令和5年11月8日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

徳島製粉
「金ちゃん きつねうどん」

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
しかし! なんなんでしょうね!
カップラーメンにお湯を入れようと思ったら、お湯がない!
しかも! 1/3ほど入れたあたりで、いつも!無くなるんです!
もうね! いやがらせかと思いますよ! マジで!
 
と、ポットに新しいお水を入れながら不平不満を漏らしている私ですが……
よくよく考えてみると、私、年間約280個のカップラーメンを食べている計算でございまして。(これは過去のブログを見ればちゃんと証明できますwww)
そのうち、今回のようなお湯がないという案件は年に1件あるかどうか……
すなわち、それ以外の279件については、なんの不満もなくカップラーメンを食しているわけです。
でも、このお湯がないという不平不満をぶちまけると、なんだかいつもお湯がなかったかのように大騒ぎになってしまうわけです。
不思議ですね~
おそらく、人間の脳ってピンチの時の状況を鮮明に記憶しておくんでしょうね。
そのため、さもピンチが何度も繰り返されているような錯覚をするのでしょう。
そして、その事実を認識しないまま給湯室の中心で大声で叫ぶ!
「誰か!たずげてぇぇぇえぇぇ!」」
 
あれ……
これって、まんまどこかの市民団体じゃないでしょうかwww
大きな声で主張していることが、さも日本全体で起こっているかのように聞こえるけども、実際によくよく観察してみると、それはほんのごく一部。
今回のお湯のように、それぐらいのことでイチイチ騒ぐなよ!ってこともあるのかもしれません。
でも、そんな小さい出来事を何とかするために大多数の行動を制限される。
なんと息苦しい世界なんでしょうwwww
なんだか、今の日本って、こういう行き過ぎた制約によって身動きが取れなくなっているような気がします。
 
あ! お湯が沸いたwwww
 
ということで、今日は「誰か!たずげてぇぇぇえぇぇ!」つながりのお話を。
 

kakuyomu.jp

 

 ――タカト君……

 迫りくるググの爪を前にして死の覚悟を決めたカリアは瞳を静かに閉じていた。

 そんな瞼の裏に映っていたのは、カリアの一番大切な時間。

 決して忘れたくない宝物のような時間……

 そう、あのゴミ捨て場でタカトと過ごした幼い時の思い出である。

 その思いを胸にググの爪に貫かれて死のうと思っていたのだ。

 

 だが、記憶の中のタカトが笑うのだ……

「馬鹿だなwww髪の毛が緑なだけで魔物の訳ないだろうwww」

 あの屈託のない笑顔……

「カリアちゃんは、カリアちゃんだろwwww」

 卑下される緑女にも関わらず、その笑顔は友に向ける笑顔そのもの……

「カリアちゃんは絶対にいいお嫁さんになると思うよ! 何なら俺を旦那さんにもらってくださいっ! お願いしやす!」

 ビシっ!

「いてっ! 何しやがる! くそビン子!」

 そんなタカトの笑顔を思い出すと、なぜか自然と涙があふれてくるのだ。

 ――もう一度……もう一度だけ……あの笑顔を見たい……

 嫌……

 ――もう一度……もう一度だけ……一緒に笑いたい……

 そう思うと、死を受け入れていたはずの覚悟が揺らぐのだ。

 ――死にたくない……

 ――じにだぐない……

 でも……もう、カリアの体は動かない……

 ――このままだと……アタイの人生……本当に一人ぼっちじゃないか……

 死の恐怖に自然と体が震えだす……

 ――いやだ……いやだ……そんなの嫌だ……

 ――生ぎたい……生きだい……

「誰か! たずげてぇぇぇえぇぇ!」

 

「あきらめるなぁぁぁぁ!」

 死におびえるカリアの背後から一人の男の怒声が響いた。

 それは強い意志と慈愛とが共存するかのような男らしい声。

 しかも、どことなく記憶の中のタカトの声に似ているような気もしないでもない。

 そんな声に泣き崩れたカリアの顔が反応したのだ。

 ――タカト君⁉

 カリアが背後を振り向こうとした瞬間。

 視界の脇から電光石火の勢いで伸びてくる黒い拳が、カリアの傾く左髪をかすめて飛んでいった。

 

破邪顕正!」

 

 突然!カリアの横顔に飛び散る魔血のしぶき!

 あれほど涙でぐちゃぐちゃになっていたカリアの半面が、まるで、マジンガーZに出てくる阿修羅男爵のように一瞬で赤紫に染まったのである。

 何が起こったのか分からないカリアの視線は、まっすぐに伸びている黒い拳の先へと従いゆっくりと正面に戻っていった。

 すると、そこには首から魔血を吹き上げ後ろに倒れこんでいくググの姿があったのである。

 

 そう!

 ググの爪がカリアに届くよりも早く背後から伸びた黒い拳がググの頭が吹き飛ばしていたのだ。

 それはまさに水風船を破裂させるが如く。

 パン!

 

 さすがのググも頭を弾かれては簡単に再生はできない。

 魔血をまき散らしながら倒れ落ちたググは、いまや地面でピクピクと痙攣していた。

 

 一方、何がおこったかのか分からないカリア。

 今度は黒い拳の元へと視線を動かした。

 そこには、一人の黒い魔装騎兵が拳を繰り出し立っていた。

 ――もしかして……

 一瞬にしてあふれ出すカリアの涙。

 ――もしかして……

 だが、その魔装騎兵の表情は黒い虎の魔装装甲に覆われてうかがうことはできない。

 しかし、カリアはその魔装装甲の下にあるはずの男の顔を強く思うのである。

 ――アタイのような緑女を助けてくれる変わった人などタカト君以外にいない……

 幼き時、ゴミ捨て場で出会ったタカトは16歳ぐらいに見えた。

 あれから、10年……立派な青年に成長していてもおかしくはない。

 ――タカト君のような強くて優しい人なら、きっと魔装騎兵になっていてもおかしくないかも……

「タ……カ……ト……君……」

 しかし、そう声を出そうとするカリアの体は……もう限界だった。

 きっと安心したためなのだろう、折れた棍棒を支えにしていた体が一気に崩れ落ちたのである。

 だが、そんなカリアの体を太く強い腕が抱き上げたのだ。

 

 うっすらと開くカリアの瞳。

 そんな瞳は虎の装甲からかすかにのぞく男の瞳を見つめ上げていた。

 それは、どこまでも澄み切った美しい瞳。

 だが、カリアには、この瞳に見覚えがあるような気がした。

 いや、見覚えがあったのだ!

 ここまできれいな瞳は、絶対に彼しかいない……

 ――ああ……やっぱり……タカト君だ……

 

 左手にカリアを抱きかかえる黒い虎の魔装騎兵は、

「おいおい! それで終わりとかじゃないんだろ!」

 と、目の前でピクつくググを睨みつけ戦いの構えを解いていなかった。

 まさか、この魔装騎兵は頭がなくなったググがまだ戦えると思っているのだろうか?

 たしかに、鶏は頭を失っても数歩あるくことができるという。

 だが、ググはウーパールーパー。鶏ではない。

 だからこそ、多くの者たちは、この状態でググが生きているとは思わない。

 おそらく生きているように見えるのは、死に直面した体が酸素を求めて単に痙攣しているだけなのだ……と。

 

 しかし、この虎の魔装騎兵は幾多の戦いを生き抜いてきた。

 その中には、神民魔人との激しいバトルもあったことだろう。

 そんな経験が彼につぶやくのである。

 ――奴は……まだ、生きている……

 ここでうかつに隙を見せれば、ググの体がはね起きて今度は自分の首がはね飛んでいるに違いないのである。

 そもそも魔人相手の戦いに、人間の戦い方のセオリーを持ち込む方がアホなのだ。

 そんな奴から、死んでいく……

 そんな奴らを、今まで多く見てきた……

 常識で考えるな! 常に死を意識しろ!

「まだ、死んでないんだろwww なぁ! 神民魔人様よ!」

 

 なんと!そんな問いかけにググの体が反応したのだ。

 頭のない体が腕を突き、ゆっくりと上半身を起こし始めたのだ。

 これには周囲を取り巻く奴隷兵たちも驚いた。

 ――おいおい……まさか、あの状態で生きているのかよ?

 

 そんな驚きの中、ついにググの体がゆっくりと立ち上がった。

「ヒヒヒヒ! よく気が付いたね……あの頭は飾りだよ……」

 その声はググの腹、いや腹が大きく裂けてできた口から不気味な笑い声とともに発せられていたのである。

 しかも、その胸についていたはずの二つのイチゴたんが、なんと二つの緑色をした目に変わっていたのだ。

 キモっ!

「ヒヒヒヒ! アンタも、その女も仲良く私の胃袋に納めてあげるよ! 感謝しな! ヒヒヒヒ!」

 そう言い終わらないうちに、ググの体が一気に加速し虎の魔装騎兵に突っ込んできたのである。

 とたん! 繰り出されるググの爪

 左右両方から交互に繰り出される爪撃が、カリアを抱える虎の魔装騎兵を疾風怒濤の勢いで攻め立てる。

 まさに、その攻撃は、激しく吹きおこる風と荒れ狂う大波のごとく!

 

 だが、その攻撃に臆することなく迎え撃つ魔装騎兵。右手一本でググの爪をはじき始めた。

 しかし、ググの手は二本。

 一方、魔装騎兵はカリアを抱えているために右手一本で戦わねばならないというハンデつき。

 だからと言って、魔装装甲が身を守ってくれる魔装騎兵と違い、その体のほとんどが露出しているカリアをここで手放せば、おそらくこの戦いに巻き込まれてしまうことだろう。

 それはすなわち、カリアの死は意味している。

 

 とは言え……カリアは緑女……その命は軽い。神民兵である魔装騎兵の命と比べると存在すら認識されないほど軽い存在なのだ。

 ならば、カリアを捨てて両の手でググの攻撃をいなすのが最善策というものである。

 

 

 おそらくカリア自身もそれを理解しているのか、薄れる意識の中で大声で叫ぶのだ。

「アタイを捨てろ! アタイは緑女だ! アタイなんて死んでも構やしないんだよ!」

 

 だがしかし!

 虎の魔装騎兵は「黙ってろ! 舌をかみ切るぞ!」と大きく怒鳴ると、わざと体を半身引いたのだ。

 それは、まるで我を身を盾にして左手に抱いたカリアを隠し守るかのようにも見える。

 その証拠に魔装騎兵のカリアを抱きしめる手には、さらなる力が込められていた。

 

 しかし、1本の腕と2本の腕では戦闘の結果は見えている。

 そのため、先ほどから激しく打ちつけられる魔装装甲が激しいきしみ音を立てていた。

 いかに強固な魔装装甲といえども、いつまでも鉄壁というわけではない。

 当然、限界を迎えれば砕け散るのである。

 あとに残されるのは生身の体。

 魔人の眼前に生身の体などさらせば、一瞬のうちに食われてしまうことだろう。

 

「アタイを捨てろ! アタイは緑女だ! 緑女なんだよ!」

 まるで子供のように泣きじゃくるカリアは、今や涙でぐしゃぐしゃにしながら頬を赤く染めていた。

 

 だが、不思議なことにカリアは妙な気持ちに包まれていたのだ。

 ――この気持ちは……なに?

 それは今まで感じたことがない感覚……何というか……誰かに守ってもらえるという安らぎ……

 カリアの人生で、これほど人に強く、そして優しく抱きしめられたことなどありはしなかった。

 それがどうだ……抱きしめられる腕を通して男の体温が伝わってくるようである。

 人とはこんなに温かかったものなのか……

 それはまるで、いつも一人でおびえていた暗闇に、うっすらと小さなマッチの炎が揺らめくような感じなのだ。

 だが、おそらく……その小さき炎は……きっと、すぐ消えてしまうことだろう……

 ――そう……アタイは……緑女……

 それでもいい……

 それでもいい……

 せめて、今の間だけでも、その小さき炎にあたっていたいのだ……

 なぜかこの瞬間だけは……自分は一人じゃないんだと思えたのである……

 ――できることならば、ずっとこうしていたい……

 ……死の瞬間まで、こうしていたい……

 ……せめて、人として、安らぎの中で眠りたい……

 ――でも無理……アタイは……緑女……

「放せ! 放じでぐれぇぇえ! アタイは緑女なんだよ!」

 しかし、カリアは発するそんな言葉とうらはらに、彼女の手は離れまいと強く強く魔装騎兵の強い腕にしがみついていたのだ。

 

 そんな使い捨てのような緑女たち。

 いまや、その緑女たちの姿はほとんど消えていた。

 おそらく多くの緑女たちは、すでに魔物に食われてしまったのだろう……

 残るのはカリアを含めて数名を残すのみ……

 そのため、いつしか虎の魔装騎兵の周りには城壁の隙間からなだれ込んできた魔物たちが取り囲んでいたのである。

 しかも、この魔物たち……苦境のググに恩でも売りたいのか、それとも目の前の獲物を横取りするつもりなのか分からないが、この二人の戦闘に割り込んできたのである。

 えっ? 奴隷兵たち?

 ああ……あいつらね……あいつら……すでに広場のはずれの物陰に隠れてブルっているだけなの。

 まぁ、仕方ないよねぇ~命はやっぱり大事だものwww

 

 第50話 激闘!第六駐屯地!(21)黒い獅子 より