令和6年3月12日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

サンヨー食品

サッポロ一番

「みそらーめん」

 
だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
また、味が変わっとるwww
ここ最近の記憶では、フリーズドライのバージョン。
 

penpenkusanosuk.hatenablog.com

 

液体ミソスープのバージョン。

penpenkusanosuk.hatenablog.com

 

で、また戻って粉末味噌スープのバージョンwww

おそらく、これがオリジナルなんだろうけど。

ココまで味がころころ変わると定番商品の強みが全く発揮されないのでは?

 

いや、もしかしたら定番としての力がないから、味をコロコロ変えるのだろうか?

食べる方としては、あの味が食べたいと思って買ったのにも関わらず、味が違っていればガッカリものである。

やはり、定番商品は横綱のようにどっしりと構えておく方が好ましい。

 

だからこそ、味を変えるのであれば本家を変えるのではなく、スピンアウトとして別商品を並べるべきだと私は思うのだ。

 

なんか、これを食べていると、あの大塚家具を連想してしまう。

あれも、本家をいじるのではなく別店舗を構えていれば、あそこまでこじれることはなかっただろうに……

 

ということで、今日は「本家」つながりのお話を。

 

kakuyomu.jp

 

 そんな無駄にテンションマックスのユングラーが、ステージの脇に控えるタカトを紹介するのである。

「さて、本日最後の参加者は、なんと第七の騎士!一之祐さまの肝いり! 一之祐様が推薦する者といえば、あの奴隷でありながら融合加工の優れた職人である権蔵が有名だ! そんな権蔵に引けを取らないと言われる今回の参加者! そんな彼がついに満を持して登場だぁぁぁぁぁ!」

 その紹介に会場からは割れんばかりの歓声が上がっていた。

 

 初めてのステージに緊張しまくるタカト君。

 ステージの脇から出てくる姿は、右手と右足が同時に出てくるカチコチのロボットのよう。

 だが、何とかステージの真ん中までたどり着くと、観客席に向かうように方向を、鋭く90度変えたのだ。

 だが、そこから動かない……

 指一本、ピクリとも動かないのだ……

 そんなものだから、観客席もまた……なにも反応しない。

 何か妙にこそばゆい静かな空気が流れていた。

 そんな空気の中、ステージの脇から覗くビン子だけは、両手を握りしめて小さな声を出して応援していた。

(タカト! がんばって!)

 だが、そんなもので観客の雰囲気が変わるわけもなく、相変わらず水を打ったように静かな会場。

 タカトの横に立つ司会のユングラーは、その空気をなんとか変えようと口を開いた。

「この少年の名前は天塚タカト君! さあ、君が持ってきた道具を審査員の皆さんに見せてください!」

 と、タカトを促すのだが……

 タカトは正面の観客席を見たまま微動だにしない。

 少々、困り顔を浮かべたユングラーは、再度促す。

「えーっと……タカト君……コンテストは始まっていますよぉ~」

 やっと、その事実に気づいたようでタカトは大きな返事をした。

「ハヒィィ!」

 ハヒィ? ハイじゃなくてハヒィwww

 緊張で声がうわづったタカトは、つい素っ頓狂な返事をしてしまった。

 だが、妙な緊張に包まれていた観客席は大爆笑www

 ワハハハハハハ ハヒィだってよwww

 と、先ほどまでの雰囲気と打って変わって和気あいあいとリラックスした感じに変わったのであった。

 

 それによって、タカト君も調子が出てきた。

「ハヒィィ! ぼっ! 僕が今回! ヒョウカイするのは!」

 が、上ずる声。どうやらまだまだ緊張しているご様子。

 カチンコチンのタカトは目にいっぱいの涙をためながら、ステージの横にいるビン子に目をやった。

(タスケテ……ビン子ちゃん……)

 だが、先ほどから目に炎を宿したビン子はガッツポーズにした右手を上下に振っているだけ。

(タカト! ガンバっ)

 助ける気などナッシング!

 いや、ビン子ができることなど何もない。

 タカト自身が頑張るしかないのだ。

 それはタカトも分かっている。分かっているのだが観客たちの様子を見ると頭の中が真っ白になってくるのである。

 

 そんな時……

(私たちを全国ツアーに連れて行ってくれるって言ったじゃない……)

 カチンコチンになったタカトの肩を、一つの優しき風がそっと撫でていったのだ。

 一瞬、ビン子にはアイナがタカトの背中越しにギュッと抱きしめているようにも見えた。

 ――えっ⁉ なんでアイナ?

 ゴシゴシと目をこすり、もう一度ステージに目をやるが、そこにはもうアイナはいない。代わりに、先ほどまであれほど怯えていたタカトが目にやる気の炎を燃えあがらせていたのである!

 そう、かつてタカトは第七駐屯地でアイナと約束したのだ……

 アイナとチビ真音子を武道館のステージに連れていくと!

 それに比べれば、こんな小さきステージなど、どうというのだ。

 ――そう、俺はプロデューサータカト! こんなところで終わるわけにはいかないんだ!

 それが、アイナちゃんとの約束……

 もう……アイドルのコンサートは無理でも、融合加工の頂点なら目指すことはできる!

 ならば、それが俺の登る道!

(頑張ってね……タカ……ト……く……ん……)

 

 一歩前に力強く踏み出すタカトは声を大きく張り上げた。

 それは先ほどまで上ずる声などではなく、どことなく男らしく強い声。

 そんな声で融合加工の説明を始めたのである。

「男性諸君は、今までの人生で思ったことはないだろうか?」

 その様子はまるでTEDカンファレンスでプレゼンテーションをする有名人のように威風堂々!

 おお! コレは期待できそうだwww

 おそらく、審査員たちは皆、かなりの期待を寄せたことだろう。

 

「ベッドの下に隠したエロ本が、母親に見つかってしまうのではないだろうかと?」

 うん?

「または、トイレの中で、しまった!別のエロ本を持ってきてしまった!などと困り果てたということを……」

 この少年は一体何を言っているんだ?

 この辺りで、すでに審査員たちの頭の上にはクエスチョンマークが浮かび始めていた。

 

 だが、タカトは腕に巻いた融合加工の道具を高らかに掲げ、そして、道具の名前を口にするのである。

「ハイ! そんなお悩みを解決するのが今回ご紹介する『エロ本カクーセル巻』なのです!」

 エロ本?

 この少年はエロ本と言ったのか?

 高尚な道具コンテストでエロ本と言いおったのか?

 すでに、審査員たちの額には青筋が立ち始めていた。

 早っ!

 

 だが、それとは逆に観客席はバカウケ!

 というのも、これまでの参加者たちは自分たちが作った道具の使用方法など、それなりに工夫を凝らしてプレゼンテーションを行っていたのであるが……総じて、固い……要はつまらないのである。

 まぁ、確かに道具コンテストは技術系のコンテストである。

 ウケや笑いを狙いに行くお笑いのコンテストではないのだ。

 だが……

 だが……この少年はどうだwww

 開口一番! エロ本ときたかぁ~

 さすがにそれは予想していなかったwww

 

 すでに道具解説モードに入っているタカト君の勢いは止まらない。

「この腕輪を身に着けることによって、いつでもどこでもエロ本を読むことができるという優れもの!」

 アホかwwwwいつでもどこでもエロ本を読む奴なんていないだろうwww

 観客席からは笑い声とともに、そんなツッコミが聞こえてくる。

 だが、タカトはいたって大真面目! 笑いなど狙いに行っていないのだから。

 だから、少々笑われていることにムッとしているのであるが、今はそんなことはどうでもいい!

 

 

「では、実際に、この腕輪からエロ本を取り出してみましょう!」

 おお! ついに来たかwwww

 観客席はどんなエロ本が飛び出すのかワクワクしながら期待を膨らませる。

 それに対して、審査員席では頬杖を突いた審査員たちが、かなり不機嫌そうな顔でタカトを睨んでいるのだ。

 ――このガキ! 道具コンテストを侮辱しよって! 本当にエロ本など出してみろ! 速攻で0点を出して失格にしてやる!

 おそらく、5人すべての審査員が、そう思っていたに違いない。 

 

 だが、そんなことなど全く気付いていないタカトは大声を上げるのだ。

「開血解放! いでよ! エロ本!」

 そして、次の瞬間! 高らかに掲げられたその手には一冊のエロ本がしっかりと握りしめられていたのであった。

 

 だが、観客席からは歓声ではなく怒声が響いていた。

「この詐欺師!」

「嘘つき野郎が!」

 

 タカトが今、手にしているエロ本は第七駐屯地の食堂でお菊さんからもらった紛れもない無修正のエロ本である。

 無修正のエロ本をエロ本と言って詐欺師呼ばわりされるのは少々納得ができない。

 どちらかというと、無修正のエロ本のほうが本家本元!エロ本のオリジナルである。

 そんなオリジナルに対して嘘つき野郎とは、これいかがなものか!

 

 だが……タカトはステージに立った緊張のあまり、大切なことを忘れていたのだ。

 そう……この無修正のエロ本はエロ本カクーセル巻の中でタコさんウィンナーの攻撃を受けて全てのエロがエロでなくなるという修正を受けいたのである。

 もはやそれをエロ本と言うには無理がある。

 女の体にまとわりつタコさんウィンナーの数々……どちらかというと、ギャグ雑誌と言った方がいいのかもしれない……まぁ確かに、これはこれでマニアックでエロいといえばエロいのであるが……そんなプレイを楽しむ輩はごく少数派である。

 そのため、観客席では男たちがパンツまで脱いで今か今かと待っていたにもかかわらず、タコさんウィンナーのギャグ雑誌を見せられて肩透かしを食らっっていたのであった。

 もう日も暮れて、夜風が寒い……

 おかげで下半身がすっかり冷えて風邪までひいてしまったではないか!

 これも、それも、あの詐欺師野郎のせいだ!

 ということで、いまや、観客席からは大ブーイングが上がっていたのである。

 

 だが、これはこれでタカトにとってはラッキーだったのかもしれない。

 というのも、この瞬間、タカトは失格をかろうじて免れていたのである。

 もし仮に、あの時、タカトが本当のエロ本を出していたならば……審査員たちは、すぐさま0点の札を突き出して失格を言い渡すつもりだったのである。

 それがどうだ!

 タコさんウィンナーのギャグ雑誌www

 それを見た審査員席では笑いが起こっていた。

 ――こいつ! なんだかんだと言いながらエロ本を出さないところがかわいいではないかwww

 そんな審査員たちは0点の札を机の上に戻しながらタカトに声をかけるのだ。

「君wwwwもう、手品はおしまいなのかなwwww」

 そう、審査員たちは何もない空間からギャグ雑誌が出てきたことを、手品か何かだと勘違いしたのである。

 というのも、融合加工は道具の強化。

 権蔵が得意とするように武器の強度を上げたり新たな機能を付与するモノ、すなわち、既存の道具の延長線上に存在するのが融合加工なのである。

 要は、1の性能のものを2や3にするのが融合加工の一般的な概念なのである。

 えっ? なんだって?

 深砂海しんさかい縦筋たてすじ露里ろり万札まんさつエイの胃袋が異次元になっているのは有名な話ではないのかだって?

 確かにそうです……

 その素材を知っているからこそ、権蔵はこのエイの胃袋を金庫の中に保管していたのではないのかだって?

 はい……その通りです……

 なら、ここにいる審査員たちは、そのエイの胃袋の素材を知らないとでもいうのか!

 いえ……そんなことはないです……確かに、このエイの胃袋、異次元につながっているというのは周知の事実なんです。

 だから、この素材を融合加工して作ったゴミ箱なんて重宝するんですよ。

 もう、ゴミが捨て放題www

 この技術を応用して、できたのがコンドームの内側にこのエイの素材を融合加工することによって、何度も使いまわしができるコンドーム!

 出しても出しても、その白玉は異次元空間に放出されるため、コンドームが何度も再利用できてしまうという優れもの。

 こんなバカなことを考えるのはタカト君かですって?

 何をおっしゃいます!

 タカト君は立派な童貞!

 コンドームの使い方なんて知りません。

 まぁ、世の中にはタカトみたいなことを考えるやつもいたんですよwww

 でも、このコンドームとゴミ箱、あっという間に廃品になってしまいました。

 というのも、コンドームを装着すると白玉だけでなくて、装着者自身が異次元空間に取り込まれてしまうんですwww

 さっきまでベッドの上で女を焦らしていた男が、いざ、ことに及ぼうとコンドームをかぶせた瞬間、消えるんです!

 アンアンと喘ぎ声をあげていた女の目の前で、男がムンクの叫びのように顔をビローンと伸ばしながらコンドームに吸い込まれていくその様子。

「ギゃぁぁぁぁぁ!」

 まさに、それはホラー現象!

 だけど、もっと最悪なのは、異次元空間の中に取り込まれたものって……取り出せないんですよ。

 想像してみてください! 大海原に一つの石を投げこんで「拾ってこい!」っていわれて、その石を見つけられます?無理でしょ!

 しかも、その空間が海よりも広い宇宙空間となったら、まずもって不可能!

 そのため、コンドームに吸い込まれた人たちはいまだに異次元空間を裸でさまよっているという法螺ホラー話があるくらいなんです。

 だ・か・ら! 権蔵は誰かが間違ってこのエイの胃袋を触って、異次元空間に取り込まれないように、わざわざ金庫の中に隔離していたのである。

 それが、異次元空間からモノを取り出すだってwwww

 そんな話は聞いたことも見たこともない。

 既成概念に凝り固まった審査員の眼では、目の前で起こった事実を正確に認識することなどできなかったのである。

 

 だが、観客席で見ていたクロト少年だけは目を丸くして驚いていた。

 ――なんだ……これ? 

 もはや1の性能を2や3にするレベルの話ではない。

 いうなれば、1の性能のものがAやBなどという別次元に遷移しているのだ。

 ――これを融合加工と呼ぶのか?

 もはや……別もの……

 クロトは鳥肌が立つような感覚を覚えていた。

 天才は天才を知るという言葉の通り、タカトの作った道具の異次元さが理解できていたのだ。

 いや、理解できたというか、そのタカトの発想に自分がどんなに頑張っても到達することがないというジェラシーに近いような感覚だったのかもしれない。

 第622話 頑張ってね…… より