令和5年11月10日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

サッポロ一番

カップスター ばかうけごま揚しょうゆ風味」

 

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
なるほどwwww
確かにばかうけだわwww
 
でも、このカップ麺の中に実は「ばかうけ」は入っていないんです
それなのに、ちゃんと「ばかうけ」ぽい味がするwww
しかも、この揚げあられが「ばかうけ」っぽい食感を更に出しています。
いいですねwwww
ばかうけ」ファンにはたまらない逸品です!
 
でも!
なぜ⁉「ばかうけ」?
 
なにゆえに「ばかうけ」をカップラーメンにしようと思ったのか?
そこがかなり気になりますねwww
 
ということで、今日は「ファン」つながりのお話を
 
 

 鍋の中の湯がグラグラと煮える。

 そんな鍋の中を覗き込みながらエドワード料理長は考えるのだ。

 ――奴らは何者だ……

 激辛カレーをなんなくペロリと平らげた……それはまるで悪魔のようではないか……

 もしかして、奴らがあの名高き悪魔の実を食いし者なのか⁉

 だが、それならば対処のしようはある。

 そう、悪魔の身の能力者は海水に弱いのである!

 ならばと、エドワードは鍋の中に海水をドバドバと注ぎ込んだ。

 だが、これではただ塩辛いカレーになっただけだ。

 この程度の辛さなど、あのブートジョロキアをふんだんに入れたカレーを食べ切った奴らにとってはジュースと同じ……

 ――ならばどうする……

 悩みに悩んだエドワード料理長は、ついに禁断の悪魔の実に手を出したのだ……

 そう、それはキャロライナ・リーパー!

 世界最強!いや最辛の唐辛子なのである!

 その辛さはハバネロの12倍の辛さを持っていると言われている。

 すなわちブートジョロキアのおおよそ倍近く辛い食べ物なのだ。

 いや、もう食べ物と表現するのは無理がある。

 というのも、あまりにも辛すぎて食べることができないのだ。

 当然、そんなキャロライナ・リーパーだから食材として世に出回っていない。

 と思ったら、「死神」という名前でキャロライナ・リーパーを使用した一味唐辛子が一瓶10gで売っとったwwwまぁいいやwww

 ということで、ここでエドワードのグラグラの能力が発動したのだ。

 グラインダーにつぐグラインダー!

 そう、あまり店に売っていないのであれば自分で粉末にするしかないのである!

 グラグラと揺れるすり鉢の中でキャロライナ・リーパーが毒々しい赤い粉末に変わっていく。

 今や山盛りとなった赤い粉! その量はグラグラということで10g×10gで100g! 計算が違う? 知らんがなwww

 そんな量を惜しげもなくグラグラと沸き立つカレー鍋へと放り込んだのだ!

 瞬間! 鍋から噴き出す刺激臭!

 だが、もはや、そこには香りなど感じない。

 鼻孔の奥に広がるのは、ただの激痛……

 そう、エドワードは忘れていたのである。

 この刺激臭は自分にも襲いかかってくることに。

 すでにエドワードの顔面は涙と鼻水でぶち壊れ、目などは赤く充血して泣き腫らしていた。

 

 先程から、あまりの激痛に頭がグラグラと揺れる。

 ――意識が遠のきそうだ……

 だが、このカレーを奴らの前に持っていくまでは終わりではない!

 一歩一歩と地面をこする足が揺れる体を何とか支え切る。

 しかし、エドワードの視界に映る控室のドアが、かすんでよく見えないのだ。

 ――控室の入り口がこんなに遠いものだったとはな……

 

 だが! なんやかんやで、ついにエドワードはタカト達の前に仁王だったのだ!

「餓鬼ども! お待ちかねのおかわりだぜ! 残さず食えよ!」

 エドワードは最後の力を振り絞って手に持っていた寸胴鍋をドンと机の上に叩き置く。

 飛び散るカレー!

 瞬間、周りの参加者が激臭に目をこすり、泣き叫びながら畳の上に転がった。

 そして、エドワードもまた、ついに限界を迎えたのか……その大きな体が前のめりに倒れこんでいったのだ。

 ドシーン!

 控室のたたみの上に白髭料理長ことエドワードの巨体がうつぶせに倒れこんでいた。

「料理長!」

 次々とエドワードの周りに集まるコックたちが叫び声をあげながら横たわる巨体を抱き起す。

「料理長! しっかりしてください! 料理長!」

 なんとか仰向けに戻されたエドワードの瞳がかすかに開いていた。

「お前たち……最後に……一つだけ聞かせろ……おれが親父でよかったか……」

 そんな弱々しい問いかけにコックたちは嗚咽の混じった声でうなづくのだ。

「当然ス……親父さん……」

「俺たちは白ヒゲ料理団に入れて嬉しかったんだ!」

 エドワードはその言葉に、力なく微笑んだ。

「そうか……それは……よ……か……っ……た……」

 そして、ついにエドワードの手が地に落ちた。

 ここに白ヒゲ料理長エドワード!おつ!

 

おやっさん! 死なないでくださいぃぃぃ!」

「ぐはぁぁあぁ! 親父! 死ぬなぁぁぁぁ!」

 という悲痛な叫び声の中でタカトの声もまた響くのだ!

「ぐはぁぁあぁ! おかわりぃぃぃ!」

 って、あれを食べたのかよ!

 先ほどまで泣いていたコックたちも目を丸くしてタカトを見ながら固まっていた。

 そして、畳の上ではエドワードもまた目を丸くして上半身を飛び起こしていたのだ。

「マジかよ!!!!!!!」

 って、お前の方がマジかよ! だって、さっき死んだんじゃなかったのかよ!

 えっ?

 おつ!ってお疲れ様の意味じゃなかったのwwww

 そんなエドワードを見ながら顔中にまっ茶色のカレーをつけて、しかも、目を真っ赤に充血させたタカトが鼻で笑うのだ。

 ――所詮は人のつくりしものよ!

 そう、エドワードは料理人!

 あくまでも彼が作るものは食べることができる料理なのである。

 まぁ、確かにこのカレーは激辛すぎて、翌朝のトイレで絶叫を上げることになるのかもしれないのだが……それでも、一応、食べ物の範疇に入るのだ。

 どんなに頑張っても無意識に料理を作ってしまう料理人の悲しきサガ……

 そう、これがエドワードの限界なのである……

 ならば!それが食い物である以上、手を加えれば必ず食べられるようになるのだ。

 すなわち! いかに激辛のキャロライナ・リーパーがふんだんに入れられたカレーであったとしても、それを数万倍に希釈すれば辛さもまた薄まるということなのである。

 えっ? タカトが、いつそんなことをしたんだって?

 するわけないじゃん!

 だって、ココは控室。

 周りにあるのは、道具コンテストに参加する参加者たちとその道具、そして、先ほどからずっと窓の外から部屋の中を覗いているやじ馬のミーニャぐらいなものなのだから。

 

 復讐の機会を伺うかのように歯ぎしりしながら眉間にしわを寄せ、しかも美少女とはとても思えないような険悪な表情でジッと室内のタカトの様子を覗き見しているミーニャの背中に

「ミーニャちゃん、何を見ているの?」

 と、セレスティーノが嬉しそうに声をかけた。

 そう、セレスティーノはミーニャちゃんの大ファンなのである。

 って、この時はまだ、ミーニャは芸能界にデビューをしていない。

 それどころか神民学校の初等部2年だ。

 そして、セレスティーノもまた、まだ騎士ではない。

 たしかに、神民学校の中等部に在籍はしているのだが、神民学校の生徒会長にすらなっていないのである。

 今の生徒会長は高等部3年のクロト = メンジェントル。のちの第二の門の騎士になる男である。

 だが、クロトもまた、現時点では騎士ではない。

 そう、第二の騎士は「東城史内」なのである。

 しかし、史内の神民数が限界を超え、ついに騎士交代の時期を迎えたのだ。

 そんなものだから、この章のまえのお話では、モーブや一之祐たちによって史内の後釜にクロトを推薦しようと決めたのである。

 

 ――ちっ! セレスティーノかよ!

 しかし、振り返ったミーニャの顔は満面の作り笑顔。

セレスティーノ君☆こんにちは☆ きらっ☆」 

 もう、これでもかというぐらいに可愛い子ぶっていた。

 だが、セレスティーノは見てしまったのだ……そう、一瞬、振り向く直前……一瞬いやそうな顔でミーニャが舌打つ様子が目の前のガラスに反射していたのだ。

 だが、ミーニャちゃん大好きのセレスティーノの認知バイアスによって、きっとミーニャちゃんはお腹でも痛いんだろうと勝手に思い込んだのである。

「ミーニャね☆今ね☆悪の大王の様子を探っていたところなんだよ☆ きらっ☆」

「悪の大王ですか?」

 どれどれ……と、セレスティーノも窓から控室の中を覗き込んだ。

 そこには鍋に顔を突っ込んでいたタカトとビン子が顔中にまっ茶色いろなカレーをつけて叫び声をあげていた。

「目にしみるぅぅぅ!」

「息ができないわ! 息が!」

 ――確かにコイツら……アホの大王だなwww

 で……こいつ等は何をしているんだ?

 と、基本的な疑問にぶち当たったセレスティーノであったが、ミーニャはそんな疑問をすでに見越していたのだろう、聞かれもしないのに勝手にタカト達の悪の所業を語り始めたのだった。

セレスティーノ君☆聞いて☆あいつらって超ひどいのよ!」

 そう、窓からジッと見ていたミーニャだからこそ、タカトの行ったカラクリが分かったのである。

 

 タカトは鍋に顔を突っ込むと同時に口先に黒い物体を咥えたのだ。

 その物体の形は握りこぶし一個分ほどの茄子……いや、もっとわかりやすく例えるならばエッチな漫画に出てくるアナ●プラグみたいな形のモノなのである。

「ふぁいふぇつふぁふぉう!(開血解放!)」

 そして、その開血解放したアナ●プラグの先端をカレーのルーの表面にピチャリとつけるのだ。

 ちなみに、使用した血液はタカトの口の中でデキモノになっている口内炎から絞り取ったものである。そう、タカトの開血解放は師匠である権蔵同様に微少な血液で足りるのだ! どうだ! すごいだろう!

 すると! 何ということでしょう!

 カレーのルーが中に溶け込んだ具材とともに勢いよくアナ●プラグに吸い込まれていくではありませんか!

 そう! タカトの奴はカレー鍋に顔を突っ込んでいたにもかかわらず、カレーを全く食べていなかったのだ。

 食べる代わりに、その黒い茄子のような物体の中にカレーを取り込んでいたのである。

 例えるなら、それは食い放題のお店で家から持ってきたタッパーに食材をドンドン詰めて帰ろうとするセコイおばちゃんのよう。

 ――帰ってからゆっくり食べましょwww これで数日間は食費が浮くわwww

 言うまでもなく、この所業はただの窃盗、泥棒である……となれば、確かにコイツは悪の大王だわwww

 そのため、どんなに激辛のカレーが出されようともタカトには関係なかった。

 だって、食べてないんだもん。

 だが、それを知らないエドワード料理長……ウン、よく頑張ったよ。

 えっ? なに? ビン子もまた、同じように茄子を口に咥えていたのかだって?

 さすがに、この形……女の子に咥えさせると18禁指定を食らいそうなのだ。

 だから、ビン子はダミー!

 タカトの悪行を隠すためにあえてビン子もまた鍋の中に顔を突っ込んでいただけなのだ……と、思ったら……

 ひっ! ひっ! フー!

 ひっ! ひっ! フー!

 先程から、真っ赤に腫れあがった唇を必死で手であおいでおりましたwww

「辛いわ! 辛いわ! でも美味しぃいぃぃい♡」

 って、ビン子の奴! あのキャロライナ・リーパーの激辛カレー食っとるやないかい!