令和6年3月4日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

CGC
「旨みの一杯 味噌らーめん」

味噌とポークの旨みだし

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
まだ残ってた。
ストック整理したと思ってたんだけど、隙間にポツンとございました。
でも、カップラーメンの賞味期限って長いから、忘れていても大丈夫www
 
こう考えると、カップ麺って備蓄には適していると思うんですよね。
ただ、カロリーが少ないんです。
災害等が発生したとき、おそらく食べられるものは限られるはず。
その中で最低限のカロリーを摂取しようと思うと、カップ麺だけでは少々心もとない感じがします。
日常生活においてはダイエットや健康志向からカロリー低めの商品開発に向かうのは分かるのですが、ココはあえて逆を狙ってみるのはどうでしょうwww
防災用備蓄、アウトドア用として、カロリーガツンと5倍増し!
これさえ食べておけば一日の必要カロリーを完全摂取!
しかも、お湯で戻すだけの簡単調理!
需要あるかな?
 
ということで、今日は「需要」つながりのお話を。
 

kakuyomu.jp

 

 ――ここはドコ?

 暗い世界……

 ――私は誰?

 真っ暗な世界の中で生まれた私は、孤独に膝を抱えて震えていた。

 ―― 一人はイヤ……

 うつむく瞳から自然と涙がこぼれ落ちていく。

 ――だれか……助けて……だれか……お願い……だれか……

 

 そんな暗闇に、おぼろげな男の声が響いた。

「見つけた……」

 

 うっすらと開く私の視界。

 はじめて光というものを見た瞬間だった。

 

「やっと、見つけた……やっと……」

 だが、いまだかすむ視界の中を、ゆっくりと男の声が近づいてくる。

 次第にはっきりしていく私の世界。

 目の前には、一人の年老いた男が立っていた。

 頭に頭巾をかぶり、いかにも職人風の男は、何故か目に涙を浮かべている。

 ――誰?

 

「こんなところにおったのか……」

 そんな男の震える手が、ゆっくりと私へと伸びてくる。

 

 突然、私の中に恐怖がはじけた。

 この男は敵!

 最愛の人を奪う敵!

 心の中で誰かが叫んだような気がした。

 

 本能的に私は、隣に並んで座る男の子の体を抱きかかえ、守るように覆いかぶさっていた。

 だが、その男の子の体は動かない。

 力いっぱいに引き寄せるに私の腕に従って、力なく倒れ込んでくるだけ。

 ――この子は誰?

 この男の子の顔に、見覚えが無いのだ。

 だけど、なぜだか分かる。

 さっきから体中の細胞が叫んでやまないのだ。

 この方は最愛の人!

 ――最愛の人?

 見たこともないのに……

 だが咄嗟に、覚悟を決めた私の目が前の男をにらみつけていた。

 ――この子を守る! 必ず守る!

 

 大木の枝葉が織りなすまだら模様。

 清らかなる光芒が、森の中に落ちていた。

 その光の筋の周りでは、多くの鳥たちが讃美歌を奏でている。

 それは、まるで聖なる神の誕生を祝うかのようでもあった。

 一つの大きな光の下に小さな女の子と男の子が寄り添うように木の幹にもたれて座りこんでいた。

 4、5歳ほどの二つの幼顔は眠っているかのように目を閉じて動かない。

 

 

「見つけた……」

 そんな大木に、一人の男がゆっくりと近づいてきた。

 

 

「やっと、見つけた……やっと……」

 二人の子供らを見ると安心するかのように言葉を震わせた。

 頭に頭巾をかぶり、いかにも職人風のこの男は、少しだけ若い権蔵であった。

 そう、この話はビン子の記憶。

 10年とちょっと前の頃、権蔵と出会った時の物語である。

 

 その頃、森の中にはまだ、権蔵の道具屋は存在していなかった。

 丸太のログハウスのような古ぼけた小屋が一つたっていただけ。

 そんな小屋の中に権蔵が一人、ポツンと住んでいたのである。

 

 この少し前、第七駐屯地で働いていた権蔵は、騎士である一之祐から休息奴隷になるように、突然、命じられた。

 本来、休息奴隷の制度は奴隷が騎士に請求するものである。

 しかし、今回は権蔵の所有者である金蔵家のたっての請願により、一之祐が権蔵に無理やり休息を命じたのだ。

 時代は第五世代に変わろうという頃、だが、まだ、権蔵の作り出す道具は、戦場では役に立ち需要があった。

 そんな利用価値のある奴隷を、神民である金蔵がいとも簡単に手放そうとしたのかは、権蔵自身、よく分からなかった。

 確かに、正確には分からなかったのだが、なんとなく心当たりはついていた。

 ――おそらく、あの二人がなにかしたのじゃろ……

 その二人が誰の事なのかは、現在に至るまで権蔵はそのことについて固く口を閉ざして喋りもしない。

 

 このようにして休息奴隷となり融合国内に戻った権蔵は、森の奥に小屋を立て一人で静かに生活をし始めていた。

 だが、一滴の血で開血解放をなし得る権蔵の道具の評判は、当然、内地にも伝わっていた。

 そんな凄腕の権蔵を自分の工房に是非スカウトしようと、何人もの職人たちが小屋に訪れるのは自明の理。

 だが、権蔵はその都度、怖い顔をして追い返すのだ。

 どんなに条件のいい話であっても、全く聞く耳すら持たないのである。

 ならば、オリジナルの道具を作ってくれと頼んでみても、時間がないの一点張り。

「金ならいくらでも出そう!」

「ワシは忙しいんじゃ!」

「何が忙しいんだ! 権蔵! お前! 毎日毎日、森の中を歩いているだけだろうが!」

「やかましぃ! さっさと帰れ! 二度と来るな!」 

 無下に断り続ける権蔵の元から、道具作りを依頼する客の足が遠のいていくのは必然であった。

 

 ちょうどその頃、第二の門の騎士に就任したクロトもまた、権蔵のもとに訪れていた。

「権蔵さん、是非、融合加工院に来てくれないだろうか」

 権蔵はその提案に驚いた。

 奴隷の自分が融合加工院に?

 おそらく、奴隷の身分でそんな誘いを受けたのは、後にも先にも権蔵ただ一人だけだろう。

 権蔵は、のどから手が飛び出るほどにその提案に飛びつきたかった。

 そこは融合加工を極めんとする者なら誰しも一度は憧れる場所なのだ。

 行きたい……

 行ってみたい……じゃが……

 そんなクロトの誘いにも権蔵は首を横に振る。

「クロト様、せっかくのお誘いありがとうございますじゃ……じゃが、ワシは、ここで待たねばならんのですじゃ……」

「何を?」

 不思議そうに首をかしげるクロト。

 

「ワシの子らを……」

 
 第57話 第六の騎士の門(5) より