令和6年3月8日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

明星 

チャルメラ 青森スタミナ源たれ にんにく醤油まぜそば

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!

 

暖かくなったり、寒くなったり……

ほんと三寒四温

季節の変わり目ですね。

しかも、花粉は飛びまくるは、子供は叫びまくるは大変です。

 

ついに一番下の子も来月からは小学一年生。

ランドセルを背負って登校です。

起きてこない子を見ると大丈夫なんかいなと、少々不安になりますが、まぁ、なんとかなるでしょうwwww

 

ということは……焼き肉キングで幼児無料が適用できるのは今月までということか。

これからは高くつくなwwww

 

ということで、今日は「キング」つながりのお話を

 

kakuyomu.jp

 

 何か紙のようなモノがはみ出ていたのだ。

 ――なんだこれ?

 それをつまみだそうとした瞬間、オッサンが怒鳴り声を上げてタカトの手からシースーを奪い取った。

「小僧! これに触るな! 今見たものは絶対に内緒だぞ!」

 って、まぁ、その紙の全貌を見ることはできなかったのですが……

 でも、ちらりと見えたのは幼女のM字に曲がった素足と裸の半身……もしそれが想像通りのモノなら、さすがにそれは犯罪だろ!

 俺なんてアイナチャンの健全な写真集を見てんだぞ!

「エビフリャイ! 最高ぉぉぉぉ!」

 それなのにこいつらときたら……犯罪者か! 今は単純所持だって捕まるご時世!

 絶対にあのNHKが黙っていない!

 奴らに見つかりでもしたら……ワンワンの着ぐるみを着せられて……365日24時間、常にかつ丼を作らされているところを撮影され続けるのだ。

 暑い! 熱い アツすぎるぅぅぅう!

 やかましい! このチンコロ! 黙って働きやがれ!

 お前たちのような変態は、この世で一番の害悪なのだァぁぁぁ!

 だがしかし! 喜べ!

 かつ丼を作るたびにお前たちの心が浄化されていくのだ!

 さぁ! 叫べ! ロリコンどもよ! 

 今のお前たちが求めるモノを!

 心の赴くままに叫ぶのだァぁぁぁぁ!

 「「「かつドン! 最高ぉぉぉぉ!」」」

 かくして、ロリコンどもは隠れキリシタンのように地下で活動を続けることを余儀なくされたのである。

 ちなみに作者も隠れキリシタン…………の家系とは全く関係ございません!

 あっ! そうそう!

 分かってると思うけど、NHKは某放送局の事ではなくてノー・エッチ・カツドんのことだからね!

 

 というか、源さんの人気って……もしかしたら、このご禁制の紙のせいなのか?

 いつの世の中もランキングに乗り続けるために不正に手を染める……まるでどこぞのweb小説界隈のようである。

 そんなタカトは一瞬、源さんのことを疑った。

 だが、ビン子は素直に源さんの事を創作アート料理界のレジェンドとして慕っている。

 この事をビン子に伝えるべきか……伝えざるべきか……

 どうする……タカト……どうする……

 ――まぁ、別にどうでもいいや!

 そう、今のタカトにとって大切なのはロリロリの写真よりもアイナちゃんの写真なのだ!

 ――アイナちゃぁん~待っててねぇ~

 だが、タカトよ! 安心しろ! 急がなくともお前の目指すアイナちゃんの写真集「狆ころと酢豆腐」は1万本もあるのだ! 絶対に当たるって!

 

 まぁ、このような屋台以外にもいろいろなイベントが用意されていた。

 例えば、運動場ほどもある広い会場の奥に設置された一つのステージの上では、一番の人気イベント、アイスダンスショーが繰り広げられる!

 夏なのにアイスダンス

 まぁ、夏だからアイスダンスなのだ!

 

 そんなステージの上では司会者が声を張り上げていた。

「イケメンアイドル! セレスティーノですッ!」

 待ってましたとばかりにステージの前に群れを成す観衆から黄色い歓声が巻き起こった。

 きゃぁぁぁぁっぁあ♥

 セレスティーノさまぁ♥

 どうやら、このアイスダンスショーの司会は第八の騎士セレスティーノが行うようである。

 というか、コイツ……いろんなところにマメに顔を出すよなwww

 まぁ、もてる秘訣はこういうマメさなのである。

 もてない童貞タカト君はよく見習うように!

 ……って、当のタカト君、アイスダンスショーには全く興味が無いようで、福引の会場をキョロキョロと探していたのだった。

 なので……そんな彼の目にはイケメンアイドル!セレスティーノの姿などアウトオブ眼中!

 

「元気ですかぁァァァァ!」

 セレスティーノが大きな声を上げると、歓声もまた負けまいと大きな声を張り上げる。

「「「でんきですぅぅぅぅ!」」」

「電気があれば何でもできる! レディースあんどジェントルマン! お待たせしました!」

「「「おおおおおお!」」」

 

「さぁ恒例のアイスダンスショー決勝戦! 行くぞぉぉぉぉぉ!」

「「「おおおおおお!」」」

 

「1! 2! 3!」

「「「ダーぁぁぁぁぁッ!!!!!」」」

 

「前回チャンピオンの登場だぁぁぁぁぁッ!!!!!」

「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!」」」

 どこからともなく聞きなれた入場曲が流れてくる。

 

「そのにらみは子供の金玉をも縮こます! 孤高のソリストにして無敗の女帝! ホテルニューヨークお登勢とうじょうッ!」

 ♪OtoseオトセBom-Ba-Yeボン-バ-イエ

 ♪OtoseオトセBom-Ba-Yeボン-バ-イエ

 ♪OtoseオトセBom-Ba-Yeボン-バ-イエ

 ♪OtoseオトセBom-Ba-Yeボン-バ-イエ

 ♪fightファイッ!!♪フンフン♪fightファイッ!!♪フンフン♪

 ♪fightファイッ!!♪フンフン♪fightファイッ!!♪フンフン♪

 ちゃぁ~ ちゃぁらぁ~ ちゃら~ チャラぁ~♪

 ちゃぁ~ ちゃぁらぁ~ ちゃら~ チャラぁ~♪

 ステージ脇から右手を突き上げたお登勢が堂々とステージに飛び上がった。

 しかも、首にタオルをかけて。

 ヨシモトぉぉぉぉ!

 って、なんで吉本? 普通、ここは「猪木ぃぃぃぃい!」だろうが!

 

 だって……首に巻いているの……タオルじゃないもん!

 そう、あれは裸の上半身から垂れ落ちているしなびた乳だったのだぁぁぁぁ!

 って、新喜劇の桑原和男さんですか……

 カズオぉぉぉぉ!

 

「続いて挑戦者の登場だぁぁぁぁ! 予選から連戦連勝! そのすべてを秒で勝ち上った猛者! まさにその姿は新劇の青い巨人!」

 再びステージの上のセレスティーノがひときわ大きな声でシャウトをかましながらステージの左側を指し示した。

 またまたどこからともなく聞きなれた音楽が流れてきたではないか。

 

 ♪こんなこといいなぁ~ できたらいいなぁ~♪

 ♪あんな夢! こんな夢 いっぱいあるけどぉ~♪

 ♪みんな! みんな! みんな! かなえてみせる~♪

 ♪不思議なユッケで かなえてくれるぅ~♪

 ♪チ●コを自由に食べたいなぁ♪

 ♪「ハイ! ビックリマンチ●コぉ~」♪

 ♪あん♡あん♡あん♡ とっても大好きぃ~ミルクぅチ●コ~♪

 

 ちなみに、●に何を入れるかはアナタの感性次第!

 作者は決して卑猥なことをかいているわけではないぞ!

 その証拠に最後のフレーズのゴロが合わないだろうがwww

 だ・か・ら! くれぐれも勘違いしないように!

 というか、そもそもこれは新劇ではなくて旧劇バージョンや!

 もう! セレスティーノの旦那はそんなことも知らんのか!

 まぁ、セレスティーノはお子様向けの仮面ダレダーを見ているビン子やタカト達と違ってアニメオタクではないのだ。

 そう大人の男! 一皮むけた大人の男なのだ! って、まだ皮は残っていますけどね……火性チ●コだけにチョコっとねwww

 だからまぁ、知らなくて当然!

 でも、確かに……もうこの曲を知っている時点で逆にオッサンであることが確定なのである……

 

 だが、まだオッサン セレスティーノのシャウトは続いていた。

 そう、まだ彼女の名乗りが終わっていなかったのだ!

「ホストがよいの金目当て‼ チ●コクリーム大好き女! ヨシ子=ザブットキャップ! とうじょうッ!」

 観客たちの大きな声援にこたえるかのように、ステージのわきから小太りの女がゆっくりと上ってきた。

 うん? ザブットキャップ? どこかで聞いたことがあるような……

 もしかして、この女、ギリー隊長の別れた元嫁か!

 そして、最後にセレスティーノはかっこよくポーズを決めながら正面に振りかえると

「このアイスダンスショーは悪徳商会ルイデキワ家の提供でお送りいたします!」

 キラッ!

 と、定番のコマーシャルを流した。

 
 

令和6年3月7日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

東洋水産
マルちゃん
「ごつ盛り ソース焼きそば
麺130g大盛
キュピーからしマヨネーズ入り

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
やっとドラクエウォークでバルザックビーストのSがでたぁぁぁぁ!
何度目の挑戦?
26回目にしてやっとwwww
 
バルザックは耐久が高いからラーメン食いながらバトルすのって大変なのよwwwマジでwww
これからはゆっくりとラーメンが食べられるwww
 
ということで、今日は「ウォーク」つながりのお話を!
 

kakuyomu.jp

 

 ――あんな女の代わりなんてまた探せばいい!

 森の中を懸命に走るベッツ。

 ――何とか街まで!

 そう、森を抜けて街まで出れば守備隊が必ず駆けつけてくれるはずなのだ。

 そして、魔物の一匹ぐらい簡単に処分してくれる。

 ――だいたい、俺は神民なんだ。

 この世界において、騎士の特殊な力の源になる神民の命は、まず真っ先に優先されてしかるべきなのである。

 

 

 そんなベッツの横で一人の少年が悲鳴を上げた。

 そしてまた一人……

 また一人……

 その悲鳴は、ベッツに向かって確実に近づいてくる。

 ――ヤバイ! ヤバイ ヤバイ!

 

 ついに、ベッツを含めた何人かが明るい道へと飛び出した。

 よほどうれしかったのか、ともに駆けだした少女の目頭が光の中で輝いていた。

 しかし、少女は喜びの涙を残しながら倒れこんでいく。

 むき出しとなった背中の白いやわ肌が赤くただれて流れ落ち、中から白い別物べつものを浮うかび上がらせていた。

 どうやら逃走劇の終幕とともに、少女の人生の幕も降りたようである。

 いまや、うつ伏せに倒れる少女の下には赤い血だまりが広がっていた。

 

 そんな騒動に、道行く人たちが何事かと立ち止まってベッツたちを興味深げに見ていた。

 朝を迎えて閉店したはずの飲み屋や風俗店からも眠そうな目をこすりながら女たちが顔を覗かせる。

 道の真ん中で赤い花を咲かせて倒れている裸の少女は、野次馬たちの興味を誘うには十分であった。

 

 「ベッツさん……何があったんですかい?」

 街の大人たちは、仕方なさそうにベッツに声をかけた。

 あとでベッツのおやじに告げ口でもされたらたまったものではないのだ。

 涙を浮かべるベッツは叫び声をあげている。

 「魔物が出たんだよ! 魔物が! はひゃく守備隊を呼んでこいよ」

 だが、ぶるぶると震える声では何をいっているのかいまいちよく分からない。

 

 そんなベッツの横で同様に震えていた少年が突然、悲鳴を上げた。

「ベッツ! たすけてくれぇぇぇえ!」

 森の茂みから伸びた一本の白い糸が少年の足を巻き取っていたのだ。

 

 白い糸は、そんな少年を森の中へと引きずり込もうと一気に緊張する。

 叫び声をあげ激しく抵抗する少年。

 地面をつかもうとした指からは次々と爪が剥がれ落ち、道の上に数本の赤い線を伸ばしていった。

 ベッツは咄嗟に這いつくばってその少年の手をつかもうとする。

 だが、少年の体はとたんにその速度を上げたのだ。

 ついに茂みの中へと引きずり込まれた少年は、ひときわ大きな叫び声をあげると、急に静かになった。

 

 その様子を唖然と見ていた、いや、見ることしかできなかった街の住人達。

 だが、はっと我に返ると悲鳴を上げて我先にと逃げ出しはじめた。

 

 そんな少年が引きずり込まれた茂みがしだいに大きくゆれ始めた。

 腰が抜けたベッツは、もう後ずさることもできずに、ただただその茂みを凝視するだけ。

 

 「コケ・コーラー!」

 不気味な鳴き声が逃げ惑う人びとを、さらにキンキンに凍りつかせた。

 

 ごくっ! ごくっ! 夏はやっぱり! コケ・コーラー!

 

 そんなCMに出てきそうな細い足が揺れる茂みの中からゆっくりと伸びてきた。

 それは惚れ惚れするような白く美しいつま先。

 まるでファッションモデルがキャットウォーク上でポーズを決めるかのように、そんなつま先が道の上にちょこんと立てられたのだ。

 

 ゴクリ……

 見つめる瞳は、生唾を飲み込んだ。

 
 第20話 黒の魔装騎兵と赤の魔装騎兵(4) より
 

令和6年3月6日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

エースコック
「タラタラしてんじゃね~よ カレー味焼そば」
辛口スパイシー

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
このシリーズもこれで打ち止め!
ついに私のストックボックスから姿を消した!
初めてのラーメンは、物珍しさでスグに手が伸びるのだが、一度食べて、う~んとなったものは、どうしても次の手が伸びない。
そのため、自分が好きなカップラーメンばかり消費してしまい、イマイチのラーメンが残ってしまうのだ。
だが! ついに食べ切ったぞ!
 
って、まだ、見ないようにしているラーメンがいくつも残っておりますがなwww
 
ということで、今日は「ボックス」つながりのお話を
 

kakuyomu.jp

 

 夜が更けたゴミ捨て場に座り込んだタカトは、この『巨大なチ〇コ』を魔改造しはじめた。

 それは……カリアが奴隷兵として戦うことができる武器として……

 カリアの命を救う最後の切り札として……

 そして、次第に夜が明けていく……

 

 朝日が眩しいのか目をこすり伸びをするカリアがタカトにゆっくりと近づいてきた。

 そんなカリアにタカトは言った。

「これは、カリアちゃんを守る武器。カリアちゃんだけが使えるようにカリアちゃん専用の固有融合してあるんだ」

 その言葉に驚くカリア。

 というのも人から物をもらうなどといったことは初めてなのである。

 まあ、初めてのプレゼントが巨大なチ〇コというのは悪夢でしかないと思うのだが……当のカリアは目にいっぱいの涙をためてタカトの手を取っていた。

「あ! ありがとう! 私、人からプレゼントをもらうの初めてなんだ!」

 しかし、当のタカトの顔は渋いまま……

「しかも、この棍棒は2段の開血解放の仕組みを取り入れている……1段目の開血解放は一滴の血液で棍棒の硬度100倍……おそらく、少々のことでは折れたりしないはずだ」

 

 それを聞くビン子も驚いていた。

 というのも目の前のチ〇コをタカトは棍棒と呼んだ。

 ということは、タカトはこの武器に自ら融合加工の技術を施したことになるのである。

 ――あれだけ……戦いのために融合加工の技術は使いたくないと言っていたのに……

 だが、タカトの何かを押し殺したような表情を見ると、それを尋ねる勇気など持てやしなかった。

 ――おそらく……タカトは……タカトは……自分なりに悩んで……悩んで……

 そう思うビン子の眼がしらも自然と熱くなっていた。

 

 うつむくタカトはこぶしを握り締め押し殺すように言葉をつづけた。

「だけど……2段目の開血解放はカリアちゃんの命に危険が及んだ時にだけ使ってほしい……いや、それ以外に使っちゃ絶対にダメだ……これはカリアちゃんの命を奪うかもしれない……一度きりの技……」

 さらに一呼吸を置くと、意を決したかのように言葉を押し出した。

「だから……カリアちゃんが危険から逃げるためだけに使ってくれ……決して、戦いのために使っちゃだめだ……それだけ……それだけは……絶対に約束してくれ……」

 そのただならぬタカトの様子にカリアは戸惑った。

 なにか自分がタカトを追い込んだように思えたのである。

 しかし、タカトが懸命に笑い顔を作りながら地面に転がる棍棒へと促すのである。

 ――これは、きっと……タカト君の思い……

 そんな思いのこもった棍棒の柄に手を伸ばし持ち上げようとするカリア。

 ――重い!

 そうwwwタカトは忘れていたのだ、その棍棒の重さのことをwwww

 融合加工を改良することにばかりに気がいって、女の子が持つということをすっかり失念していたのであるwww

 だから当然、その棍棒の重さは以前のまま!

 それどころか、さらなる融合加工を施して、若干、重量は増えていたwww

 持てるか! こんなもの!

 

 だが、カリアはその棍棒を両手で持つと腰を落とし気合を入れるのだ。

 ――重いけど……この重さは、きっとタカト君の思いに違いない!

 ふんがぁぁぁぁあ!

 気合一発! 勢いよく持ち上がる巨大なチ〇コ!

 しかも、そのチ〇コがカリアの頭上で、いかにも軽そうにクルクルと回っているではないか。

 ちなみに、この棍棒、あの魔装騎兵ですらその重さにたじろぐという代物だ。

 にもかかわらず、カリアはまるでバッターボックスに立つイチローのように片手で棍棒を持つと、まっすぐに前へと突き出していたのである。

 その棍の先にあるのはゴミのスタンドの奥から登る神々しい朝日の輝き!

 それはまるでカリアの決意を強く表すかのようであった。

 

 ググを前に何かを決意したかのようなカリアは吠える!

「真の力を解放せよ! イマラッチョォォォォ!」

 ググの爪が貫く腹の痛みに耐えながら大声を上げ続けるのだ。

「多段開血解放! ガちんこ魂赭たましゃブロー! 発動っ!」

 その声を合図にするかのように傷口から滲み出していた大量の血液が、まるで無数の蛇のようにカリアの体をすごい勢いでよじ登り、右手の先にある巨棍へと赤い筋を引きながら集まったのである。

 その様子を見るググは焦って腕を抜こうとするが、怪力のカリアの前ではうんともすんとも言わない。

 そして、なんということか!

 次の瞬間、カリアの頭上に掲げられた巨大なチ〇コが中折れしたのである!

 というか、先端に備えられているカリ頭がグニャと曲がったwww

 いや……それはグニャというより、ボッキ! 違った、ボキっ!ていう感じ。

 今や90度に折れ曲がったそのカリ頭。

 しかもそのカリ頭の先端にある尿道のような小さな穴が、先ほどからピクピクと引きつっているのである。

 あぁ……もう……出そう……

 出ちゃう……

 出ちゃう……

 あっ……

 どぴゅ♡

 その瞬間、折れ曲がったカリ頭の瞬間から白濁した何かがすごい勢いで飛び出してきたwww

 

 噴出される高圧のガス……

 膨張したエネルギーによって周囲の水蒸気があっという間に氷結し白濁したのである。

 それはまさにロケットの液体燃料!

 巨大な物質であっても大気圏外へと吹き飛ばすエネルギーを持っているのだ。

 巨大なチ〇コがいかに大きかろうが、それはロケットよりかははるかに小さい。

 そんな小さきチ〇コの先からロケットを吹き飛ばすほどの高圧ガスが噴出されたのである!

 これはタカトが考えた緊急脱出装置。

 カリアの身に何かが起これば、これを起動してその場から飛んで逃げる予定だったのだ。

 

 うおぉぉぉぉぉぉ!

 

 だがしかし、カリアはその噴射による力のベクトルをググへと向けた。

 そして、勢いよく頭上に掲げていた巨棍を振り下ろしたのである。

 

 魔装騎兵ですら持つことが難しい巨大なチ〇コの質量!

 それをカリアの怪力で振り下ろす。

 そこに、ロケットエンジン並みの加速度が乗算されたのだ!

 その衝突エネルギーはいかほどのものなのか……すでに作者のポンコツ頭脳では計算ができないwww

 

 ドゴーン!

 巨大なチ〇コが駐屯地の地面を揺るがした。

 激しい音ともに舞い上がる土ぼこり。

 そんな入道雲のような茶色い煙の中から、クルクルと回る物体が一つ飛び上がってきた。

 がキーン

 重い金属音とともに地面に転がるカリ頭。

 どうやら、その衝突エネルギーに耐えきれなかったチ〇コのカリ頭が、本当に中折れしてしまい宙を舞ってしまったのだった。

 

 

 ヒ―ヒー……ヒ―ヒー……ヒ―ヒー……

 収まりゆく土煙の中でひどく荒い呼吸音が聞こえてくる。

 

 そこには、左肩からまっすぐに体の半身を叩き潰されたググが膝をついていた。

 残った半身からは内臓がこぼれ落ち、いたるところから魔血が噴水のように噴き出している。

 その傷から見ても、おそらく呼吸をするのもやっとの状態……

 というか、この状態で生きているのか?

 普通、これだけのダメージを食らえば即死は確実。

 いや、即死しなくても、失血死、多臓器不全で死んでしまう事だろう。

 だが、それでもググは生きている。生きているのだ。

 ゴキブリのように……意外と、しぶとい……

 

 実のところカリアは、ググの中心、すなわち頭からまっすぐに叩きつぶしたかったのである。

 そう、ゴミ捨て場育ちのカリアだから分かるのだ。

 ゴキブリを叩くときには逃げられないように頭から叩くのがセオリー。

 だが、少々、手元がずれて左肩を打ち抜いてしまったのである。

 おそらく、怪力のカリアをしてもカリ頭から発射されるブローの勢いをうまく制御できなかったのだ。

 それほどまでの魂赭たましゃブローの高エネルギー。

 振り下ろされるたのが棍棒であるにもかかわらず、まるで巨大な剣でスパッと切り裂いたかのようなググの傷口の断面からも大いに想像できてしまうのだ。

 

 予想外の攻撃にググは「ヒ―ヒー……ヒ―ヒー」と言いながら、ふらつき後ろに下がった。

 ヒ―ヒー……ヒ―ヒー……

 うん? もしかして、これは……タカトがこの強大なチ〇コにかけた「この世で一番でかい女」をヒーヒー言わせたいという願望が叶った瞬間ではないのだろうか。

 だって、ググにはチ〇コがないんだからwwww

 しかも、たぶん、女の中ではデカい種類、そしておまけに神民魔人!

 もう、これだけそろっていれば、夢かなったってことでイイんじゃねwww

 

 

 だが、カリアもまた無事ではなかった。

 真ん中から真っ二つに折れた巨棍で体を支え肩で小刻みに息をする。

 ――ごめんね……タカト君……せっかくもらったこの棍棒……壊しちゃった……

 そんな彼女のわき腹からはおびただしい血液が流れ落ちていた。

 しかも、先ほど強行した多段開血解放……大量の血液をその傷口からしぼりだしていたのである。

 そんなカリアの体は、もはや立っているのがやっとの状態……

 懸命にかすみゆく視界に意識を集中させようとしても、それがたちまち霧散していくのである。

 当然、そんな体では離れゆくググを追撃することなどままならなかった。

 だが、カリアは口から吐き出される血を腕で拭いながらググをにらみつけ笑うのだ。

 「アンタ……ヤりにげは……許さないからね……」

 

 というのも、あのググの傷、神民魔人と言えども致命傷に違いない。

 この場で絶命させることができなくとも、おそらく、その傷を回復するためにひとまず撤退はやむをえないことだろう。

 神民魔人が撤退すれば、リーダーを失った魔物群れは烏合の衆も同然。

 しかも、城壁の狭い隙間からなだれ込んでくる数はまだ少ないのだ。

 ならば、役に立たない奴隷兵といえども、その数の力で押し返すことができるかもしれないのである。

 ――この勝負! アタイの勝ちだ!

 

 だがしかし、次の瞬間! ググの傷口から白い液体がドビュっと吹き出すと、無数の肉の触手が壊れた内臓の肉片をまき散らしながら一斉に飛び出したのである。

 無秩序に伸びた触手はうね狂い、互いに互いを絡ませる。

 ついに何本かの太い渦巻くツタになったかと思うと、今度はそれがどんどんと縮んでいくのだ。

 まるで、粘土のようにググの失われた半身に広がっていく。

 そして、それがいつしかググの肉体へと変わっていたのである。

 

 力なく笑うカリア。

「ははは……アンタ……2回戦は早くないかい……いい子だからさ……もう少し賢者モードでいなよ……」

 いまだ、折れた棍棒を支えにして立っているのがやっとの状態で、しっかりと体を起こせないでいたのであった。

 

 ヒ―ヒー……ヒ―ヒー……

 一方、ググの息も荒い。

 だが、そんなググはゲルゲと違ってスライムではない。

 どちらかというとウーパールーパーなのである。

 って、ゴキブリじゃなかったのかよ!

 仕方ないじゃん! ゴミ捨て場育ちのカリアにとってウーパールーパーもゴキブリも似たようなものなんだし。

 しかし、たとえ仮にググが、生物界最強の再生能力を持つウーパールーパーであったとしても無尽蔵に分裂再生など繰り返せないのである。

 ということは、ググもまた、かなりの魔の生気を消費しているに違いない。

 そのことはおそらく……ググ自身も分かっている。

 今度また、先ほどと同じような高エネルギーの攻撃を受けたとしたら再生できるかどうか分からないのだ。

 だが、目の前のカリアは虫の息……

 もう、カリアには先ほどの攻撃を放つ力は残っていないことは一目瞭然だった。

 まるで勝利を確信したかのようなググの目が薄ら笑いを浮かべている。

 ヒッヒッフ― ヒッヒッフ―

 そして、目の前のカリアに向かってゆっくりと近づいてくるのであった。

 

 その様子を遠巻きに見ている奴隷兵たちは一歩も動かない。

 そう、彼らには緑女たちを助ける気が全くないのである。

 このまま互いにぶつかって消耗しきったところで自分たちが突入して漁夫の利を得ようと考えているのだ。

 現に、神民魔人のググなど体が半分無くなっていたのである。

 これなら余裕じゃん!

 なんなら、俺たちが神民魔人倒しちゃう?

  幹部昇進! 支部長就任! スピード出世でいい感じぃ~♪

 おそらく、多くの奴隷兵たちはそう思ったことだろう。

 だが……

 だが……今は違うのだ……

 あれだけ死にかけだったググの半身は元通り……

 そして、ゆっくりと歩を進めているのだ。

 ――あいつは不死身かよ……

 というか……

 ――あんな神民魔人に勝てるわけねぇだろうが……

 ほとんどの奴隷兵たちがまだ戦ってもいないのに負けを覚悟していた。

 そして、切に待ち望むのである……

 悟空――‼ 早く来てくれ――‼

 のようなノリでwww

 魔装騎兵――‼ 早く来てくれ――‼

 じゃないと……マジで俺たち死んじまう……

 

 ゆっくりと進んでいたググの足が加速する。

 そしてその勢いを弓を引くように引いた右手にのせるのだ。

 矢のように勢いよくはじかれるググの右手。

 その先のとがった爪先が一つにまとまりカリアの顔面を狙って伸びていく。

 

 その爪の迫る様子がカリアには妙にゆっくりに見えていた。

 折れた巨棍で体を支えるのがやっとのカリア。

 おそらく、その攻撃をよけることはかなうまい……

 ましてや、折れたとはいえ、その重い巨棍でググを迎え撃つなど、まずもって不可能なのだ。

 万事休す……

 もはや、今のカリアには何もすることがなかったのである。

 ただ、目の前に伸びてくる爪をじっと見つめるだけ……

 ――あの爪に貫かれたら……きっとアタイは死ぬんだろうな……

 そう、思うカリアはそっと目を閉じた。

 

 

 迫りくる死。

 

 しかし、カリアには不思議と死の恐怖は無かった。

 それよりもカリアの心を埋め尽くしていたのは、ホッとするかのような安堵感。

 これでやっと緑女という自分の人生が終わるのだ。

 生餌として放り込まれた檻の中……緑の眼が取り囲んだあの恐怖。

 スラムのゴミ捨て場……唯一のご馳走がゴキブリだった人あらざる生活。

 駐屯地の最前線……そこでも誹謗中傷が常に付きまとっていた。

 そんなことを思いだすと……なぜか死んでもいいような気がしてくるのだ。

 

 だが、そんな時に浮かぶのがタカトの笑顔……

 あのゴミ捨て場で笑いあったわずかな時間……

 ――今度生まれ変わったら、タカト君のような素敵な旦那様と結婚して……赤ちゃんとか抱きたいな……

 そんなことを思うカリアの目じりから涙が一粒こぼれ落つ……

 ただ、願わくば、人としての幸せをほんのわずかでも味わってみたかった。

 もし、この世界に来世と言うものがあるのなら、来世は奴隷であってもかまわない……せめて……誰かと家庭というものを作ってみたかった。

 貧乏でもいいのだ……

 ただただ……夫と子供と楽しく笑いたい……

 誰かと一緒に笑ってみたかった……

 そう、あの時みたいに……もう一度、笑ってみたかった……

 

 そんなカリアの口元がかすかに微笑んでいた。

令和6年3月5日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

サンヨー食品

サッポロ一番

「みそらーめん」

みなさんと歩んで70年

今限定 北海道醸造味噌使用

 
だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
おお、またもやモデルチェンジしてますねwww
以前食べたときはフリーズドライのお野菜を使用していましたが、今回は北海道のお味噌。
そのため、かやくは通常の乾燥させたものになっております。
こう見ると、やっぱりフリーズドライの具材は色がきれいで見た目がいいですね。
ただ、あのふにゃふにゃとした食感が好みの分かれるところ。
 
ということで、今日は「モデル」つながりのお話を。
 

kakuyomu.jp

 

 そして、そんなフジコの背中を名残惜しそうに見るギリー隊長は思うのだ。

 ――あの女……オイルパン……いや、揚げパンが好きなのかな……

 そうだ!

 今晩のおかずは餅をやめて久しぶりにカレーパンにしよう!

 

 私の彼は♪♪ カレぇ~パン~♪ れました!

 パンパパ♪ パンパパ♪ パンパパ♪ パン♪

 チュパ♪ チュパ♪ チュパ♪ チュパ♪ 穴だ♪ パンパパパ~ン♪

 

 ……そんな次元だいすけお兄さんのような歌声が夕焼け空に響く中、タカト達の荷馬車は宿舎を離れゆっくりと家路についていた。

 そう、御者台の上では先ほどからご機嫌なタカトが鼻の穴に挿れた指先を前後させながら鼻歌を歌っていたのである。

 

 みんなぁ~♪ 一緒に体操はじめるよぉ~♪

 三度エッチ♪ 兄さん♪ 三度エッチ♪ 兄さん♪

 

 ――クソっ! 今頃ヨークの兄ちゃんは三度目かな……うっ! イクッ!

 ゴトっと大きく荷馬車の車輪が揺れた瞬間、クカトは鼻の穴から勢いよく指先を引き抜いた。

 ――ヤバイ! 奥で……やってしまった……

 その指先には何やらネバッとした液体がビロ~んと一本の白い糸を引いて伸びていた。

 あぁ……ごめん……クじゃなくてタだったね……突然沸き起こった暴力的快感にタカト自身も少々気が動転してしまったようなのである。

 ――(鼻の)穴の奥の大事な部分を激しく突きすぎて少々赤くなってしまったか……

 白い液に混じって赤玉がにじんだ指先を眺めながらタカトはズボンのすそでそれを拭くのだ。

 それを横目で見ていたビン子が叫び声をあげた。

「ちょっとタカト! 汚いでしょ! ティッシュで拭きなさいよ!」

「だって、俺、ティッシュ持ってないもん!」

 ズボンのポケットの中をこれみようがしに見せる。

 チャリーンと御者台の上に転がるコイン。

 どうやらポケットの中には先ほどもらった2枚の金貨とタカトの全財産である銅貨5枚50円、そして後はパンのクズしか入っていなかったようである。

 もう、ティッシュもハンカチもありゃしない……

 それどころか、お金も財布に入れてない!

 もう、コイツのほうがクズだと思うのですが……いかがでしょう。

 

 いそいそと銅貨をポケットにしまうタカトにビン子が興味ありげに尋ねるのだ。

「ねぇタカト、今日もらった金貨は何に使うの?」

 というのも、権蔵の作った道具の納品代は金貨一枚。

 だが、タカトの手には毒消しを駐屯地に運んだ分の金貨1枚が余分にあるのだ。

 そう、この金貨は権蔵の知らない金貨。

 タカト達が自由に使えるお金なのである。

 

 

「決まってるじゃないか!」

 当然に、そう答えたタカトは嬉しそうである。

「金貨一枚もあれば頑固おやじ印の極め匠シリーズの工具を買うに決まってるだろ! プライヤーとドライバーだろ。それとスパナ。う~ん、ぎりぎりカッターまで買えるか」

 すでにタカトの頭の中のスパコン腐岳は金貨一枚分にぴったりあうように購入すべき工具の種類の計算が終了している様子であった。

 ちなみに頑固おやじ印の極め匠シリーズの工具は、職人仕様のハイグレードモデル! 当然に、そのお値段も高いのである。まぁ素人のビン子にはコンビニで売っている工具と何がどう違うのか全く分からないのであるが。

 

 だが、ビン子は「そんな答えはすでに丸っとお見通しヨ!」といったところで、しらけた目をタカトに向けていた。

 ビン子にはなんとなく分かっていたのだ。

 どうせせこいタカトの事だ。きっと自分一人で全て使ってしまう気だろうことを。

 ただ、その使い道がムフフな本とかを買いあさるというのであればビン子も納得ができなかったであるが、融合加工の道具の購入にすべての金額をつぎ込んでしまうというのである。

 まぁ、それはそれでタカトらしいといえばタカトらしい。

 だけど、このまま引き下がったのでは自分もさんざん危険な目にあったのに納得がいかない。 

「ふーん。じゃぁ、私には何を買ってくれるのかしら」

 期待薄なのは承知の上でビン子は意地悪そうな質問を投げかけた。

 

 えっ……⁉

 ――もしかして、ビン子は分け前を寄こせと言っているのだろうか?

 タカトはしばらく固まった。

 すでに金貨一枚分の使い道はスパコン腐岳による決定事項である。

 ビン子に分け与える金など銅貨一枚も残らない計算なのだ……

 だが……このままビン子が機嫌を損ね続けていると爺ちゃんにチクりかねない。

 なにせ、爺ちゃんの言いつけを破って門外に出てしまったのだ。

 そんなことがバレたりしたら「このドアホが!」と雷が落っこちかねないのである。いや……雷だけで済めばまだいい……下手したら……半殺し?

 ――それは、マズイ……非常にまずい!

 ここはなんとしてもビン子の口をふさいでおかなければ……

 だが、どうする……

 もう、使える金は残っていない……アイナちゃんの写真集? イカン! あの写真集だけは絶対にダメだ! ならば……どうする……どうすればいいんだ……

 考えろ!

 考えろ! 俺!

 

 ピコーン!

 

 待てよ!……あるじゃないか!

 

 第120話 金貨をどう使うかは俺の自由だ!(13)  より

令和6年3月4日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

CGC
「旨みの一杯 味噌らーめん」

味噌とポークの旨みだし

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
まだ残ってた。
ストック整理したと思ってたんだけど、隙間にポツンとございました。
でも、カップラーメンの賞味期限って長いから、忘れていても大丈夫www
 
こう考えると、カップ麺って備蓄には適していると思うんですよね。
ただ、カロリーが少ないんです。
災害等が発生したとき、おそらく食べられるものは限られるはず。
その中で最低限のカロリーを摂取しようと思うと、カップ麺だけでは少々心もとない感じがします。
日常生活においてはダイエットや健康志向からカロリー低めの商品開発に向かうのは分かるのですが、ココはあえて逆を狙ってみるのはどうでしょうwww
防災用備蓄、アウトドア用として、カロリーガツンと5倍増し!
これさえ食べておけば一日の必要カロリーを完全摂取!
しかも、お湯で戻すだけの簡単調理!
需要あるかな?
 
ということで、今日は「需要」つながりのお話を。
 

kakuyomu.jp

 

 ――ここはドコ?

 暗い世界……

 ――私は誰?

 真っ暗な世界の中で生まれた私は、孤独に膝を抱えて震えていた。

 ―― 一人はイヤ……

 うつむく瞳から自然と涙がこぼれ落ちていく。

 ――だれか……助けて……だれか……お願い……だれか……

 

 そんな暗闇に、おぼろげな男の声が響いた。

「見つけた……」

 

 うっすらと開く私の視界。

 はじめて光というものを見た瞬間だった。

 

「やっと、見つけた……やっと……」

 だが、いまだかすむ視界の中を、ゆっくりと男の声が近づいてくる。

 次第にはっきりしていく私の世界。

 目の前には、一人の年老いた男が立っていた。

 頭に頭巾をかぶり、いかにも職人風の男は、何故か目に涙を浮かべている。

 ――誰?

 

「こんなところにおったのか……」

 そんな男の震える手が、ゆっくりと私へと伸びてくる。

 

 突然、私の中に恐怖がはじけた。

 この男は敵!

 最愛の人を奪う敵!

 心の中で誰かが叫んだような気がした。

 

 本能的に私は、隣に並んで座る男の子の体を抱きかかえ、守るように覆いかぶさっていた。

 だが、その男の子の体は動かない。

 力いっぱいに引き寄せるに私の腕に従って、力なく倒れ込んでくるだけ。

 ――この子は誰?

 この男の子の顔に、見覚えが無いのだ。

 だけど、なぜだか分かる。

 さっきから体中の細胞が叫んでやまないのだ。

 この方は最愛の人!

 ――最愛の人?

 見たこともないのに……

 だが咄嗟に、覚悟を決めた私の目が前の男をにらみつけていた。

 ――この子を守る! 必ず守る!

 

 大木の枝葉が織りなすまだら模様。

 清らかなる光芒が、森の中に落ちていた。

 その光の筋の周りでは、多くの鳥たちが讃美歌を奏でている。

 それは、まるで聖なる神の誕生を祝うかのようでもあった。

 一つの大きな光の下に小さな女の子と男の子が寄り添うように木の幹にもたれて座りこんでいた。

 4、5歳ほどの二つの幼顔は眠っているかのように目を閉じて動かない。

 

 

「見つけた……」

 そんな大木に、一人の男がゆっくりと近づいてきた。

 

 

「やっと、見つけた……やっと……」

 二人の子供らを見ると安心するかのように言葉を震わせた。

 頭に頭巾をかぶり、いかにも職人風のこの男は、少しだけ若い権蔵であった。

 そう、この話はビン子の記憶。

 10年とちょっと前の頃、権蔵と出会った時の物語である。

 

 その頃、森の中にはまだ、権蔵の道具屋は存在していなかった。

 丸太のログハウスのような古ぼけた小屋が一つたっていただけ。

 そんな小屋の中に権蔵が一人、ポツンと住んでいたのである。

 

 この少し前、第七駐屯地で働いていた権蔵は、騎士である一之祐から休息奴隷になるように、突然、命じられた。

 本来、休息奴隷の制度は奴隷が騎士に請求するものである。

 しかし、今回は権蔵の所有者である金蔵家のたっての請願により、一之祐が権蔵に無理やり休息を命じたのだ。

 時代は第五世代に変わろうという頃、だが、まだ、権蔵の作り出す道具は、戦場では役に立ち需要があった。

 そんな利用価値のある奴隷を、神民である金蔵がいとも簡単に手放そうとしたのかは、権蔵自身、よく分からなかった。

 確かに、正確には分からなかったのだが、なんとなく心当たりはついていた。

 ――おそらく、あの二人がなにかしたのじゃろ……

 その二人が誰の事なのかは、現在に至るまで権蔵はそのことについて固く口を閉ざして喋りもしない。

 

 このようにして休息奴隷となり融合国内に戻った権蔵は、森の奥に小屋を立て一人で静かに生活をし始めていた。

 だが、一滴の血で開血解放をなし得る権蔵の道具の評判は、当然、内地にも伝わっていた。

 そんな凄腕の権蔵を自分の工房に是非スカウトしようと、何人もの職人たちが小屋に訪れるのは自明の理。

 だが、権蔵はその都度、怖い顔をして追い返すのだ。

 どんなに条件のいい話であっても、全く聞く耳すら持たないのである。

 ならば、オリジナルの道具を作ってくれと頼んでみても、時間がないの一点張り。

「金ならいくらでも出そう!」

「ワシは忙しいんじゃ!」

「何が忙しいんだ! 権蔵! お前! 毎日毎日、森の中を歩いているだけだろうが!」

「やかましぃ! さっさと帰れ! 二度と来るな!」 

 無下に断り続ける権蔵の元から、道具作りを依頼する客の足が遠のいていくのは必然であった。

 

 ちょうどその頃、第二の門の騎士に就任したクロトもまた、権蔵のもとに訪れていた。

「権蔵さん、是非、融合加工院に来てくれないだろうか」

 権蔵はその提案に驚いた。

 奴隷の自分が融合加工院に?

 おそらく、奴隷の身分でそんな誘いを受けたのは、後にも先にも権蔵ただ一人だけだろう。

 権蔵は、のどから手が飛び出るほどにその提案に飛びつきたかった。

 そこは融合加工を極めんとする者なら誰しも一度は憧れる場所なのだ。

 行きたい……

 行ってみたい……じゃが……

 そんなクロトの誘いにも権蔵は首を横に振る。

「クロト様、せっかくのお誘いありがとうございますじゃ……じゃが、ワシは、ここで待たねばならんのですじゃ……」

「何を?」

 不思議そうに首をかしげるクロト。

 

「ワシの子らを……」

 
 第57話 第六の騎士の門(5) より

令和6年3月1日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

徳島製粉
「金ちゃん ヌードル」

 

だぁぁぁぁぁぁ!

 

早速! いただきます!
 
今日は外出予定があったので車通勤。
会社に来る途中、目の前の車が蛇行したので、なんだろうと注視すると……
ネコかイタチがペッしゃんこ。
慌てて私も蛇行して、後ろの車も蛇行する。
 
そこで、ふと思ったのだ。
なんで死体をよけたのだろうかと……
 
可愛そうだから?
踏んづけて血肉で汚れるのが嫌だから?
呪われそう?
もしかして、気持ち悪いとか?
 
今にして思うと、なんでだろう……
別に泥道を走って汚れたら洗えばいい。
血肉が飛び散ったとしても、洗えばおしまいだ。
ならば、やっぱり感情の部分なのだろうか?
 
かといって、目の前の猫かイタチを私が飼っていたわけではないので情などあるわけはない。
だが、可哀そうと思う気持ちは、ないことはない。
おそらく共感性に由来するものなのだろう。
でも、可哀そうと思うのなら、車を止めて弔ってやればいいのだが、誰もそうしようとはしない。
保健所がゴミとして片付けてくれると知っているからだろう。
なら、単にかわいそうと思っている自分が可愛いということなのだろうか?
 
いや、もしかしたら、単に気持ち悪いと思ってよけているだけなのかもしれない。
たしかに、人間の死体などを見ると気分が悪くなる。
おそらく、自分の死を直感的に感じるせいなのだろう。
しかし、これもおかしなもので、食卓に上る刺身や肉を見ても気持ち悪いとは思わないのだ。
それどころか美味しそうとヨダレをたらす始末。
私の好物のホルモンだって飛び散っていた内臓と同じなのに。
 
そう……同じ肉なのに、不思議である。
やはり、そうなると血のせいだろうか……
あの赤い血を目の当たりにすると何か忌避しなければいけないような直感が走るのかもしれない。
 
ということで、今日は「食卓に上る」つながりのお話を。
 

kakuyomu.jp

 

 タカトは一瞬言葉に詰まった。

 確かに人間は牛や豚を食う。

 だが、俺の家は貧乏だ。

 牛や豚などの肉は高級品。

 そうおいそれと、俺の家の食卓に上ることはないのだ。

 だから、俺は、牛や豚の肉をほとんど食っていない。

 と言うことは、俺は、文句を言う資格があるような気がする。

 だが待てよ……お金がなくて買ってくることはできなくても、森で狩った獲物は時折、食卓に上るではないか。

 確かに、それが、イノシシであるか、魔の生気を抜いた魔物であるかを気にしたことはなかった。

 食えれば、全て一緒である。

 だがしかし、あの皿に置かれているのは人間なのだ。自分と同じ人間なのだ。

 

「いや、牛と豚とは違うだろ! あれは人間だぞ!」

 

 女は振り返らない。

 それどころか、面倒くさそうに答えた。

 

「お前……ここをどこだと思っているんだ? 魔の融合国だぞ……魔人たちにとっては、人間など豚と同じだ」

「それでもおかしいだろ! 殺された奴だって、それぞれの人生があったんだぞ!」

 

 いら立つ女。

 

「いい加減にしろ! 牛や豚だって同じことだろうが! お前はそいつらの事を気にしたことがあるのか!」

「くっ! それとこれとは……」

「堂々巡りだな……まぁ、安心しろ、あそこにつるされている人間は、食われるために魔の養殖の国で魔物と交配された養殖用の人間どもだ。生まれ落ちた時から幸せな人生なんてないんだよ。さっさと食われた方が、幸せと言うもの……知らないくせに、ガタガタいうな!」

 

 養殖用の人間とは、魔物と生物のあいだに生まれ半魔である。

 魔の養殖の国から輸出される養殖用の人間は、成長の早い魔物と人間の女を交配して生まれたものである。

 このため1年で10歳程度成長し、2年もたたないうちに出荷が可能となるすぐれものである。

 また、知識の吸収が早く、脳の成長が著しいことも特徴であった。

 人間の脳を食することにより生気と知恵を得る魔人にとっては、安く手に入るいい食材なのだ。

 そのため、この魔の融合国以外の多くの魔人国で流通していた。

 

 まだ、なにかいいたそうなタカトをエメラルダの手が制止した。

 涙目のタカトは、恨めしそうにエメラルダをにらんだ。

 エメラルダは、静かに首を振る。

 エメラルダにも、それが異質なことは分かっている。

 だが、ココは魔の融合国、魔人世界なのだ。

 その世界には、その世界のルールがある。

 ただ、それだけの事なのだ。

 というか、タカト君……確か……キミも確かレッドバナナを赤いバナナと間違えて食べたことがあったよね……もしかしたら、気づいていないかもしれないけれど。

 道の真ん中で言い合うタカトたちを魔人たちが遠巻きに眺めささやいている。

 よほどタカトたちが珍しいのであろう。

 しかし、先ほど戦ったゴリラの魔人と違って襲ってこないのだ。

 

 それもそのはずである。

 街に入ると鈴を持つ女は、服のフックを外し、左胸をあらわにした。

 乳を揺らし、街の往来を闊歩する。

 そして、タカトたちをロープで縛り、それを引く。

 

 当初、それを見たタカトは、魔の融合国最高! と狂喜した。

 行き交う人間の女たちが胸をあらわにして歩き回っているのである。

 ココはヌーディストビーチですか!

 揺れるおっぱいをガン見するタカト君。

 俺も、今日からココに住もうかな。などと、くだらない冗談を言っていたぐらいである。

 

 だが、おかしい。

 来るものがこない……

 えっ? 何がって?

 大体、こういうシチュエーションの時にやってくるものがあるでしょ。

 そう、ビン子のハリセンですよ。ハリセン!

令和6年2月29日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

エースコック
「たらこ・わかめ・しおラーメン 」

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
シンプルにして、意外においしい。
明太子が入っているから辛いのかな?と思ったのだが、全く辛くはない。
風味としては深みがあっていい感じだと思う。
 
ただ、なんといいますか……
パッケージがシンプルすぎやしませんかwww
せっかくおいしいのに、なんか、安っぽく感じてしまいます。
確かに、あっさりとした感じを表現したかったといわれれば納得するところもあるのですが、やっぱり、もうちょっとパッケージのデザインに凝ったほうがいいと思います。
私的には味は好きなので、パッケージで損をしているなと思った一品です。
 
ということで、今日は「一品」つながりのお話を。
 

 タカトは、一心不乱に一般街の街並みを早足で歩いていた。

 いつもならタカトなら押し寄せる人の波に翻弄されあちらこちらにとフラフラと揺れ動くのだが、今日に至っては少々違っていた。

 

「そこをどけ! この! ぷぅ~!チンころ!酢豆すどぅ腐♡ うふ♪」

 うーん、というか今のタカト君、怒ってみたりニヤニヤしてみたりとその表情があちらこちらにフラフラと揺れ動いている。

 強い一言を放ったかと思うと、目の前に迫りくる人の波を荒々しく押しのける。

 そして今度は、うわついた笑みを浮かべたかと思うと、いきなり道の真ん中で立ち止まり何かを計算し始めるのだ。

 

 そんな邪魔なタカトに押しのけらていく人々には、しだいに殺気といら立ちがふり積もり、いつしか怒号が飛び交っていた。

「何がどうした?」

「同時的雌雄てきしゆう同体らしい?」

 ちなみに、同時的雌雄同体とはデジタル大辞泉小学館)によると、『雌雄同体の生物のうち、同一個体が同時に雄雌両方の生殖機能をもち、雌雄どちらでも生殖できる生物』ということでカタツムリ、ナメクジなどが当てはまるようだが、今いちよくわからない。おそらくきっと今のタカト君のように表情、いや性別が同時に存在する生き物の事なのだろう。って、今のタカト君、そういえばなんかナメクジみたい……

 

 そんなタカトの後をついていくビン子には、人々が向けてくる侮蔑と憤怒の視線が耐えがたかった。

「じいちゃぁぁぁんー---! 帰りたいよぉぉぉ!」

 だが、タカトのその様子。ビン子なりに、ただならぬ事態が差し迫っていることだけは感じ取っていた。

 しかし、どうしてこうなったかというと……

 今の時刻がおやつ時だから……さかのぼること約6時間ほど前……の事である。

 

 そう、今日も朝食を食べ終わったタカトは権蔵から配達の仕事を命令されていたのであった。

 それは、急遽依頼された道具の配送。

 

 いまだアイナちゃんの食い込み写真集を片身離さず持ち続けているタカト。

 そんな朝食のテーブルの上には、これ見ようがしに写真集がおかれていた。

「なんじゃ……タカト……それはワシへの当てつけか?」

「ふん! そう見えるんならそうじゃない!」

 何やら不満そうなタカトは権蔵の言葉から顔をそむけた。

 

 ――そうか……そうか……そういう態度に出るんじゃの……

 権蔵はそんなタカトをにらみつけると、今日も配達の仕事を命令した。

「タカト! 今日は、お前が荷物を背負っていけ!」

「はぁ? なんで清志子に運ばせたらいいだろ!」

「今日の荷物は少ないんじゃ!」

 そう、数日前に第六の宿舎に荷物を運ぶために老馬の忌野清志子は頑張ったばかり。

 そんな清志子に気を使ったのか権蔵は清志子を休ませようとしたのだ。

 本当かぁ? たぶん……

 

「そんなの無理だよぉ~ だって、おれ貧弱だしぃ~」

 忌野清志子が引く馬車が休みなら、俺自身も営業終了にきまっている!

 今日は、部屋にこもって『お脱がせ上手や剣』をの融合加工を始めるんだい!

 というのも、ここ最近はそんなことに構っていられなかったのだ。

 そう、権蔵によって破かれたアイナちゃんの写真集……

 その復元作業にいままで精を出していたのだ。いや……まだ精〇は出してないけど。でも、精を出すために! ていうか、早く出したい! 己が欲望!

 だが……物事には限界があった……

 いくら俺が天才(自称)といえども復元できるものと出来ないものがある。

 たとえば処女膜とか? いやいやそれは復元できるだろ! 現代医学をなめるな!

 

「タカト! これぐらいなら運べるじゃろが!」

「無理だって! じいちゃん!」

「根性見せんか! ほれアイナちゃんが見ているぞ! タカト君、頑張って!」

 権蔵はテーブルの上に置いてあったアイナちゃんの写真集をパッと奪い取ると、食い込み写真のページを開き顔の前に掲げた。

 そこには恥ずかしそうな笑顔を浮かべるアイナちゃんの下半身に穴が開いていた。

 穴ってアンタ……食い込み写真でしょうが! コレ!

 いやいや、処女膜のように薄いそのページ。

 どうやら、権蔵に無理やりヤラれたことによって無残にも破瓜させられたのであった。

 そうそれは握りこぶし二つ分ぐらいの大きな穴。

 そんな穴から権蔵の目がニコニコとしながら覗いていた。

 

「爺ちゃん、それは食い込み写真にあいた穴から覗く爺ちゃんの目! 絶対に許さんからな爺ちゃん! この破れた食い込み写真の恨みは一生ものだからな! 恨めしやぁぁぁぁぁ!」

 だが、写真集から目を放した権蔵は大笑いする。

「おぉこわっwww なら、タカト、いいものをやろうか?」

「なんだよ! 新しいアイナちゃんの食い込み写真集か?」

「いや違うが、ほれ……」

 なにやら権蔵にうまく丸め込まれたタカトは、どうやら本当に荷物を背負って配達に出かけたようである。

 まぁ、そのせいで運送するのに、ほぼ6時間もかかってしまったのだ。

 だが、その配達も終わった。

 あとは俺の自由時間!

 そんなタカトの耳に第六の門の方角から警鐘のけたたましい音が届いた。

 この警鐘は国内で魔物が出たものとは全く異なる。

 そう、門外のフィールドで大規模な戦闘が起こっていることを示していたのだ。

 融合国内に大規模戦闘の警鐘が鳴り響くのは、いつ以来のことであろうか。

 というのも、聖人世界も魔人世界も自分たちがなぜキーストーンを奪い合っているのかよく分かっていなかったのだ。

 ただ、長年、キーストーンは奪い合うものだといわれ続けてきたため、なんとなくそう思っているのである。

 確かに八つのキーストーンを集めれば大門が開くといわれている。

 そして、その開いた門を通って王が相手の国に行くことができるのだ。

 でも、王さま、わざわざ相手の国に行って何をするの?

 茶でも一緒に飲むとか?

「今日はいいお天気ですね」

「いや……雨ですけど……」

「雨って……あれ、おたくのミサイルですよね……」

「そうですけど……なにか?」

「分かっとんやったら、さっさと止めんかぁ!」

「うぁぁぁ! 責められてる! 口撃されてる! 防衛や! 防衛!」

 って、そんなわきゃないだろうwww

 

 まぁ、確かに王を殺せるのは王だけ。

 ということは、わざわざ門を通って相手世界の王様を殺しに行くわけですよ。

 なんでやねん! 殺してどうするねん!

 そんなの決まってるじゃん自国を攻められないためですよ! って、どこぞの大統領ならいいそうですが……この世界、門外フィールドがちゃんと干渉地域になっとるわけで、そうそう、攻め込まれることなどないわけですよ。

 被害妄想MAXな王様でもおったら、「相手をぶちのめさんとベッドで眠れない!」とか言いそうですが、一応、この世界の王様、不老不死。そう簡単に死にはしません。

 なら……本当に何をするの? というか……何をしたらいいの?

 ということで、誰もいまだ大門を開くことの意味が分かっていなかったのだ。

 

 そんなものだから、どの騎士もマジで本腰を入れて相手のフィールドに殴りこもうなどとは考えていなかった。

 だって、相手のフィールドに殴り込んだら騎士であっても死んじゃうんだもん。

 ということで、一般街の住民たちも久しく聞く大規模戦闘の警鐘音に次々と家から顔を出し心配そうに第六の門の方を見つめていた。

 タカトの後ろを歩いていたビン子も心配そうに第六の門の方向をかえりみる。

「ねえ、タカト、大丈夫かな?」

「大丈夫だろう」

 だが、先を急ぐタカトは気にしていない。まるで、他人事のように呟く。

 そう、所詮は門外の出来事。

 テレビの中で放送されるニュースと同じなのだ。

 遠く離れた場所では現実に起こっているにもかかわらず画面の中で見る光景はどこか冷めて見える。

 日々、多くの血が流れているというのに、その痛みは全く感じない。

 経験がないというのはこういう事なのだ……

 

「……」

 しかし、ビン子はやはり気になるのか、後ろを何度も何度も振り返りながらタカトの後をついて歩く。

 そんなビン子を、タカトは振り向きもせず諭すのだ。

「あのな……よく考えろよ! 魔人騎士も自分のフィールドの外に出れば死ぬからな。だから、こちら側まで来る馬鹿はいないよ」

 タカトに限らず聖人世界の誰しもがそう思っていた。

「でも、今回は、大変そうよ」

 だが、ビン子はたびたび後ろを振り返る。

 振り変える回数が多くなったせいなのか、少し距離が開いたタカトを早足で追いかけ始めた

「門外だけだよ。大丈夫。大丈夫」

 しかし、距離がひらいたのは、どうやらビン子のせいだけではなかったようだ。

 というのも、先ほどから目的を持って歩くタカトの足は明らかに早まっていたのであった。

 

 駆け足で追いつくビン子はとうとう我慢ができなくなったのか、タカトに尋ねる。

「ねぇ、一体どこに行くの?」

 タカトはズボンのポケットからグチャグチャに丸められた福引券を取り出してビン子に見せた。

 それをマジマジとみるビン子。

 はて? タカトが福引券など持っていただろうか?

 というか、ここ最近お金がないのだからまともに買い物などしたことがない。

 なので当然、商店街の福引券など貰えるわけがなかったのだ。

「これ福引券? いつ、貰ったの?」

「朝、じいちゃんから貰った!」

 

 そう、権蔵はタカトの写真集を破ってしまったことを密かに後悔していたのだ。

 だが、穴が空いたものは仕方がない。

 世の中、穴が空いた方がいいモノだってあるのだ。

 そもそも、穴が空いてない方を好むのは世間知らずの童貞ぐらい!

 って、タカト君も童貞だったか!

 

 この前の日、そう、それは空に穴が空いたような天気のいい昼下がりだった。

 その日も、タカトとビン子は今晩の食材を探しに目の前の森の中に食材を探しに出かけていた。

 そんな二人が留守の間、権蔵は道具屋の入り口に置かれた切り株の椅子に腰を掛けて煙草をふかしていたのである。

 

 たばこの煙が空にプカプカと浮いては、次第に薄くなって消えていく。

 ――今日もいい天気じゃ……

 青空を見上げる権蔵の目に突然、何かの影が覆いかぶさってきた。

 ふと視線を前に戻す権蔵。

 そんな先には一人の男が立っていた。

 そのいでたちは黒い袴に白い小袖。まるで和風剣士といったところ。

 権蔵は煙草を口から離しながら平静を装った。

 というのも、その男の気配を全く感じなかったのである。

「どちらさんじゃ……」

「拙者、石川県在住の五右衛門と申すもの……」

「……住まいまでは聞いとらん……」

「タカト殿はご在宅か……」

「いや、タカトは今、外に出とる。おそらく夕方ぐらいまでは帰ってこんわい」

「さようか……」

「どうしたんじゃ? タカトに何か用か?」

「いや……タカト殿に作ってもらった剣を鍛え直してもらおうと思いまして……」

「タカトが作った剣じゃと?」

 ――アイツは戦いの道具を作るのを嫌っていたはずじゃが……

 確かにタカトには道具作りの才能はある!

 もしかしたら、権蔵がまだ気づいていない才能すらも持っているかもしれない。

 だが、奴はその才能をまともな道具作りに向けないのだ。

 だから出来上がるものは、いつも変な物ばかり。

 権蔵には、それが少々歯がゆかった。

 まともな物を作れば、あっという間に自分を超える存在になるというのに。

 だが、タカトの口癖は「俺の道具はみんなの笑顔にするためのモノ」。

 分かっているが……いつかタカト自身が、それで泣きを見るかもしれない。

 

「どれ、ワシに見せてみろ……」

 権蔵の問いかけに五右衛門は腰に差した剣をスルリと抜くと手渡した。

 その剣の白く輝く刃先を見た権蔵は大きくため息をついた。

「これは……」

 そう、この剣はタカトがお脱がせ上手や剣の試作として融合加工した剣である。

 だが、それは少々強すぎた。

 そう、タカトの計算ではスカート一枚だけを切り落とすはずだったのだが、残念ながらその下にあるパンツをも切り裂き、さらに、その先にある女の子の太ももまでも傷つけてしまう代物だったのである。

「こんな剣、使えるか!」

 道具屋の前の通りにある大石に向かって剣を叩きつけて折ろうとしていたタカト。

 ちょうどその時、五右衛門がその側を通りかかっていたのだった。

「おぬし! その剣いらぬのなら拙者にいただけないであろうか!」

「はぁ? こんな人を傷つけるような剣なんか危なっしくて渡せるわけないだろうが!」

「そこを頼む! いま、拙者は武士になるために腰に差す刀を探しているところなのだ……武士の情け!」

「嫌だ! 絶対に嫌だ!」

「タダとは申さぬ……今、手元にあるのはこの写真集だけ……これと交換ではどうだろうか……」

 それはアイナチャンの写真集『熱いうちに召し上がれ♥』。

 エプロン姿のアイナがエビフライの調理をしている姿が収録されているのだ。

 そして一番の見せ場は、極太エビフライを口に含みながら「もう大きいんだ・か・ら♥」と上目遣いで上気したポーズしているところ。

 しかもまた、口角からわずかに垂れる白いタルタルソースがいい味を出している。

 もう、これを撮った写真家のこだわりが見え隠れする至高の一品だ。

 俺のエビフリャイも食べさせてぇぇぇえぇ♥

 世の男どもは思ったことだろう。

 ちなみにこの写真集、エロい写真は全くないにもかかわらず、なぜか有害図書に指定されたいわくつきの写真集である。

 

 タカトはゴクリと生唾を飲み込んだ。

 一見するだけでそれは丁寧に保存されている極上品。

 ――これは……すごい……

 しかし、タカトのポリシーが許さないのだ。

 ――俺の道具は人を笑顔にするもの! 傷つけるものでは断じてない!

 当然、それを見るタカトは首を振った。

 残念そうな五右衛門は大きなため息をつく。

「そうか……残念だ……実は2冊あったのだが……」

「ぜひ‼ 交換、お願いします♥」

 

 権蔵が空に掲げた残念剣は日の光を激しく散らしていた。

 権蔵は大きなため息をつく。

 一見するだけで、剣の刃先が大きく欠けた粗悪品。

「これは……ひどい……」

 そんな権蔵の横で五右衛門が申し訳なさそうにモジモジしている。

「その……あの……タカト殿が作ってくれた残念剣……ある男の手錠の鎖を切ったら刃こぼれしてしまって……」

 どうやらスカート一枚だけを切り落とすことを目的とした剣には、手錠の鎖は固すぎたようであった。

「タカトの奴……こんな中途半端な仕事をしよってからに……」

「何とかならんであろうか……」

「仕方ない、ワシが作り直してやるわい」

「それで構わぬ! かたじけない! だが、今手持ちがコレしかなくて……」

 五右衛門はすまなそうに懐から一枚の福引券を取り出した。

「それでやってやるが……そもそも元の融合が悪いから、そんなによくはならんぞ! きっと後悔するぞ」

 ここに残念剣あらため。慚悔剣が誕生したのだった。

 

 そこまでして権蔵が手に入れてきた福引券。

 きっとものすごいものが当たるのだろう。

 ビン子は期待に胸を膨らませてタカトにきいた。

「で、1等の景品は何?」

「さぁ?」

「えっ……知らないの」

 足を止め固まるビン子。

 なら、どうしてタカトはこんなにも嬉しそうにしているのだろうか。全くもって分からない。

 

「1等なんて知らねぇよ。しかし、今回の景品はすごいぞ。なんといっても4等は、アイナちゃんの写真集10冊と極め匠印の頑固おやじシリーズの工具……のネジ1点セット!」

 ちなみにこのアイナちゃんの写真集10冊は全ておなじ写真集である。

 そう、アイナちゃんの写真集でありながら全く売れなかったという、ある意味伝説的な写真集『チンころと酢豆腐すどうふ』!

 アイナちゃんが全身ワンワンの着ぐるみを着て、読者へ酢豆腐をアーン♥と食べさせてくれるようなポーズが延々と収録されているのだ。

 しかし、だぼだぼの着ぐるみのおかげで美しいボディラインも、豊満なバストも見えやしない。

 まぁ、確かにアイナちゃんがワンワンの着ぐるみを着ていれば可愛いことは間違いない。

 だが、この写真を撮った写真家……何をとちくるったのか知らないが、なぜかアイナちゃんの顔もワンワンの着ぐるみで覆ってしまったのだ。

 そのためもう、このワンワンが本当にアイナちゃんかどうかも分かりゃしない。

 ただ、単に写真集のタイトルの片隅にアイナちゃんの名前が入っているだけで……後は、ほぼワンワン!

 ワンワン最高ぉぉぉぉ!

 って、お前はNHKの回し者か!

 ちなみにこのNHKは某放送局とは全く関係ございません! 

 そう、これは健全な少年少女の育成を志す、N(ノー)H(エッチ)K(カツドん)!

「欲しがりません! カツまでは! Hエッチの後にIはない! Hエッチの前にIが有る! アルファベット表記を変えよう! 少年少女のためにアルファベットの並びを変えよう! 打倒! エビフライ! 怨敵! エビフリャィィィ!」

 

 さすがにこれにはアイナちゃんのファンもブチ切れた!

 そのため、販売した出版社には返品の山ができていたのだ。

 そんな写真集も在庫整理とばかりに商店街のくじ引きの景品に並べられたのである。

 そのため、4等の当たり本数はなぜか一番多くて1万本!

 これなら絶対に当たるはず!

 って、外れじゃん! これ……

 というか……ワンワンの写真集として売ればいいんじゃね?

 

 興奮を抑えきれないタカトは福引券を強く握りしめガッツポーズをとった。その握りこぶしは、武者震いのように揺れている。タカトの決戦に望む強い決意が、その目に輝いていた。

 

「なんだ、そういうことね」

 腑に落ちたビン子は、笑いながら駆け足でタカトを追いかけた。