令和6年2月27日の昼飯

本日、食したカップラーメンはこちら!

 

徳島製粉
「金ちゃん きつねうどん」

だぁぁぁぁぁぁ!

早速! いただきます!
 
オバちゃん!話が長いねん!
その話、3回目や!
ニコニコしながら聴いとると思ったら大間違いやで!
よう見てみい!
さっきから目じりの当たりがピクピクしとるやろうが!
キレてんねん!
実はめっちゃキレてんねん!
茶をのまずに空気を読めよ!
しかも、何おかわり催促しとんねん!
まだ居座るつもりか!
早よ帰れ!
 
などと、何も言えずに3時間!
顔の表情筋が筋肉痛ですwww
 
ということで、今日は「何も言えずに」つながりのお話を
 
 

kakuyomu.jp

 

 仰向けで天井を見つめる俺。

 既にランプの光は消えていた。

 カーテンの隙間から月の光が差し込んで、ほんのりと部屋の中を照らしている。

 寝れやしない!

 横ではネグリジェを身にまとったアキコさんが寝ているのだ。

 そのネグリジェの下はパンツのみ。

 先ほどから心臓がドキドキと打ちすぎて、少々耳の奥がいたい気がする。

 

「本当に……何もしないんだね……」

 アキコさんがつぶやくように言った。

 俺は何も言えないどころか動けなかった。

「……やっぱ……私って……汚いだろ……」

「そんなことないです……アキコさんはきれいです……」

「そうかい……お世辞でも嬉しいよ……」

「どうして、僕を部屋に連れてきたんですか……」

「ただの気まぐれだよ……」

「気まぐれですか……」

「あぁ……気まぐれ……」

 俺はそっとアキ子さんの手を握った。

「やっぱり……温かいな……お前の手……あの時と同じまま……」

 アキ子さんがその手をぎゅっと握り返してきた。

 俺の手が汗ばんで、ジトーっと湿っていくのを感じた。

 そんな手で握り続けていたら俺は、アキコさんに嫌われるのではないかと内心びくびくしていた。

 そんな俺の隣からすすり泣くような声が聞こえた。

 俺は、何も言えずに、ただ、横目で見つめるだけだった。

 横のアキコさんはまるで俺に涙を見せないかのようにの後頭部を向けていた。

 そして、アキコさんは、まるで独り言のようにつぶやいた。

「生きていたら……アンタぐらいかな……」

 それは、小さな小さな声。

 何かを思い出すかのように押し殺すような声。

「アキコさん……子供いたんですか……」

「もう、過去の話だよ……」

 すすり泣く声の中に鼻で笑う声が混じった。

「なら、会いに行けばいいじゃないですか……」

「そうだね……会いに行こうかね……特に、これといって未練もないしさ……」

 俺は、一瞬ドキッとした。

 今、踏んではいけない地雷を踏んだような気がした。

 そして、それは、ネタではなく、マジで悪い方向に行く予感しかしなかった。

 とっさに、俺は、取り繕った。

「まさか、アキコさん、死ぬとか思ってるんじゃないでしょうね……」

 しかし、言葉は帰ってこない。

 アキコさんの手を握りしめている俺の手が、別の緊張でどんどんと汗ばんでいく。

 もう、手の下にある布団の表面が、水でぬれてビチョッとしていた。

 しばらくして、アキコさんはつぶやいた。

 まるで自分に言い聞かせるかのように。

「死にはしないよ……私は、まだ、あの人に恩を返しきれてないからね……」

「あの人?」

「アンタは知らなくていいんだよ……でも、これでアンタにも借りが出来たかな……」

 フフフと笑うアキコさん。

 細い指が、枕もとのティッシュに伸びたかと思うと、ズズズと鼻をかむ音が響いた。

 その瞬間、二人の小さな笑い声がシンクロした。

 もう……大丈夫かな……

 俺は少しだけ安心した。

「ところで……アンタがココにいるってことは……明日のヒドラ討伐はムツキらだけかい……」

 一瞬、ドキッとしたが俺は何も答えなかった。

 というか、先ほど追放さればかりなのだ、もう、あいつらの事は関係ない、考えることも嫌だった。

「ムツキのやつ……死んじゃうのかね……結構、楽しいやつだったんだけどな……」

 もう、俺は天井を見ることしかできなかった。

 俺には関係ない……

 俺には関係ない……

 俺は心の中でつぶやき続けた。

 

 そのまま二人は手をつないだまま眠りについた。

 それは、いつもより少しだけ温かさを感じる眠りだった。

 

 そんな二人をジッと見つめている視線があることにヒイロは気づかなかった。

 それは、いつの間にかヒイロの影から抜け出していたレッドスライム。

 窓から差し込む月明かりに照らされ、寂しそう瞳でヒイロを見つめていた。

 その目から一筋の涙が月光を散らし落ちていく。

 

 第20話 寂しさと切なさ(4) より