクってくるな!」

 

「フン! パクるのではない! 作り出すのだ!」

「はい?」

 

「ないのなら、作ればいい! 俺が、コンサートを盛り上げるための道具という道具をすべて作り出す!」

「……タカト……もしかして、一から全部?」

 

「当たり前じゃい! この天才ショコラティエ様をなめるなヨ!」

 

 そんな寝る時間すらないタカト。

 駐屯地内にあてがわれた寝室に戻ることもなく、工房内の椅子で仮眠をとっているのである。

 

 そんなタカトにそっと毛布を掛けるビン子。

「お疲れ様……」

 ムニュムミュ……

 眠りこけるタカトの口からよだれが垂れていた。

 

 翌朝の工房内で権蔵から言われた道具を作るタカト。

 ほぼ昨日と同じ光景である。

 だが、ここ数日の徹夜によってタカトの目の下にはうっすらとクマができていた。

 まぁ、ほとんど寝ていないから仕方ない。

 

 そんなタカトを気遣ってビン子が懸命に手伝う。

 さすがタカトとともに長年暮らしてきただけあって、タカトが欲しがるものの先が読めていた。

 タカトが欲する声を出す前に、タカトの前に目的の素材が並ぶ。

 

 まさに阿吽の呼吸。

 そんな二人の空間に、出会ったばかりのアイナが入り込むすきはなかった。

 

 二人の作業を黙って見つめるアイナは唇をかみしめる。

 なんだかさっきから胸がモヤモヤする……

 コレは何?

 

 いつしかタカトの背後で立ち尽くすアイナは服の裾を握りしめていた。

 

 そんな様子をちらりと見た権蔵がアイナに声をかけた。

「アイナちゃんとか言ったな……ちょっと、ワシの方を手伝ってくれんかの……」

 

 突然のその言葉にアイナは驚いたが、元気よく権蔵へと振り向いた。

「ハイ!」

 夕刻の工房内。

 権蔵は手を真っ黒にして手伝うアイナを気遣った。

「アイナちゃん、助かったわい!」

 

 だが、権蔵の心は静かに問うた。

 ――……この娘は第三世代。村全滅の秘密を知るもの……果たして信用できるものか……

 

 権蔵は悟られぬように笑顔を作る。

「疲れたじゃろ?」

 

 そんなアイナは権蔵の気持ちを知ってか知らずか笑顔で答える。

「これぐらい全然大丈夫です! だって、私、第三世代ですもの!」

 

 そんなアイナを見る権蔵。

 ここ数日のアイナの様子では怪しい気配は全く感じられない。

 それどころかタカトやビン子たちと楽しく話す様子を見ていれば、ただの友達としか思えないのだ。

 家に孫が友達を連れてきた。

 それをほほえましく見つめる自分……権蔵は、そんな心境ですらあった。

 

 ――だが……もしかしたら、この娘が駐屯地も襲うかもしれん……そうなれば、被害はいかほどのものか……

 権蔵は改めてアイナを警戒する。

 

 だが、権蔵の警戒は突然緩んでしまった。

 というのも、権蔵は見てしまったのである。

 アイナの目からこぼれる一筋の涙を。

 

 あわてて声をかける権蔵。

「どうしたんじゃ? 目にゴミでも入ったか? 工房内はホコリが多いからの」

 

「違うんです……タカトさんたち以外に話しかけられるなって、久しぶりだから、なんかうれしくて」

 

 というのも、アイナがこの駐屯地に来て以来、初めて駐屯地内の人から話しかけられたのである。

 

 村の全滅。

 その真相を聞き出そうと質問を受けたことはある。

 だがそこには、温かい言葉など一つもありはしない。

 淡々と問い詰めらる尋問。

 犯罪者、容疑者、極悪人……いや、魔物でも見るかのような冷たい視線が、常にアイナたちを取り囲んでいたのだ。

 

 それは尋問が終わった後も続いた。

 疑惑の渦中にいるアイナたちに話しかける者など、この駐屯地には誰一人としていなかったのである。

 

 それが今、権蔵が語り掛けているのだ。

 落ち着いた優しい声で。

 こんな温かい言葉を聞いたのは、タカトたち以外ではいつ以来の事だろう……

 

 いつしかアイナの目からは涙が自然にこぼれ落ちていたのだ。

 

 権蔵はため息をつく。

 ――はぁ……この子はタカトの友達じゃからの……

 

 ならば!

 何かを決意した権蔵はパンと自分の膝を叩いた。

 

 第566話 お疲れ様…… より