令和6年2月20日の昼飯

日、食したカップラーメンはこちら!

 

まるか食品

ペヤング 超大盛やきそば 

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
スゥパァァァァァ!
と叫んでみても、これでもペヤングの中では小者の部類。
メガとかギガとか、アホのようなカップ焼きそばがあるのである。
だが、この超大盛、小者と言っても麺2倍!
やはり、量はかなり多い。
でも、これぐらいのボリュームがないとスーパーとは言えないでしょう。
 
まるか食品は、こういった面白い商品を作ってくれます。
オッサンとしてはワクワクしどおしです。
でも……西の人間としては……焼きそばの味がなんか違うんですよね……
薄いというか……あっさりというか……
もっと、こう……こってりとしたソースが好きなんですけど……
きっと、東京のお味は、これが普通なのかもしれません。
 
ということで、今日は「味」つながりのお話を。
 

 そんな時であった。

「ルリ子がさらわれたぁぁぁぁぁ!」

 半裸の男が立花ハイグショップの入り口から勢いよく駆け込んできた。

 そう、この男、先ほどまでサンド・イィィッ!チコウ爵と激しい?バトルを繰り広げていたラオウであった。

 

 だが、店の中からは何の反応もなかった……

 

 あれ?

 と、頭をかくラオウ

 仕方ないので、もう一度、大きく息を吸い込んで! それからのぉ~

「ルリ子がさらわれたぁぁぁぁぁ!」

 と、入り口で声を大にした。

 

「「「「あぁぁあ! なんだとぉぉぉ! こらぁぁぁあ!」」」」

 床にあぐらをかいて座る四人のオタクたちは殺気を込めた目でラオウを睨みあげた。

 その気迫! まるでヤンキーのメンチ切り!

 いや、そんなものでは生ぬるいwww

 どちらかというと目からビームが飛び出ている感じ。

 そう! まるでマヂンガーZの光子力ビーム!

 そんな4対のビームがラオウに直撃したのだ!

 ドキュンドキュンドキュン!目撃!ドキュン

 あひぃぃぃぃぃぃぃん!

 とっさに身もだえるラオウ

 さすがに南斗パイパンや拳を極めていたとしても、その圧倒的なプレッシャーの前にはどうすることもできなかった。

 だって……仕方ない……

 オタクの趣味を邪魔するというのは万死に値するのだ。

 まして、オタクの収集品を捨てようものなら来世に生まれ変わったとしても許されることはないだろう……それがたとえ原始の神であったとしてもだ…

 だから……オタクをパートナーに持つ人はくれぐれもその取扱いに気を付けよう。

 触らぬオタクに祟りなし……というではないか……

 

 だが、今はそんなことを言っている場合ではなかった。

 

 すごい身振り手振りを交えながらラオウは、先ほどまでの死闘を説明した。

「で! サンド・イィィッ!チコウ爵がルリ子をさらっていったんだ!」

 って、なんだか……ラオウの説明が事実と違っているような気がするのですが……

 確か……ルリ子は自分からついていきましたよね……

 だから、サンド・イィィッ!チコウ爵がルリ子をさらったというのは、チョット言い過ぎのような気がするのですが……

 ――そんなこたぁ!どうでも!いいんだよ!

 このオタクたちが、ルリ子を取り返す気になってくれさえすればそれで構わない。

 何ならルリ子がレイプされたとでも付けくわえておこうかwww

 って、くわえさせようとしていたのはラオウ!テメェのほうだろうが!

 へっ? 何をかイワンや! 辛口ニコフwww

 ――俺は単にパンツについたシュールストレミングをルリ子の舌で掃除させただけだ!

「「「「なに! ルリ子が!」」」」

 と、ようやく状況を認識した四人のオタクたちは互いに顔を見合わせた。

 

 

「あのルリ子が……」と、目を丸くする立花。

 というのも、遅刻したことをとがめても、一度も改めようという気がないのだ。

 そんな頑固なルリ子が……さらわれるとは……

 

「あの鰐川さんが……」と、砕け散ったタイムレコーダーを見るクロト。

 というのも、このタイムレコーダー金属製なのだ。

 そんな金属製のタイムレコーダーを一蹴りでくだく鰐川さんが……さらわれるとは……

 

「ルリ子さん!」と、ひどく動揺するタケシ。

 というのも、父を失ったルリ子の生きる糧になろうとタケシはその怨念を一身に受けようとしていたのだ。

 そんなルリ子の……さらわれた……

 一枚!

 二枚!

 三枚!

 四枚!

 五枚!

 六枚!

 八枚!

 九枚!

 十枚!

 あれ⁉ 皿! 割れてないよぉ~!

 というか、お前……数すら正確に数えられないのかよwwwと、白い目で軽蔑するタカト君。

 

 で、当然、最後は、そのタカト君である。

「なに! ルリ子さんが!」と、前の三人同様、驚くタカト。

 というのも、タカトはこのハイグショップにきて数時間も経っていないのだ。

 ダボダボのティシャツの上からでもはっきりとわかるほどのかなりの巨乳な女がいたことは覚えているが……その女の名前が何というかなんて、いちいち覚えていなかった。

 だが……かといって……こんな雰囲気で、「ルリ子さん……って誰?」などと言い出せるわけはない。

 ということで、ルリ子さんはサラ・ワレーター……きっと、ターミネーターにでてくるサラ・コナーの親戚かなにかなのだろうということで、一人納得した様子であった。

 

 ようやく話しに食いついてきた四人のオタク。

 そんな中、クロトは怖い表情でラオウを睨みつけていた。

ラオウさん!あなたは鰐川さんを見捨ててきたというのですか!」

 そして、タケシもまた先程までと打って変わって荒ぶる表情を見せながらも怒りを押し殺す。

ラオウ! お前‼確か! 南斗パイパンや拳の使い手だったよな!」

 

「いや……おれは……見捨てたわけじゃ……」

 何か隠し事をするかのようなラオウは4人から目をそらした。

「……俺は明日の仕込みをしないといけないんだ……だから……」

 

 だが、その言葉にすかさず立花どん兵衛がツッコむ!

ラオウ! 貴様の店に客など来たことがないだろうが!」

 

 そう……キッチンラ王は客が全く来たことがない……。

 唯一の客はアンパンを食いに来るルリ子だけ……

 そんなルリ子がさらわれて、いい気がしないのはラオウ自身も同じであった。

 だが、そんな思いも今日限り。

 明日になればキッチン・ラ王には女たちが群れをなして列を作るはずなのだ。

 そして、ラオウが作ったラーメンを毎日、物欲しそうな目でおねだりしはじめるのである。

「お願い……もっと……もっと頂戴……」

「我慢できない! 私にも熱いのを注いで!」

「これ!これ!いぐうぅぅぅぅ!」

 もう、想像しただけでラオウの下半身にドビュッシーの音楽が流れてきそうな気がする。

 ――だが、今は我慢だ!

 そのために、昨日までの364日、毎日、毎日、エロ同人誌に書いてあったとおりに……5回、ドビュッシーの愛が奏でるハイレグパンツを煮詰めてきたのである。

 

 そんな股間を押さえ苦虫を潰すラオウを見ながらタカトも渋い顔をしていた。

 

 どうやら、四人目としてタカトもまた、何か言わないといけないと思ったようで……

 ターミネーター……ターミネーター……と思考を巡らせていた。

 ‼

 そして!ターミネーターと言えば!やはりコレである!

I'll愛る……違った。she'll be back!」

 

 それを聞いた瞬間、ラオウはギクリと驚きの表情を浮かべた。

 ――なぜ分かったんだ!この少年! もしかしてエスパー?

 というのも、ハイレグパンツを煮詰めるのも明日で365日目を迎える。

 そう! ついに満願成就!

 完成するのだ! 食べた女がすぐさま発情し目の前の男に一目ぼれする幻のラーメンが!

 そのためには……

 このルリ子がきれいに舌で舐めて掃除してくれたハイレグパンツにドビュッシーの……

 『お汁をつけに帰らないといけない』……のだ!

 

 しかし、ルリ子の残したアンパンの売掛金の回収も何とかしたい。

 そのためには、どうしてもこのオタクたちにルリ子救出に向かってもらうしかないのである。

 ということで……ベタだが……

「アイタタタタ……あああ……お腹が痛い……」

 ラオウは白々しく腹を押さえだした。

 

 その様子を白い目で見つめるオタクたち4人は、どうやらそれが嘘であることをすぐに見抜いたようである。

 

 

 だが、腹を押さえて店の入り口に走るラオウは振り向きざまに捨て台詞。

「地獄……いや、トイレで会うぜ! ベイビー!」

「「「「アホか! お前とトイレなんかで会いたくないわ!」」」」

 と、ついついツッコんでしまった4人のオタクたちであったが、気づいた時にはすでにラオウの姿は無くなっていた。

 

 残ったオタクたちはすぐさまルリ子の救出に向かおうと店を飛び出した。

 立花どん兵衛は店を出てすぐさま右へと走りだす。

 しかし、タケシはその逆の左に向かって走っていた。

 そして、タカトはというと、なぜか通りの真ん中で阿波踊りを踊り始めていたww

「エロい子っちゃ~エロい子っちゃ~ ヨイヨイヨイヨイ!」

 まぁ、タカトにとって、ルリ子という女性がダボシャツのエロイ女の子であることしか分からないのだ。

 もう、踊る以外にどうすることもできなかったのである。

「つづる阿呆に読む阿呆! 同じ阿呆なら読まなきゃ損々! 孫悟空!」

 ということで、てんでバラバラの三人。

 

 そんな三人の様子を見ながらクロトは大きく手を叩いた。

 パン! パン!

「ハイ! 皆さん! 集合~!」

 って、ここは幼稚園かwwww

 だが、三方向に散ったオタクどもはスゴスゴと肩をすぼめて帰ってきたのだ。

 

 店の前に立つ立花どん兵衛は頭を掻きながらぼやき始めた。

「ルリ子がさらわれたと言っても、どこにいるかが分からんのではな……」

 ラオウの話はちゃんと聞いた。聞いたのだが、今、ルリ子がどこにいるのかがサッパリと分からなかったのだ。

 というのも、当のラオウがルリ子の後を追わずに、このハイグショップにいきなり駆け込んできたものだから、実際にルリ子がどこに連れ去られたのかということが分からずじまいだったのである。

 そんな状況で店から飛び出してみたとしても、どちらに方向に向かって走ればいいのか分からないwww

 

「くそ! どうしたらいいんだ!」

 タケシがドンと地面を叩きつけた。

 その様子はまるで早くルリ子を助けに行きたいのに、どうすることもできない歯がゆさを押さえつけるかのようであった。

 

 タカトもまた喉を押さえつける。

 そして、つぶやくのだ……孫悟空の声優 野沢雅子さんの声色で……

「オラ! ラオウの話をちゃんと聞いてたぞ! だったら、デスラーはツョッカー病院にいるんじゃねぇのか!」

 

 ⁉

 それを聞く立花どん兵衛と本郷田タケシは顔を見合わせた。

「「そうか↑」」

 その声は、まるで算数の難しい問題の答えが分かった小学生のようにうわづっていた。

 

 だが、一人クロトだけは渋い顔をしているのだ。

「普通に考えれば……確かにデスラーはツョッカー病院にいると思うのですが……しかし、ツョッカー病院は普通の病院ではありません……」

 それを聞く立花どん兵衛と本郷田タケシは、再び、顔を見合わせて……

「「そうか↓」」

 今度はどんよりと曇る声……なんだか急に落ち込んだ。

 

 というのも、ツョッカー病院は救急患者を受入をしない。

 まぁ、いわゆる町医者の少し大きいバージョンなのだ。

 だが、病床数は100と異常に多い。

 なぜなら、病院経営のために入院患者をガッツリと確保しておく必要があったのである。

 だが、世は働き方改革が唱えられる時代。

 病院と言えども働き方改革の波は避けて通れなかった。

 すなわち、命のためと言えども!無理な残業は許されないのである。

 ということで、ツョッカー病院長の残業撲滅命令によって、一分一秒でも早く帰れといわれていたのである。

 しかし、コレだけ聞くと、なんと労働者にとって理想的な職場なのだろうとおもってしまうことだろう。

 だが、ツョッカー病院を甘く見てもらっては困る!

 そう!そんなことは政治家さんがよくやる手!

 表面上は聞き心地がいい言葉であったとしても、その本心は悪魔のように真っ黒に汚れているのだ。

 そもそもツョッカー病院に労働者のことを考える常識などあるはずもない!

 ただそこにあるのは病院経営の利益追求のみ! 

 ということで、働き方改革を言い訳に夜勤の残業代を完全にカットしたのである。

 これにより夕方7時を過ぎると、ツョッカー病院は強制的に閉院したのだ。

 って、時間がくれば病院が締まるのは当たり前のことだろうwwww

 なにをおっしゃいますwwww

 ツョッカー病院の閉院は外来患者の受け入れを辞めることだけではないのです!

 そう、医者も看護師も、そしてまた見回りをする警備員たちも皆、強制的に帰宅の途につかされるのである。

 すなわち、院内は入院患者を残して完全に無人……すなわち、入院患者の看護すらも全く行われなくなるのである。

 いかに入院患者の容態が悪化してようが、ほったらかし。

 もう、金さえもらえば生きようが死のうが関係なかった!

 そのため、ツョッカー病院に入院すると二度と生きて出てこられないという噂まで流れていたのである。

 

 当然、立花どん兵衛と本郷田タケシは、クロト同様にツョッカー病院の黒いうわさについては聞き及んでいた。

 そして……今の時刻は11時過ぎ……

 当然にツョッカー病院は閉まっている。

 そして、院長の残業撲滅命令によって、院内には医者も看護師も時間外は入ることが禁じられていた。

 ということは……デスラーがこの時間、ツョッカー病院に戻ったとしても院内に入ることは能わず……ということになるのではないだろうか……