令和6年1月19日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

エースコック

スーパーカップ1.5倍 
「濃コクとんこつラーメン」

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
スーーーーーパーアーアーアー!!!!
 
と、これを食べると叫びたくなります。
でも、なんだか、最近、スーパー感が無くなってきたかのような気がします。
というのも、一昔前は、大盛りといえばスーパーカップ1.5倍が定番でした。
だが、今や群雄割拠!
各メーカーから大盛りのカップラーメン、カップ焼きそばが提供されています。
まるか食品の「超超超超超超大盛やきそばペタマックス」では、なんと!通常麺の7.3倍というボリューム。
もう、1.5倍程度でスーパーとイキっている方が恥ずかしくなりそうですwww
ならばこの際!エースコックもチャレンジしてみてはどうでしょう!
通常麺の8倍! いや!10倍!
これなら、スーパーと冠しても誰も文句は言いませんwww
でも、ラーメンはヤメテ……マジでのびるから……
 
ということで、今日は「スーーーーーパーアーアーアー」つながりのお話を。
 

kakuyomu.jp

 

 話戻って暗い路地。

 ラオウと対峙するサンド・イィィッ!チコウ爵の背後からデスラーの叫び声が響いていた。

「ええい! サンド・イィィッ!チコウ爵! 今日のところは引き上げだ!」

「イィィッィィィ⁉ イィィッィィィ⁉ イィィッィィィ⁉ デスラー副イィィッィィィン長! まだ、立花ハイィィッィィィグショップを襲ってませんよ」

「今は、これ以上!『目玉』の在庫がないのだ!」

 そう、この時、デスラーが言った目玉とは、あの時ガイヤから貰ったカエルの目玉のこと。

 折角、ヒロシの体の中に取り込ませた15個の目玉が、残すところ2個、すなわち頭と体にそれぞれ一個ずつになっていたのである。

 もし、こんな状態で生首交換などすれば、体の中の目玉が頭に移りヒロシの体は元の死体に戻ってしまう。

 しかも、それは首のない腐った死体。

 そんな死体がこの貧民街の路地に転がっていたりしたら……おそらく、翌日の朝刊の見出しは「貧民街で首なし死体見つかる!」で決まりだろう!

 と思ったが、こんな死体など貧民街では日常茶飯事。

 チョット路地裏に入ればヒマモロフ中毒のオッサンがゲロを吐きながら死んでいるのか生きているのか分からない状態でいくらでも転がっているのだ。

 いまさら首なしの腐った死体が一つ転がっているからと言って、それが何だというのだwwww

 まったく話題にすらならないwww

 だが、それよりも、やばいのは……地面に転がっている生首の数々。

 その数は既に13個……

 さすがに、生首が13個も転がっていれば、 散歩をしている婆さんなどは腰を抜かして驚くかもしれない。

「うひょぉぉぉぉ!」

 だが、所詮、死体の生首!

「こんなところに漬物石に使えそうなものが転がっとるわ♡」

 貧民街では、落ちている物は自分の物wwww

 使えるものはなんだって使う。

 貧民街で生きるということは、そういうことなのだ。

 だが、仮に、その生首が生きていたらどうだろう?

 そう、今、地面に転がっている13個の生首が全て、口をパクパクさせながら目をギョロギョロと動かしているのだ。

 しかも、その勢いはとどまるどころを知らない。

 まあ、その実はカエルの目玉が動かしているだけなのだが……この状況だけを見れば、まさに首だけの状態で生きているように見えてしまうのである……

 さすがにこれはキショイ! まじ!キショイ!

 おそらく、根性の入った大阪のおばちゃんですら、こんなキショイものを絶対に漬物石にはしないことだろうw

 

 そんなキショイ生首を回収する気すらない様子のデスラーの声は背後の暗闇の中で向きを変えた。

「サンド・イィィッ!チコウ爵! 撤収だ! 撤収!」

 しかも、デスラー声がどんどんと小さくなっていくではないか。

 もしかして? もう、自分だけ逃げだしたとか?

 ――馬鹿にするな! コレは逃亡などではない!

 そう、これは戦略的撤収!

 すなわち、カエルの目玉のおかわりである!

 研究室に戻りカエルの目玉の補充し終れば、再び立花ハイグショップに攻めるのだ!

 

 だが、そんなデスラーの想いなど、この場にいる誰にも伝わるはずもなく、当然、皆、逃げ出したと思っていた。

「イィィッィィィ⁉ 待ってくださイィィッィィィ! デスラー副イィィッィィィン長!」

 置いてけぼりを食らったサンド・イィィッ!チコウ爵は一人ぼっち。

 この状態でラオウの一撃を食らおうものなら即死! いや、すでに死んでいるから二度死……うん?生首の数を考えたら14度死になるのかwwww

 さすがに、それはやばい。

 わざわざ地獄の縁から舞い戻ってきたのに、まだ、乾いた泥のように積み重なった怨念がぬぐい切れていないのだ……

 そう……この溜まりに溜まったチコウの怨念をぬぐい取るまでは死んでも死にきれない……

 ということで、サンド・イィィッ!チコウ爵もまたラオウに背をむけると、すぐさまバタバタとオーバーアクションで走り出した。

 

 それを見送るルリ子はいまだに四つん這いのまま固まっていた。

 というか、ルリ子の顔が青ざめていたのである。

 というのも、先ほどまで転がっていた生首。

 そんな生首たちが一つもないのである。

 

 この、ほんのわずか少し前……ルリ子が最後に転がる生首の顔を確認した時の事であった。

 一縷の希望をもって恐る恐る掴み上げた頭は、水色のモヒカン頭のグラサン男。

 やはり、父 ヒロシの物ではなかった。

 ――お父さん……どこ……

 がっくりとうなだれるルリ子。

 そんなルリ子の下で、突然、この生首が奇声を発したのだ!

「スーーーーーパーアーアーアー」

 肺につながっていないにもかかわらずである。

 しかも、さらに驚くことに、その首の切断面の肉がムクムクと波打ちだしはじめたのだ。

 そして、次の瞬間!

 ブシュっ! ブシュっ!ブシュっ!

 首の肉を突き破る音がしたかと思うと、首の切断面からカエルの様な足が4本ほど伸びてきた。

 その様子を見るルリ子は、もはや言葉すら発することができないまま四つん這いの状態で固まっていた。

 そんなルリ子の周りでは、何かがガサガサと動き出す。

 それは生えてきた4本の足によって立ち上がった13個の生首たち。

 そんな生首たちが、まるでカエルのようにピョコンピョコンと飛び跳ねながら路地の物陰へと逃げ込んでいったのである。

 それを間近で見ていたルリ子の驚きはいかほどの物であろうか。

 おそらく、あまりの恐怖に思考がストップしたに違いない。

 だが、バタバタと逃げていくサンド・イィィッ!チコウ爵に気づき我に返った。

 確かに転がっていた頭はどれも父のモノではなかった。

 しかし、あの体は紛れもなく父のモノ。

 ならば、あの体を追えば、もしかしたら父の頭が見つかるかもしれない。

 もう、父が戻ってくるのであれば……ゾンビだって構やしない……

 そして、戻ってきた父に向って一言いってやるのだ……『おかえり』と……

 そう、思ったルリ子は勢いよく立ち上がると、去りゆく二人の後を追って懸命に走り出したのだ。

「待って! お父さん!」

 

 走りゆくルリ子の姿を見たラオウは慌てて大声を上げた。

「待て! ルリ子!」

 そう、ルリ子が追おうとしているのは変なゾンビを作るやつらである。

 そんな奴らのアジトに潜り込もうものなら、ルリ子自身も見つかってゾンビにされかねない。

 女がそんな危険に飛び込もうとしているのに、それを黙って見過ごせというのか!

 このラオウ! 腐ってもニシンラオウである!

 世の中の評価は知らないが、自分自身ではうまいラーメンだと思っているのだ!

 ラーメン界きっての帝王であるラ王が、一人の女をみすみす見過ごすとあっては、後世までの語り草!

 というか……

 そんなことにでもなったらキッチンラ王のツケはどうなるというのだ。

 そいつらを追うというのなら、アンパン代金のツケを払ってからにしてほしい!

 だが、そんな思いも走りゆくルリ子には、すでに届かない……

 今や静まり返った暗い路地に、ラオウの絶叫がこだます。

「ルリ子! カンバーック!」 

 

 カンバーーーーック!

 

 カンバーーック!

 

 カンバ……ック……

 

「エビフライ! カンバーック!」

 

 立花ハイグショップの入り口には使われなくなったダンボールが積み重ねられていた。

 そんな段ボールの山を、まるで敷布団にするかのように、その上でビン子がいびきを立てていたのである。

 どうやら、このよだれを垂らす寝顔……おそらく、美味しそうなものでも食べている夢でも見ているのだろう。

「ムニュ……ムニュ……それは私のエビフライ……」

 というか……

 ――お前……俺やクロトのサンドイッチまで残さず食っていただろうが! まだ夢の中でエビフライを食らうとは、どんだけ食い意地が張ってんだよ……

 と、その横で床にあぐらをかき融合加工の作業をしていたタカトは白い目でビン子を見つめていた。

 

 そう、先ほどルリ子が持ってきてくれたサンドイッチ。タカトがハイグショップの看板に気を取られているうちに、ビン子に全て食べられていたのである。

「ごちそうさまでした……げプ……」

 だが、今のタカトに取って、サンドイッチなどどうでもよかった。

 マジか⁉ ビン子に負けず劣らず食い意地の張っているタカト君のくせに?

 いやいや! 食い物なんてどうでもいいのよ!マジで!

 というのも、クロトや立花のオヤッサンたちとハイグショップにある素材を使った融合加工で、これからサタデー!ナイト!フィーバー!で盛り上がろうというのである。

 ――まぁ、今日が土曜日かどうかは知らんけどwwwサンドイッチの一つや二つくれてやるわwwww

 と、超余裕のタカトwww

 だが、それに対してビン子は少々、困っていた。

 というのも、先ほどから男どもがショップの床の上にじかに座り円を作っているのだ。

 その輪の中で、あーでもない!こーでもない!と騒ぎながら、融合加工の道具作りを始めていたのである。

 だが、ビン子にとって、融合加工のオタクどもの話など、まったく興味がないのだ。

 こちとら、シャワーも浴びて飯も食った……あと、することといえば、トイレに行って寝るだけ……

 だが、ここで困ったことが生じた。

 もしかして? トイレ?

 いやいや、一応、立花ハイグショップは客が来る店なのだからトイレぐらいは完備している。

 だが……

 トイレに入ったビン子は後悔した……

「シマッタデー! ないとぉぉぉ! フィンガー!」

 水を流すためにフィンガーでつかんでひねるレバーがなかったのである。

 そう、このトイレ……汲み取り式だったのだ……

 それは、男だろうが、女だろうが、垂直落下式で汚物を落として貯めるだけ。

 だが、一昔前の日本のトイレというものは、大方、こんなトイレばかりだったのである。

 もう……便器の中から立ち上る異臭というかウ〇コ臭。

 いったい何を食っていたら、こんな匂いになるのだろうか?

 ビン子は鼻をつまみながらなんとか用をすました……

 だが、その時、気づいたのだ……

 ――どこで寝よ……

 そう、ここはリサイクル店である。

 すなわち、トイレはあっても寝具は無いのだ。

 いや、もしかしたら、リサイクルで販売するベッドがあるかもしれない……

 と、店内を見回してみたが、それらしきものは見つからなかった。

 そのかわり、見つけたのがダンボールの山。

「あのぉ……すみません……このダンボール、お借りしてもいいですか?」

 だが、そんなビン子の問いかけに、男どもは誰も答えない。

 すでに、4人のオタクたちは道具づくりというゾーンに入り込んでいたのである。

 ビン子はこんな状態になったタカトを今までさんざん見てきた。

 背後から、いくらからかってもみても反応がない……

 エッチな声で誘ってみても、「アホか」のツッコミすらないのである……

 はっきり言って、声をかけるだけ無駄なのだ。

 おそらく残りの三人も同じ穴のムジナ。融合加工のオタクどもである。

 ということで……いちおう、聞くだけ聞いたということで、ビン子はダンボールの山に登って寝はじめた。

 というか、ダンボールって意外とあったかいのね。

 まぁ、確かに発泡スチロールに比べると断熱は落ちるのだが、なにせ曲がるのだ。

 何枚かの薄めの段ボールに幾つかの折り目をつけて体を覆えば毛布代わりにちょうどいいのである。

 ――あったかい……

 ということで、ビン子は夢の国に旅立ったのである。

 

 第644話 カンバーック!  より